コロンビア遠征記

中川博之(木町支部)

11月9日〜16日までの南米コロンビア遠征の報告をします。

11月9日
午前9時過ぎに東塾長と総本部からリムジンバスで成田空港へ向かい11時頃に到着し、同行する稲垣先輩と合流。
チェックをすませ、搭乗まで時間があるのでランチをとる。コロンビアではきっと食べられないであろう、ラーメンを食べながらまずビールで乾杯!!
13時30分、コロンビアに向けて出発。
ここから、14時間かけてアメリカのダラス、3時間かけてマイアミ、そしてまた3時間かけてコロンビアのカリへ。待ち時間を含めたら約1日、気が遠くなりそうだ。それにコロンビアといったら、誘拐やゲリラ、麻薬といった物騒な話しか聞いたことが無い。本当に憂鬱だ。
しかし機内で映画を観たり、本を読んだり寝たりしているうちにそれ程、苦にもならずにコロンビアに到着。出迎えてくれたのは、コロンビアのエドワルド支部長を始めとする忍耐道場の方々と、通訳の牛田さん。

今日はその中の1人、クリスチャンという道場生の所有するホテルへ。ここは現地ではかなり有名な100年前の小説の主人公の生家が隣接してあるホテルだ。到着しすぐに食事をとりながら、顔合わせ会をした。
食事は揚げ餃子みたいなもので、こっちではファーストフード的な感覚で食されているらしく、結構おいしかった。
その後解散し、11時過ぎに寝ることにした。

11月10日
午前6時に起床し、稲垣先輩とスパーやウエイトトレで1時間くらい汗を流す。その後朝食をとり、小説の舞台を見学。詳しくは書かないが非常に興味深いものであった。
11時頃からは地元スポーツ局の取材と、新聞社の取材があった。彼らも『空道』という未知の格闘技に対して、興味を示す反面、半信半疑なところもあったように感じたが、かなり協力的な姿勢をみせてくれた。
今日はその後、コロンビア支部の忍耐道場を見学し、夜は中華料理を食べたのだがやっぱりラーメンの感覚が違う。
味噌汁のような具にうどんが入っているようなものだった。それはそれで美味しかったのだが。

11月11日
眠りが浅く、朝5時には起きてしまう。時差ぼけか。そのまま稲垣先輩と朝の練習、1時間くらい汗を流す。もう恒例だ。
今日はカリ市市長への表敬訪問。
行ってから驚いたのだが、記者会見場があり、テレビ記者、新聞記者らが多数おり海外での『空道』の注目度の高さが改めてわかった。そして先生は名誉市民に。凄い!!
その後食事をとり、第1回めのセミナー開始。まずは少年部からだ。

こっちの少年部というか一般部もだが、まだルールは伝統空手のもので、不慣れな感じだが、やっているうちに突きも蹴りも上達し格好が良くなってきた。それにみんなの眼つきが素晴らしく、強くなってやろう、上手くなってやろうという気がもの凄く伝わってきた。
私も支部で少年部の指導を任せられているが、日本の子達は幸せすぎるからか、戦うことに逃げてしまう子や、あきらめてしまう子が少なからずいる。この事は空手を習っている子供にかかわらず、日本人全体が学ばなくてはならないことだと思う。

夜、この日2回目のセミナー、今度は大人の部だ。東塾長の指導で、基本稽古、移動稽古をした。
脚の動きなどは悪くなかったが、やっぱり伝統空手の影響で、顔面のガードが出来ていない人が多かった。

11月12日
そういえば昨日から道場の近くのホテルに移った。
昨日まではおしどり夫婦の神風の旦那(いつも送り迎えしてくれていた道場生)が車でとばして30分くらいの場所にあったが今度は5分くらいのところにある。
ということで、朝11時からの稽古の前に稲垣先輩とジムでウエイトトレーニングをする。ウエイトのジムだが道場の周辺だけで4,5箇所あったと思う。最近日本も大きいジムはかなり出来てきているが、小さくて誰でも気軽に入れるようなジムがもっとあってもよいと思う。

さてウエイトも終わり、今日はセミナーが3回もある。日中は稲垣先輩と私で少年部と、一般部を行った。
スペイン語、英語が殆ど出来ないため、ジェスチャーやみんなわからないであろう日本語をそのまま使い何とか乗り切った。
今日は基本、移動稽古を行い最後は約束組手をした。これも初めてだから仕方の無いことだと思うが、組手では早く当てることだけを気にしてしまい、1つ1つの技がおろそかになっていたような気がする。

夜、3回目のセミナー。今度は塾長の指導で組技や打撃から組み技といった練習を行ったのだが、みんな真剣に聞き、技を覚えようと必死で動いていた。その中で特に受けていたのが、頭突きなどの空手には無い技だったように思う。この最後のセミナーは教えていた私も非常に為になった。道場生達もきっと満足したと思うし、空道をやってみたいと思ったんじゃないかと思う。

3回のセミナーも無事終了し、通訳の牛田さん夫妻と打ち上げをし、ホテルに帰ってからも先輩とテキーラボトル1本を空け、床についた。

11月13日
今日は少年部のトーナメントがあったのだが、そのトーナメントは貧困の子や、孤児院の子達の支援を行うという目的で今年で16回目の開催だそうだ。その中で稲垣先輩と私で演武を行うという大役を任せられた。しかも国営放送で放映されるという。
最初は試割りやミット打ちなどをやる予定だったのだが、2人でスパーリングをすることになった。コロンビア中に空道をアピールをすること、見ている人達を満足させること、いろいろなプレッシャーもあったが、無事終わることができた。

その後、通訳の牛田さん、先輩と買い物をし、夜の打ち上げへ。
連日の打ち上げも今日が最後、明日は朝も早い為みんなとは今日でお別れとなった。

11月14日
朝5時前にホテルを出て、空港へ。
ホテルには牛田さんの旦那さんが見送りに来てくれた。本当にありがとうございました。
エドワルド支部長と共に空港へ向かい、コロンビアを後にする。
前にも書いたがコロンビアといえば、治安の悪さばかりを耳にするが、いざ行ってみると街に関してはそんなことは全く無いし、良い人達ばかりだった。ただ排気ガスだけは凄かったな。

その後、マイアミに1日泊まり日本へ帰国した。
帰りの飛行機で観た『セカチュー』は良かったな〜。
今回のコロンビア遠征、去年のエストニアに続いて2回目だったが、非常に貴重な経験だった。地球の裏側にも同じ価値観をもった人達がいる、そして世界大会へ向けて精進している。もっともっと頑張らなければいけないなと思った。

最後にエドワルド支部長を始めとするコロンビア支部の方々、通訳の牛田さん夫妻、たくさんの方々のおかげで何不自由無く滞在することができました。この場をお借りして感謝します。本当にありがとうございました。
今後のコロンビアでの空道と忍耐道場の発展を心から願っています。
そしてこの場を与えて頂いた東塾長、緊張していた私を和ませてくれた稲垣先輩、本当にありがとうございました。
また機会があればよろしくお願いします。押忍。

本サイトに掲載の記事・写真等の無断転載を禁止します。
Copyright(C)KUDO/DAIDOJUKU all right reserved.

このページを閉じる