東孝の格闘空手 空手リアルアーツシリーズ ⑪ VOL1

この連載は『月刊空手道』(福昌堂発行)1985年8月号に収録されたものです。肩書は掲載当時のものです

解説・指導 大道塾代表・東孝 ●協カ 長田賢一 

空手道リアル・アーツシリーズ11

21世紀の空手!

格闘空手の総帥・東孝が公開する

超実戦空手のスーパーテクニック講座第11

格闘コンビネーション第四章

第四章 回し蹴りからの連繋 4

左回し蹴りによる仕掛け

 右の回し蹴りの蹴り方は大きく分けて三種類ある。以下、簡単にまとめてみる。

①振り廻して横から蹴る場合:オーソドックスな蹴り方である。この蹴りは、上段に対しては両腕で、中段に対しては肘を体側につけ、下段に対しては鍛えた脛で足を左開きにして受ければ容易にブロックされてしまうものである。例外的に、下段蹴りの場合、片足立ちで受ける人間に対してわざとすようにして、蹴り足の内側で相手の軸足を掛けて刈ったり、脛で払ったりして倒すといった使い方もあるが、(写真1)普通は下段蹴りに対しては左足の親指一本でも床に残しておけば倒れるものではない。

 

②廻さずに真っすぐに蹴り込む方法である。これは直線運動だから時間的にも短かいし、腰を入れて体重を乗せて蹴れるし、上段蹴りならカウンターをもらいにくく、下段蹴りがまともに脱力状態の足に入ったら一発KOもあり得る、いわば回し蹴りの正攻法である。(写真2)

 

③これはトリック的方法で、いったん上段蹴りの状態まで膝を抱えあげて、視線も比較的上の方を見て)相手に上段回し蹴りと錯覚させて中段に押し込むように蹴ったり、下段に落したりして大腿を蹴る方法であり、これも往々にして効果的な技である。(写真3)

しかしこの技の短所は、相手に接近しすぎてしまうことであり、必ず手によるブロックやペリングを心掛けておく必要がある。

 

 

さて、技はルールによって変化、もしくは規定されてくるものだが、この回し蹴りに関してもそれはいえる。いわゆる顔面突き禁止の直接打撃制の試合では、これらの回し蹴りも体ごとぶつかる要領で思い切り蹴れるが、(写真4)実戦や格闘ルールの試合では、顔面へのカウンターパンチを警戒するため、上体を引き気味にしたり、手で顔面カバーしたりして蹴るため、どうしても蹴り自体は軽くなる。(写真6)このところだけを見て蹴りに威力がないと思うのは皮相的な見方であり、気にする事はない。しかし顔面へのカウンターを気にせず蹴るという方法も、闘いの一局面では使うケースも少なからずあるので、形の一形態として覚えておくことは大切である。