2001年全国夏合宿の報告

7月27日(金)〜29日(日)、大道塾第6回全国夏期合宿が茨城県の阿字ヶ浦で行われた。世界大会を11月に控えて、世界大会出場決定選手・リザーバー選手を筆頭に黒帯選手がこぞって参加、近年増加している女子部・少年部については四年に一度の全国合宿ということもあり例年以上の参加が見られた。

スケジュールは、毎年恒例となっている早朝6時からのランニングから始まり、少年部からBC(ビジネスマンクラス)まで、東塾長と共に海辺を走った。最長で20代男子は、12kmを激走。戻って、ジャンピングスクワットと腕立てを行い、食事を間にはさみながら、午前・午後二時間づつの練習を行った。

1日目の稽古では山田支部長の打撃からの組技への対処、首の取り方、袖の取り方、打撃を効果的に当てるための方法、金的攻撃など、今後の格闘ルールに直接生きてくる練習方法について
2日目の午前には長田支部長からジャブの使い方、パンチの効果的な撃ち方など、後半はグランドのスパーリングなど、
2日目の午後には飯村健一支部長からミドルキックや膝蹴りの撃ち方、ミットを使ったコンビネーションの練習など、
全国から集まった選手同士、技研・ミット・寝技と技術交流を図りながらたっぷり汗を流して練習を行った。
ここで行われたテクニック講座は、今後ホームページで紹介する予定です。

また、様々な全国的な打合せが行われ、BC・女子部・少年部については、各地区ごとにばらつきのあったそれぞれのルール統一が行われた。主なところでは、少年部の場合は、ボディ攻撃ではいい攻撃が入ってもポイントをとって試合をストップさせず、攻防を継続させる。また、少年部・女子部・ビジネスマンクラスすべてにおいて、3秒間の掴みからの攻撃が認められることとなった。

統一ルールに基づいて行われた少年部・BC・女子部とも熱のこもった試合が繰り広げられた。
少年部は今回から取り入れられた掴みからの攻撃や投げに柔軟に対応し、つかんでからの膝蹴りや、投げなどの多彩な攻撃が見られた。まだ不十分ながらもその柔軟な適応能力や大きな可能性にはおどろかされた。

ビジネスマンクラスでは丸山弘の独断場となった。一回戦ではパンチで効果2をとり完勝。決勝では重たいローキックを武器に勝ちあがってきた大塚章弘と対戦した。大塚のパワーあふれる攻撃をものともせず、確実に攻撃していく丸山。ついに鋭い右ストレートで有効を奪い完勝。だが、最後まで勝負を捨てずにローキックとパンチの連打で応戦した大塚の気合いには大きな拍手を送りたい。

女子部の試合では、石巻支部少年部弐段 加藤睦美(14)が初参戦し、旋風を巻き起こした。恵まれた体格とパワーを生かし、重たいローキックとパンチで前進しながら、女子部の上位クラスを次々と倒して決勝まで駒を進めた。かたや優勝候補の早稲田支部初段 岡裕美(25)は的確で切れのあるパンチ・前蹴・ハイキックなど、すべてにおいて頭一つ抜きでており、順当に決勝まで進む。決勝では岡の的確な攻撃と加藤のパワーが真っ向からぶつかった。前半までは加藤がパワーで前進し続けるが、確実に打撃をヒットさせる岡の前に、徐々にペースをとられはじめる。加藤のパワーに任せた強引な投げに対し、大きな声で気合いを入れた岡のハイキックが炸裂。両者のものすごい気迫に会場も盛り上がる。最終的にはパワーを技で制した岡に軍配が上がる。それにしても、弱冠14歳の加藤は将来が楽しみな選手だ。

黒帯グランド戦は北斗旗常連の選手たちが出場し、藤田・稲垣戦、武山・長野戦、藤松・岩木戦、山崎・稲田戦など見ごたえのある試合の連続となった。決勝はしっかりとしたグランド技術を持った山崎とナチュラルなパワーとバランスを誇る長野の戦いとなった、残念ながら長野の故障によって途中で試合続行不能となったが、両者とも技術力の高さを見せた。この戦いの経験を生かし、充実した世界大会での活躍を日本代表勢に期待したい。

最後に行われた新人戦(黒帯以下の一般部)の準決勝では、小柄ながらもショートの間合いでの連打が光る鈴木純芳(横浜)が負傷をおいながらも準決勝まで勝ちあがる。その対戦相手は早稲田大学の石橋昌之(早稲田)だ。距離を保ちながらストレートなどを武器に戦うスマートなスタイルの石橋。石橋が距離をとりながらストレートを中心に攻撃を仕掛けるも、鈴木の間合いに飛び込むスピードが上回り懐に入りショートパンチの連打が決まる。両者一進一退ながらも僅差で鈴木の勝利となる。もう片方のブロックを制してきたのが、浦和支部の青木である。北斗旗の中量級で準優勝の実績を持つハードパンチャーだ。青木の戦い方はとてもシンプルで、強烈な右のパンチを中心に組み立てられ、どんな相手にもその戦い方を崩すことはない。準決勝までその右パンチだけでダウンの山を築いてきた。準決勝の相手はこちらも北斗旗経験者の東龍二。こちらも他を寄せ付けない強烈なミドルキックなどを駆使し勝ちあがってきた。試合は東の長いリーチをものともせず、青木が距離を詰めてパンチを撃っていく。その右パンチがカウンターで当たりそこからグランドに移行しマウントパンチで効果をとる。決勝はショートパンチを当ててくる鈴木に対し、青木も右フックで応戦。乱打戦から青木がバックマウントを奪い効果をとるも、鈴木のパンチが効果を奪い息もつかせぬすばらしい決勝戦となる。延長戦に入り鈴木がバックマウントを奪られそうになり返そうとした一瞬に、青木の腕十字が決まる。青木は得意の右パンチを生かすための技を修得すしてくれば、今後北斗旗においてもさらに怖い存在となることだろう。

今年の合宿は世界大会を控えていることから黒帯の参加も特に多く、これまで試合会場でしか顔を合わせることのなかった同士や、日本全国の支部の塾生同士がコミュニケーションをとれるとてもよい機会となったようだ。

全国合宿での各試合結果
小学3・4年生の部
優勝 漆原康弘(総本部)
準優勝 松浦良樹(練馬)
小学5年生の部
優勝 友次文武(八王子)
準優勝 山本卓詞(名張)
小学生6年生の部
優勝 佐藤寛司(石巻)
準優勝 田辺邦彦(総本部)
中学生の部
優勝 佐藤将光(石巻)
準優勝 渋谷星良(東北)
黒帯戦
優勝 山崎進(総本部)
準優勝 長野常道(総本部)
3位 藤田忠司(岩田)
4位 藤松泰通(総本部)
ビジネスマンの部
優勝 丸山弘(佐久)
準優勝 大塚章弘(新宿)
女子の部
優勝 岡裕美(早稲田)
準優勝 加藤 睦美(石巻)
新人戦
優勝 青木政樹(浦和)
準優勝 鈴木純芳(横浜)
3位 東龍二(早稲田)
4位 石橋昌之(早稲田)

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