イタリア・ハンガリー海外遠征 珍道中の旅

狐崎一彦(盛岡支部) 画像コメント:東塾長

ハーイ皆さん私が狐崎ですよ
ハーイ皆さん私が狐崎ですよ

今年2月大道塾の全国運営会議の時、東塾長より『秋にイタリアに大会とセミナーを開催する予定があるため同行しないか』というお誘いをいただいた。『イタリアか・・・』と胸ときめく思いあり、ここらへんで自分自身を見つめ直し、これからの空手指導していく上で良い勉強になればという気持ちもあったせいか、『是非、その機会があれば、参加させていただきたい』とお願いしました。しかし、「大道無門」の大道塾、何があっても不思議ではない・・・どんな珍道中、不安もあるのかなと・・・? 笑 不安と楽しみ、があったことも事実・・です。再度 笑

神山(日進支部長)とは、事前に連絡取り合いながら、参加についてあれやこれや電話したりメールしたりしていたが、実際誰が参加するやらわからず状態。ちょっとアバウトな旅行日程であったが、イタリアにいけるという楽しみが旅の準備を促した。

さて、旅行当日いよいよ成田空港に集合、塾長の奥様から集合時間、場所等ご連絡をいただき、重くなったスーツケースを押しながら集合場所である北ウィングに足を運んだ。参加メンバーは、東塾長を筆頭に、自分と神山日進支部長、渡辺大宮西支部長、昨年の世界大会軽重量の部で優勝した新潟の岩木選手、計5名での参加となった。途中、フランス支部から現地でがんばっている土田が合流するとあって、このたびの海外遠征メンバーは最強の侍が集合、スクラムを組んでの出発となった。(しかし、東塾長よりイタリア支部で諸事情によるハプニングがあり、われわれ一行が大会に参加しないこととなったと伝えられ???あれや、これや・・・と急遽日程を予定変更することになった。)

そして、13時発、約12時間のフライトとなったが、これにはさすがに狭い座席、同じ格好での体勢となりさすがに、腰やあちこちが痛くなるのには参った。機内で変化あり、同乗していたスチュワード(男性乗務員)が東塾長の顔をみるなり、『押忍』のあいさつ。聞けば塾長が極真時代の後輩のお弟子さんとか、それ以後塾長、われわれはVIP待遇、まるで給仕が“わんこそば”でも運んでくるかのように、あれやこれや運ばれてくるではないか、ある意味笑いが止まらない。まるでファーストクラス気分 (笑)でした。しかし、塾長に対する尊敬は、われわれにとっても誇りであります(エヘン)良い気分で長旅を過ごせました。そんなこんなで飛行機は、無事ミラノ空港に到着。それから乗り継ぎでヴェネチアに移動、その夜はぐっすりホテルで横になりました。ZZZZZ・・・・自分は時差に弱いのです。

次の日ヴェネチアから数十キロ離れた大会会場へ移動の予定でしたが、諸事情により大会には参加しないこととなったため、急遽以前からローマで支部開設を希望していた人物と会うことになり4時間半かけて電車移動、ローマに赴いた。ローマは、言うまでもなくイタリアの首都であり国際観光都市。ローマのテルミナ駅を降りると人や車の往来も多く、由緒ある建物や街並みは、さすがに歴史を感じさせる魅惑ある都市である。

フォロロマーノ+狐崎 フォロロマーノ+狐崎
防弾チョッキ姿の・・ 防弾チョッキ姿の・・・

現在、ローマには残念なことに、大道塾の支部がない。ここに、大道塾の空道に関心があるという地元の雑誌社の編集者であり、また伝統派の空手の経験を持つ人物と会って話を聞く機会を得た。その編集者である人物の知り合いに伝統派のルールで、現在も自ら空手の稽古をしながらいくつかの自分の道場をまわり指導しているが、是非、空道のルールを体験してみたい。編集者は、60歳から65歳くらいであろうか、礼儀正しく塾長に対して、試合ルール、技の決まり具合、空手全般に関することなど、熱心に質問があり、塾長も丁寧に対応されていた。そして、明日空道を体験してみたいという選手をこのホテルに連れてくるということになった。

翌日、ホテルの一室に、その選手がやってきた。歳は38歳だというが、とてもそうは見えないくらい若い。外人は若いのか、歳とっているのか、自分はいつもわからないような気がする。塾長がパンチ、キックをチェック、そして、軽いマススパーリングと寝技を行うこととなった。その選手の技量をみるためだ。対戦相手は、もちろん大道塾の世界大会チャンピオン岩木が相手だ。岩木はやや気持ち的に余裕があり、対戦相手の技を見切っているよう感じられた。少々伝統派独特の動きが感じられるが、ある程度の技術的要素は持っているよう見受けられるが、少々りきみすぎもあったせいか技が固い。

