加藤清尚(行徳・大森支部)
11月21日〜26日までの5日間、中国北京にて行われた散打と大道塾の対抗戦のセコンド、コーチ役の為、渡中した。
今回は6vs.6の団体対抗戦でキックボクシングに投げのポイントを加えた散打博撃ルールで行われた。近年この様な興業形態が増えてきておりタイからムエタイ選手を招聘したり、先月は日本からSBの選手を招いて対抗戦をやったというが、中国側の勝率が高く独特なルールへの慣れと共に厚い選手層の中で磨かれて他国の強豪選手と競う事で、レベルアップをしてきていると思われる。
今回派遣した選手達は皆、緑帯〜茶帯の選手で若手中心のチーム編成である。これは北斗旗全日本無差別が間近に控えており主力選手は皆そちらへ出場の為、また若手選手に試合の経験を積ませるという意味もありこういう選手を選考したいのだという理由を塾長より聞かされた。
北京に着いた翌日、11月22日(土)に計量があった。日本側の選手は前日夕食を控え目にして体を動かし汗を流す等、契約体重リミットを下回る様各自努力をしていたが中国側は、何と2人の選手が5Kgオーバー(!!)残りの選手も1Kgオーバーであった。1Kgはともかく5Kgとなるとキックで云えば2階級は違う事になり開いた口がふさがらない状態だが中国側は意に介する様子もなく計量後は選手団揃って食事へ行ってしまう始末。通常なら再計量の為試みるがそれでも落とせないならグローブハンディーを付けるなどの措置を講ずる為の話し合いが持たれるはずなのだが何の音沙汰もなく進行していく。
大会当日の午前中にリハーサルの為会場入りしたが、その際体重の件で中国側へクレームを付けるも向こうは開き直って審判団の会議に掛けてくれと、怒り出す始末、もうルールも何もあったものではない。更に試合前にバンテージを巻いていたら主催者側の人間となんと向こうのコーチが来て「こんなバンテージの巻き方は認められない。すぐに巻き直せ。大会指定のバンテージを使用していないのも認められない。」と言いがかりを付けてきた。バンテージの件は事前に何の通達も無いし我々は普段の巻き方でバンテージを巻いていたのだが、もうめちゃくちゃ、こんな奴らとはやっていられない。こっちはアウェーだが、ここまでひどいとは・・・。しかし、選手達は不利な状況に左右される事なく、皆、前向きに全力で闘った。
結果としては全敗したが、初の国際試合で、不利な中で、初めてのルールにも関わらず、最後まであきらめずに闘い抜いた事は評価したい。試合後、中国側の関係者も、その点は大変素晴らしいとコメントしていた。
今回参加した選手がこの敗戦を糧に、次の飛躍につなげて行って欲しいと願います。
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