第8回散打世界選手権 笹澤快進撃!

東孝

(速報)2005年12月11日

第8回散打世界選手権」(ヴェトナム、ハノイ市)に出場している笹澤が(ジュクチョーのセコンド宜しきを得て(※1)1回戦はベスト4候補のウズベキスタンの選手(これはロシア圏特有の筋肉の塊が、どんどん前に出てくるタイプで本当に強かった)に勝って「エ−ッ!まさか」という反響を呼び、2回戦で優賞候補のイランの選手(※2)に勝ち、観客、関係者の度肝を抜いた!「これは事件です」とは日本へ最初に散打を紹介した木本泰司監督の話。
1試合前の待機場所で「お前こういう風にみんなから注目される中で戦うのは好きだろう?」と聞いたなら「オス、好きですね」と勝つ選手に共通する答え。一般社会で普段からこれを出しすぎると嫌われるが(笑)試合では「みんなが俺の試合を見に来てる」位の神経になれる選手が実力以上のものを出す、という典型的な例だ。
お蔭様で今日ホーチミン市へ移動してでするジュクチョーの予定もキャンセルする羽目になった!というのは贅沢な繰言か。
今日は試合がない(散打の世界大会は全日程10日間!!!時間が・・・・)ので明後日のイタリア戦に勝てばベスト4で、相手は正真正銘の優勝候補、常勝中国と当たる。事実上の決勝戦といっていい相手だ!決勝は一方のかなり楽なブロックから上がってくるウクライナか、マレーシアか?ベスト4の時点で(銅メダル確保!)2008年北京オリンピックで最低でもデモ競技となるだろうと思われている「武術(※3)」競技への出場の可能性が出るかも。
尚、他の選手は惜しくも1回戦で敗退した。

※1 立場上ウチの試合では出来ないので「なんでそこを攻めさせないんだ、このバカヤロー!」といつもイライラしてたから楽しかったねー。笑)
※2 ここ10年間常に1〜2位。1ラウンド、散打ではあまり使われない「送り足払い」で転倒させられてからペースを乱した。多少舐めて余裕を持ち過ぎていたか、「トラはウサギを追う時も・・・」か)
※3 ウーシュと読む。空手の組み手に当たる「散打」と、型に当たるで「套路(トウロ)」で構成される。中国は1964年の東京オリンピックでの柔道、1988年のソウルオリンピックでのテコンドーのように、オリンピック競技化を目指し国を挙げて運動している。だからここ10数年で約100ヶ国に普及させた。今回は64ヶ国が参加)

2005年12月12日

「勝負事はやってみないと分からない!」とつくづく思った。
残念ながら笹沢は絶対に勝てたはずの相手に負けてしまった。
1ラウンド前半相手も優勝候補に勝った選手という事で警戒し大して手を出してこない。が笹沢も手が出ない。後半相手の蹴りを掴んで掛けて転倒させ「これは楽勝だ」と思ったのだが・・・。

優勝候補のイラン選手は笹沢を舐めたから笹沢が勝てたし、今回は舐めた訳ではないが少し甘く見てしまってガムシャラさがなかった。日本初のベスト4入りだったのに・・・。試合後「体が重かった」と。いかに笹沢が試合度胸があるとは言っても、初めて経験する散打の試合。精神的な疲れもあるのだろう。また、調整にも個人差があるのでいつも笹沢についている訳ではない俺としてはあまり自分の経験を押付けても、選手のやる気や、自主性を損ねると思い、もう少しUPした方が良いかなと思いながらも強く言わなかったが、昨日までの積極性がなかったというのは明らかに試合前のUPが足りなかったのだろう。
しかし、ベスト4と優勝の常連者2人を下したことは関係者の間に衝撃ともいえる高い評価を生んだし、俺としても高く評価したい。「本当に良くやった。ご苦労さん」と言ってやりたい。

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