本人はかなりやる気があるように感じた。その後の打ち合わせでは、2月ころに大道塾の総本部に出向き、稽古をしてみたいという要望があった。塾長とわれわれは、ローマ支部設立という可能性を強く得たことに大いに喜んだ。ある意味でヨーロッパの中心都市の一つ、ローマに空道・大道塾の支部ができるかもしれないのだ!!!

それで支部になる条件は・・ それで支部になる条件は・・・
伝統派の参段身体能力は高い 伝統派の参段 身体能力は高い
伝統派にしては寝技も研究している 伝統派にしては寝技も研究している

しかしそれにしてもこのように、塾長が大道塾、空道を普及すべく1つ1つの都市を実際に訪問し、直接本人に会って十分に人柄やレベルを検討し、支部や、支部長を決めて行く。こんな塾長の努力があって世界大会や大道塾の知名度が高まるのだと痛感させられた1コマであった。その夜、ミスターチュウというガイドマップに掲載された中華料理店で飲んだ、『青島ビール』うまかったし、話も弾んだことはいうまでもない。『乾杯』『グラツィエ』と。

やったやったローマ支部!!
乾杯

そして、翌日、我々一行は、首都ローマを後に、電車で移動、ヴェネチア経由、そして、ヴェネチア空港よりハンガリーに向かった。ハンガリーは今年6月のブルガリアでのセミナーに参加し、空道のセミナーを自国でも開催したいという希望者の申し出がありその後、塾長とメールなどでコンタクトを取り大道塾のメンバーとして活動していきたいとなった、とのこと。ハンガリー空港には、フランス支部の土田が現地入りし、我々と空港内で合流、また、セミナーを主催してくれたコルバイ・コントと妻のネリー夫人も既に出向いており我々と初対面した。セミナーの開催地は、ブタペストより数十キロ離れたセグトという、嘗てはハンガリーの商業の中心地だったという人口30万人くらいの古い都市である。

自分は、過去に仕事の関係でこのハンガリーに来たことがあり、旧共産圏のなごりがまだあるせいか、また、中心地よりさらに離れた、人通りのないさみしい街並みは、以前と変わっていないなーと感じた。こんなさみしい街で何すんのかなぁーなんて思わざるを得ない感じがひしひし伝わった・・・・泣。その夜、コントの歓迎を受けハンガリー料理をご馳走になった。ハンガリーは、ワインの名産地であり、異国の地で飲む酒は、なんとも格別・・幸せ気分に浸った。

ここで、今回のセミナー開催に至るいきさつに触れておきたい。コントは普段、空手のほかに、セキュリティ関係の勤務に接している。空手は伝統派に所属しており、その道場の責任者であり、生徒を持って指導している立場にある。いわゆるハンガリーの侍である。仕事がセキュリティに関することや、いざとなったときのために大道塾の空道ルールを身につけておきたいという希望だったようである。塾長にコンタクトをとってセミナー開催したい。ハンガリーにおいて、初の大道塾支部誕生にもつながることから、塾長の思いも強いものを感じた。伝統派から空道へ移行するにあたり、道場生が半分に減ったと聞き、コントがこの空道にかける期待も強かったことがわかる。我々支部長としても、その期待に応えなければならないという気持ちとなった。 

さて、セミナー開催当日、コントの道場生のほかに、他流派からも参加者が集まり日本のサムライが来たという関心も手伝ってか、多くの参加者が道場に集まってきた。内容は、午前の部と午後の部に分けて開催した。塾長の流暢な英語による丁寧な指導のもと、我々が補佐的指導にまわり午前の部は、参加者の技量やレベルをみながら、2班に分けて指導した。基本的要素を最も大切にした突き蹴りの出し方について、一方では約束組手を主体とした、対人練習についてそれぞれポイント、テクニックなど指導した。

午後の部は、パンチ、突き蹴りからの投げ技、締め関節技を中心に大道塾の空道が突き蹴りのみならず、いざ実戦技として対応できる武道として、テクニックの魅力を十分披露した。参加者には、その内容が理解し把握していただけたものと思われる。セミナーの内容からみて、参加者は外人特有のがっしり型、大型の参加者が多かったが、技的にみるとまだまだ基本技ができていない人、パンチ、蹴りが雑な出し方である人もみられるため、今後基本の反復練習を続ける必要があると思われる。

