R.I.S.E.参戦レポート

吉祥寺支部長 飯村健一

R.I.S.E.参戦の経緯と、9月28日の試合内容を報告します。
 まずは、R.I.S.E.とはどのような大会なのか、ご説明が必要だと思います。R.I.S.E.は、肘打ちなし・スパッツ着用・3分3Rで行われるキックボクシングルールの大会です。
 プロ部門とアマチュア部門に分かれており、吉祥寺支部から選手を出場させた今大会で4回目の開催となります。

 その前身は、元日本チャンピオンの伊藤隆氏が、ゴールドジムでのキックボクシングクラス"TARGET"を中心として開催したアマチュアキック大会だと言っていいでしょう。加藤清尚先輩が伊藤氏と親交が深く、昨年春頃に「行徳支部から選手を出しませんか?」と打診されたのですが、まだ支部開設から間もなく、選手が育っていなかったため、その話は吉祥寺支部に回ってきました。
 塾長に相談したところ、アマチュアの交流なら良いだろうという事になって、アマチュアクラスに、黄帯2人、緑帯1人が出場し、結果は2勝1敗、ひとりはMVPにも輝きました。

 一方、自分と同年代でもある、ターゲット代表の伊藤氏に加え、クロスポイント吉祥寺(キックと修斗のジム)代表、山口元気氏らが中心となって、加盟ジム制度を取らない、誰でも参加できるシステムを導入した、新・打撃格闘技R.I.S.E.が旗揚げされました。

今年の6月、再び、伊藤氏からのR.I.S.E.アマチュア部門への出場依頼を受け、吉祥寺から4人出場し全勝を挙げました。その為、Aクラスで勝った末廣、崎村にはプロ参戦の話が来ることとなったのです。
 
そうなると、正式に大道塾としての参戦となるため、伊藤氏が塾長を訪問、加藤先輩と自分も加わり、R.I.S.E.というシステムや関係団体などの説明を行いました。「自分たちも責任を持って大道塾の『社会体育』という路線をはずさないように行動します」と言うことや、伊藤さんの人柄もあり、大道塾としての参戦を了承してくださいました。

 さて、試合ですが、第2試合に末廣智明(大道塾1級)が出場しました。

 尾崎圭司(チームドラゴン) VS 末廣智明   65s契約

 1R、尾崎のミドルキックをスウェーで見切ったり、ローにカウンターを合わせるなどするものの、待ちのスタイルとなってしまったため積極性に欠ける。新人戦では進歩を見せたパンチも単発で流れてしまい、クリーンヒットしない。互いに決定打がないまま、やや末廣のペースで1Rは終了。
 
2R、末廣のローが当たり始めるが流れは変わらず、相手が時折かかと落としやバックスピンキックを見せるが、的確なヒットはない。末廣もパンチで攻めようとするのだが、流れてしまうのですぐに首相撲の展開になってしまう。組みの展開では相手は露骨に手でボディをカバー(肘がないため)するが、徐々に膝蹴りが入り始める。
 
3R、膝も効いてきており、スタミナでも相手より上回っている末廣が、このままペースを握って振り切るかと思われた矢先、相手の起死回生の飛び後ろ回し蹴りがガードの上からヒットする。足が揃っていたため、スリップ気味ではあるが倒れてしまう。すぐに立ち上がるもののレフェリーはダウンを宣告。膝蹴りで反撃を試みるが、詰めることが出来ず、相手も頑張って試合終了。最終Rのダウンが大きくポイントに影響し、判定は3-0で尾崎に上がった。

 藤倉悠作(格闘結社 田中塾) VS 崎村匡如  70s契約

 1R、新空手全日本大会を全試合KOで制している藤倉は、馬力があり積極的に前進する。対する崎村は左ミドルで応戦、時折バックブローなども見せるが、蹴り終わりのカバーが甘いため、中に入ってくる藤倉を止め切れない。首相撲でもロープに押し込まれ、不利な体勢でのブレイクとなってしまい、印象が悪い。
 
2R、展開は変わらず、崎村は左ミドルは出るが、フォローの左ストレートや前蹴りがないため、藤倉の前進は止まらない。蹴りのヒットでは崎村だが、手数や積極性で藤倉が上回っている。

 3R、ミドルやテンカオで攻める崎村、身体で受けて前に出る藤倉。互いに決定打はないものの、藤倉が前進し続ける展開で試合終了。判定は2-1とスプリットになるが藤倉に上がった。

 末廣、崎村ともナチュラルウェイトで出場したが、計量時にはアンダーとなった。対する相手は減量しての出場であり、明らかな体格差は否めず、1、2階級上のパワーがあった。
違う競技に挑戦するための準備期間に不足があったことは、敗因の一つとして考えなくてはいけないだろう。
 
今回、二人は試合に向けて藤本ジム(新日本キック)やクロスポイントへの出稽古を積み、チャンピオン、ランカークラスの選手とのスパーリングを経験、技術的には良い経験をしたのだが、
自分から前に出て、詰めていく姿勢に欠けていたように思う。技術に偏りすぎて、相手の動きを見過ぎてしまう傾向を修正しなくてはならない。今後の課題としたい。

以上、今回のR.I.S.E.参戦への経緯や、試合内容の説明を致しました。決して無断で出場したのでも、大道塾の理念を逸脱した訳でもありません。ご理解のほどをお願いいたします。
押忍。

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