カザフスタン遠征記

笹沢一有(早稲田準支部)画像コメント:東塾長

押忍、早稲田大学準支部の笹沢です。9月7日から13日にわたりカザフスタンへのセミナーに随行させていただきましたので報告いたします。

7日
11時に成田空港に集合。今回の旅は東先生と渡部和暁先輩、私の3人です。先生が手続きを済ませて下さったため、滞りなく飛行機に乗ることが出来ました。飛行機はまず韓国のインチェンに向かいます。どうやらカザフスタンへは日本からの直行便がないようで、いよいよ遠方に旅立つことが実感されます。インチェンには2時間強で着き、小一時間空港内を散策しました。インチェンは未だ工事中の部分があるほど新しい空港で、きわめて近代的な印象を受けました。
インチェンを18:00に発ち、目的地であるアルマティに着いたのは現地時間の22:30。時差は3時間ですのでおよそ7時間半のフライトです。空港では若干トラブルがあるもなんとかVIPルームに通していただけました。ここでも東先生に頼りきりで、反省しなくてはなりません。

現地のリーダーのアルベックさんらと合流し、ホテルに車で向かったのですが、道路を走る車は高級車ばかり。特にトヨタとベンツが目立ち、半数はトヨタでした。聞けばカザフは産油国でありウランも採れるらしく、経済的に豊かな国のようです。国土も世界で9番目の広さを持っているのですが、これも恥ずかしながらガイドブックを読むまで知りませんでした。とても勉強になります。
ハイアットホテルに着くと、その豪華さに圧倒されました。ロビーは最上階まで吹き抜けで中央には木々に囲まれたカフェがあり、そこでアルベックさん、アルマズスさん、チィレジャンさん、ディマシュ、通訳さんと食事をしました。

8日
11時からセミナーがあり、チィレジャンさんの車で道場まで送っていただきました。道場はアルマズスさんの経営する映画館の地下にあり、設備の整った素晴らしいものでした。生徒は全部で500人ほど要るとの事でしたが、今日はフルコンの黒帯が7、8名、子供を含め色帯が40人ほどでした。この日は基本稽古と移動稽古中心のセミナーでした。塾長の説明を一言一句逃さぬよう聞き入り、技の一つ一つを見る真剣な眼差しが非常に印象的でした。フルコン経験者がほとんどであったこともあり、蹴りの基本稽古はとても綺麗で、逆に勉強になりました。

練習後はスーツに着替え、JAICA(ジャイカ国際協力機構)の通称日本センターのManager(所長)や、在カザフスタン日本国大使館参事官、在アルマティ出張駐在官事務所々長などにご挨拶をして今後のご指導をお願いし、カザフスタン支部の幹部達と一緒にカザフスタン料理をご馳走になりました。

カザフスタン料理は羊・馬・牛の肉中心で、何より量が多いです。アルベックさんらが何度も勧めてくれるのですが、食べきることのできる量ではありませんでした。「世界で最も肉を食べるのは狼で、2番目がカザフ人」と自分たちで言うくらい、彼らは肉を食べるそうです。
夜にはアルベックさんらがドライブに連れ出してくださり、アルマティの美しい夜景を堪能したのでした。

9日
この日のセミナーは組技・寝技中心です。先生、渡部先輩と分担して首投げや体落とし、大外、大内などを教えた後、腕十字、膝十字、アキレス、三角締めなどを指導しました。どれも初めて見る技術だったらしく、とても興味を持って聞いていました。飲み込みが早く、ここでも彼らの熱心さには感心させられました。

午後は市街から車で30分ほどのところにあるコクトゥベというスキー場に皆で行きました。夏なので雪はないのですが、リフトでかなり上まで登れます。アルマティという街自体が標高900mほどのところにあるので、2000mほどの所まで登ることが出来ました。澄みきった空気、美しい山々、トルコブルーの空、どれを取ってもなかなか国内では体験することが出来ないのではと感じられます。貴重な体験でした。

三角締め 三角締め
海外勢は関節より締めを嫌がる
アルマティの名所 アルマティの名所

10日
この日は審査会にテレビの取材がやってきました。しかし、テレビカメラには見向きもせず、皆空道の帯を取得すべく審査に集中しています。組手の審査では初めて審判を務めさせていただき、審判の難しさを実感することが出来ました。試合を見ていて、致し方ないことなのですが、蹴りに比べて顔面を殴ることに抵抗を感じる人が少なからずいたように感じました。反面、組み付いての頭突きや肘打ちを使う方もおり、ポテンシャルの高さを見せつけてくれました。しかし、顔面へのパンチへの防御に少し不安を覚えました。

先生が「顔面パンチは普段は寸止めで、軽く当てるのは週一回、思いっきり当てるのは月に1回だぞ」と強く指導されていたので大丈夫かとは思いますが、顔面パンチの習得は慎重に行わなければならないと思いました。

審査会 審査会

11日
午前中に先生は今後のカザフスタンでの支部活動や、セミナーに車で2日間掛けて参加していたタジギスタンの大きな団体の責任者と、かの国でのセミナーなどについて、ミーティングをしたようです。

その後は昼下がりに皆で街に買い物に繰り出しました。デパートでシルクロード的な小物やお菓子を買ったのですが、なんと街なかに実際のシルクロードだったという通りがありました。シルクロードと言うとラクダに乗って道なき道を往く画を想像してしまいますが、そこは小さい商店の立ち並ぶ遊歩道になっていました。イメージしていたものは見られませんでしたが、悠久の昔に想いを馳せるだけでも楽しい時間でした。

デパートで 楽しいショッピング

夕食に行った寿司(っぽいもの)屋で先日の収録のOAを皆で観て盛り上がり、アルマティ最後の夜と言うことでカラオケに行きました。スキヤキソングなどを歌って盛り上がったのですが、先生と渡部先輩が高次元の対決を繰り広げていました。みんなで歌って踊ったのはとても良い思い出です。次の日彼らが「あんなに楽しかったカラオケは初めてだった」といっていたのは満更の「お世辞」ではないと思います。

カラオケ 世界的ヒットソング “すき焼きソング”(上を向いて歩こう(坂本九)

12日
この日はアルマティ最後の日です。昼ごろに10日とは他局のテレビ局を訪ね、取材を受けました。どうやら、来年当たりに日本にも取材に来て空道のドキュメンタリーを作るようです。先生は空道や日本の文化についてお話になり、渡部先輩と私もカザフスタンの印象と空道について簡単にインタビューを受けました。
夕方、空港まで見送りに来てくれた道場生のみなさんとの別れを惜しみつつ、アルマティを後にしました。

今回の旅では、異国の文化に触れることはもちろん刺激的でしたし、現地の方々と親しく接する中で自国の文化や宗教について考える良い機会を持つことも出来ました。旅の手続きなど東先生に頼りすぎ、次があれば語学力を向上させて少しでもお役に立てるようになりたいとも思いました。
また、カザフスタンの方々はとても明るく、親切で、とても気を使ってくださる方々ばかりでした。アルベックさん、アルマズスさん、チィレジャンさん、ディマシュ、道場の方々、通訳のロザさん、本当にお世話になりました。ありがとうございます。

このような貴重な機会をくださった東先生、事務局の皆様、塾生の緒先輩、そして手厚くもてなしてくださったカザフスタンの皆様に重ねて御礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。カザフスタンにおける空道の普及と発展を祈りつつ、筆をおかせていただきたいと思います。押忍。

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