投げ技についても、受身をとれる人が少なかったためか、ある程度の柔道的要素も備えなければならないだろう。こうしたセミナーを開催する場合、我々指導員が基本的手本を披露しなければならないことは言うまでもない。その為にも常日頃の稽古を通じ、基本技は続けてやる必要があるし、いつでもシャープな技が出せるよう練習が大切であると考える。最後に、岩木と土田のマススパーリングを披露、突き、蹴りのコンビネーション、そして投げ、グランドと多彩な技による試合を魅せつけたものと思われる。このなかに、将来日本人選手を圧倒させるような選手が育ち、世界大会に出場できる支部として今後の発展を祈念したい。

こうして、今回のセミナーは盛会のうちに終了することができ、我々も「大道塾ハンガリー支部の誕生」という空道、大道塾の歴史の1ページに立ち会えた感激を共有することが出来た!!コントも我々に対して気を使ったことだろう、やや疲れがでているよう感じたが、今後の彼の益々の精進に期待したい。また、奥さんのネリー夫人もやさしい人で、いろいろ彼がこれから道場運営していくうえで、よきパートナーとしてサポートしてくれるにちがいない。

この世界には、さまざまな政治や経済情勢、諸事情によって合理的に物事ができなかったり、援助が受けられないことがある。我々日本人は、まだまだ豊かな国であることは否めない。しかし、この武道を通じ、異国の地、ハンガリーの武道を携わる人々と1つになれたことは、大変光栄であり同じ仲間ができたことに喜びを隠せない。コント夫妻の人柄にも愛着を感じた。いつか再会した際には、また喜びでいっぱいになるだろうし、よき仲間ができたものと思う。コント、今度は日本で、おれたちが、うまい酒とうまいラーメン、寿司をご馳走するからな・・・・いろいろお世話になりました。

「俺と狐崎、神山は基本と移動を指導」 「俺と狐崎、神山は基本と移動を指導」
日本男子ここにあり! 日本男子ここにあり!
(手にしているのはバリンカというアルコール度数50%の蒸留酒。渡辺支部長のレポート参照)

この度は、海外遠征に参加させていただき東塾長には、大変お世話になり深く感謝しております。水路を中心に歴史的遺産が立ち並び、パスタ料理がおいしかったヴェネチア、イタリア大会が不参加に終わったことから急遽予定を変更、そのため首都ローマに滞在することができ、代表的遺跡であるコロッセアムや、映画「ローマの休日」で有名な真実の口、スペイン広場など、観光までご案内いただき人生の思い出となりました。塾長とは、数年前に、ロサンゼルスに加藤清尚(行徳・大森支部長)のキックの試合の観戦や、銃の撃ちっ放し等々、以来の遠征となりました。

しかし、余談ですが東塾長は、まだまだタフ・・・これには驚くばかり。ホテルに着くとパソコンを即接続しデスクワーク・・・・2日ぶりにリンクするとメールが900通!!これを1件1件チェックして、合間をみて会議の資料作成、ホテルのフィットネスにて汗を流し・・・そして、うまいビールを飲む。とにかく活動的な行動には驚くばかりでした。塾長の若さの秘密、ここにあり・・と言ったならぴったりかもしれません。

酒の席では、昔話に花が咲き思い出話やここには書けない裏話、エピソード談など、岩木は目をまるくしてばかり・・・。しばし、大変笑い話も多く、腹をかかえて笑ったり、自分にとっては本当に30年の総決算遠征?でした。

自分は、本当に武道を続けて来てよかったと改めて実感がわきました。極真から大道塾になり、東塾長について来てよかったと痛感している次第。(塾長もいい弟子持った・・と必ず思っているはずです・・・よね ????)空道があるから、いまの自分があると言っても過言ではないような気がします。
旅行期間中、共に過ごした、神山信彦、渡辺慎二、岩木秀之の各氏にもお礼を言いたい、今後、これを機に、益々大道塾の空道を通じ、精進を重ね、修行していきたい。魅力たっぷりの海外遠征、いろいろありましたが、東塾長大変おつかれさまでした。塾長からのパワーほんの少しですがいただいたような、感謝の気持ちでいっぱいです。大道塾で学んだことを、今後の人生に大きく役立てていきたいと思います。これからもご指等、ご鞭撻をお願い申し上げこの度のお礼とさせていただきます。押忍

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