トルコ・ブルガリア遠征記

藤松泰通(総本部)画像の解説文:東塾長

「兄弟!?」(塾長) 兄弟?

七月の十一日から十八日まで先生、奥さん、今年の重量級で優勝した帯広支部の佐々木さんと自分の四人でブルガリアとトルコに行ってきました。
前日に佐々木さんが本部にこられ、翌朝池袋サンシャインからバスで空港に向かいました。飛行機で約十二時間かけてトルコのイスタンブールに着きました。その日はブルーモスクなどを見ながら今後の予定を話したりして夕食を食べました。

次の日また空港からブルガリアへ移動しました。ブルガリアの空港に着いたら昨年の世界大会にもきたというブルガリア支部の人達が迎えてくれました。その日は晴れていてとても暑いのですが日本のように湿気がなくカラッとしていて気持ちが良かったです。
そこからさらに車で二時間弱くらいの町まで移動しました。ホテルにチェックインして午後からその町の道場責任者のニキや支部長のディンコ、他二人に基本や移動、簡単な組手のパターンを教えました。みんな思っていたよりも上手く、よく練習しているなといった感じでした。
その日の夕食をブルガリア支部の人達と食べていると途中で今回のセミナーに参加したいとハンガリーやって来た伝統派の人間二人も急遽加わりました。二人ともすごく大きくて強そうだなあと思うのと同時に第三回の世界大会が大変だなあとも思いました。

次の日のセミナーには五十人くらいの人が集まっていました。いつも思うのですが、海外のセミナーでは色々な流派や格好の人がいてすごくおもしろいです。人

ざっと基本、移動を終えて組手を教える時間になりました。いくつかパターンを教えているとどんどん自分流にアレンジしていくのを見て、応用力があるなあ。と思いました。
しかしその一方でおおざっぱというかこの技の動きはだいたいこんな所だろう。といった理解のレベルで先に進んでしまうためどうしても力に頼った動きになるようでした。
なので技を深めるといった事はあまりないように思いました。この辺に対外国人の対策があるような気がしました。

セミナーが終わると今度は大道塾生だけでの審査会が始まりました。基本、移動と自分が号令をかけて行いました。先程、セミナーでいっしょに稽古しているので言葉は通じなくても幾分かこちらの言っていることが解かっているようでした。体を使ったコミュニケーションはやっぱり大事だなあと思いました。審査会が終わると色んな人に写真をいっしょに撮ってくれと言われました。先生も質問攻めにあい忙しそうでした。
ホテルで少し休んでから道場生達と夕食を食べその日は終わりました。

セミナー [セミナー]佐々木指導員の攻撃を藤松指導員が受けて説明
セミナー [セミナー]それに解説を加える塾長
ブルガリア支部審査後

次の日はお昼に日本料理の店にいきカツ丼を食べたのですが、すごく美味しく感じました。いっしょに行ったニキなどはうどんをお箸で食べるのに苦労していました。そのあと大使館に行き、それが終わると次はディンコ達の町へ向かいました。
車で五、六時間かけて町に着きホテルにチェックインしてディンコの経営している湖の近くのレストランに行きました。しばらくするとワイン工場を経営しているといういかにも酒飲みそうなおじさんがやってきました。明日はこのおじさんの工場を見学に行くそうです。自分と佐々木さんはそのあと若い連中といっしょにディスコに行きました。音楽はガンガン鳴っているのですが、すごく盛り上がるでもなしに、結構淡々としている感じがするのですがそれでも皆楽しそうでした。ブルガリア人は案外おとなしいのかなと思いました。ホテルに帰ったのは午前四時近くでした。

次の日、昨日のワインおじさんの工場へ行きました。すごく大きな工場でした。作りたてのワインも樽から直に試飲させてもらいました。何かが違う気がしました。お土産のワインをもらい工場をあとにしました。

葡萄園 ぶどう園で
ワインの利酒はグラスの足元を持つ
(陰の声「誰でも知ってるよ」)

そして次の国トルコへ向かう為、車で途中国境を越えました。陸路で国を越えるのは初めてでしたが検問で三、四時間待たされました。国境近くになると車がたくさん並んでいてパスポートチェックに一台で十分はかかっているようでした。最初は冗談で「三時間くらいかかるんじゃないか?」と言っていたら本当にそうなりました。検問も一回ではなく三回くらいやりました。トルコに入ってからディンコが車を飛ばすのですが途中大雨がきて前が見えないくらいでしたワイパーが壊れたり、オイルが切れたりしましたが無事トルコのイスタンブールに着きました。その日に食べた日本食は本格的な所で本当に日本の居酒屋のメニューみたいでした。食べ終わりさあ帰ろうという時にブルガリアからいっしょにきたスポンサーの太った人が「アイスが食べたい」と言い出したらしく皆でアイスクリーム屋に行きました。「まあ、いっしょに食べよう。」みたく言うのですがすごく甘いプリンやアイスがでてきてみなゲンナリしていました。

待ち時間 国境

次の日の午前中にトルコで空道をやりたいという人間に会いました。最初はあまり乗り気ではなかったみたいですがDVDを見せたらすぐに色んなとこに電話をし、明日テレビ局がくるのでそこで演舞してくれと言ってきました。自分はホントかなぁ?と思いましたがそういうコネクションを持っているらしく自信満々なのでまあ半分くらいに聞いておこうと思いました。

次の日の約束の時間になってもテレビ局はやってきません。結局飛行機の時間に間に合わないという事で次のセミナーの約束をしてトルコの人間と別れました。それから空港に行き約十二時間かけて日本に戻ってきました。

今回はブルガリアとトルコの二ヶ国に行きましたが、セミナーにはギリシャ、セルビア、ハンガリーの三ヶ国も参加していました。どんどん世界に広がる空道はそれだけ認められているんだなあと思う反面、もっと日本がしっかりしなければと気を引き締めなければならないと思いました。海外の人間は良い意味で貪欲です。自分がこれは良いと感じたものはどこの国の何であろうと取り組もうとします。武道もそうです。うかうかしていると技も精神の面でも海外に遅れをとることになります。これは大道塾の第三回世界大会に言える事だけでなく今の日本全体に言える事だと思います。

多くの日本人は海外でなぜ武道がこんなに高く評価されているのか気づいていないようです。というか、海外での評価が高いという事にも気づいてない人のほうが多いのかもしれません。海外の人達は中身のない物にはそれなりの評価しかしません。

自分達は日本人として、世界に武道を発信していく者としてまずその中身の部分、今の日本から忘れ去られた心(礼儀、気配り)や技(技を深める)などを見直していかなければならないと思います。(体は心正しければついてくると思います)そしてそれを世界に伝えていかなければならないと思います。
今回同行してくれた帯広支部の佐々木さん、色々話せて楽しかったです。ありがとうございました。また今度色々お話しましょう!
セミナーに連れてって下さった、東先生、奥さん、いつもながら大変な勉強をさせて頂きました。ありがとうございました。そしてお疲れ様でした。

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