更新日 2014.3.20
6月にウラジオストクにて開催される「空道アジアカップオープン Kudo Asia Cup Open」(大会概要)が外務省「2014年日露武道交流年記念事業」の認定を受けました。
2013年11月の「全国運営会議」で話した「日露武道交流年」について、先週3月7日(金曜日)に「『空道アジアカップオープン』にかかる『2014年日露武道交流年記念事業』の認定に関し、外務省内の所定の手続きを終えました」と外務省から通知が来ました!! いずれ外務省のHP(http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/page18_000124.html)にも載ると思います。
この「2014年日露武道交流年記念事業」は、既に21の武道が認定されており、今後も増えると思われるで、あまり調子に乗り過ぎてはいけないと思いますが、それ以上に我々が喜びたいのは以下の事柄についてです。
ご存じのように、現在隆盛を極めている「総合(武道・格闘技)」を「格闘空手」の名前で、他に先駆けて世に送り出した「大道塾」が設立されたのは1981年。その後、様々な試行錯誤を重ねて正式に「総合武道・空道」という新しい武道のジャンルとして世界に宣言したのは2001年11月の「北斗旗オープントーナメント 第1回世界空道選手権大会」を秋に控えた2001年2月4日で、大道塾設立以来20年経っていました。
「空道宣言/空道とは何か」 2001年2月 (PDFファイル 110KB)
しかし、言葉というものは自分(達)だけで使っても、それは自己満足に過ぎず、仲間内での符牒(符丁)、合言葉で、世に流通、伝播はしません。その言葉にある程度の“価値”があると是認、承諾されされて初めて、仲間内の枠を超えて外部に広がり、更にそれが「何かの媒体(メディア)で取り上げらる」ようになって、より強い伝播力を持った言葉になります。
ましてや、良く言えば“改革(進取)精神旺盛”悪く言えば“離合集散”が日常茶飯事の空手界では「○○空手」から「△△空手」なら「なんだ、又、新しい空手(の団体)が出来たんだな」という程度の、賛否交えたありふれた反応だったでしょうが、「空」という字は同じでも(※1)、技術体系が大きく異なる「新しいジャンルの武道」となると、新しいものを安易には認めない日本社会では殆どが否定論で、「空道」という言葉が定着するには、その後10年近くが必要でした。
※1 新しい武道に命名するに当たっては、様々な言葉が浮かびましたがそれについては面白いエピソードを交えて後日。
「空道」という言葉が、メディアで初めて取り上げられたのは、2001年7月16日の「第1回世界空道選手権大会」の記者会見を報じた「格闘技通信」2001年8月23日号(No.283)でしたが、この時はまだ、「大道塾が空手じゃなくなる?」というリードからも分かるように、その後に残る残らないは別にして「大道塾が“突如”『空道』という名前で世界大会をする」という、いわば“目新しいもの”であったから取り上げてくれた“ネタ”でした。
騒ぎを起こした“当事者”笑だから敏感に覚えてるのでしょうが、「空道」はその年の秋の「世界大会」の後からは「全日本空道選手権大会」を重ね、2002年にはその経緯をまとめた「はみ出し空手から空道へ」(福昌堂)を出版したりしてはいましたが、客観的に見れば、これらはいわば主唱者側の働きかけであって、2,3の地方紙やネットでは「空道いうという総合格闘技」として取り上げては頂きましたが、まだ世間的には認知度は低かったと言うしかありませんでした。
その為、暫くは、格闘技雑誌の「今月の試合」とか「Topics」みたいなページではまだ(「空道という名前での空手、という捉えられ方」だったのでしょう)「空手のジャンル」で紹介されていました。それが意外と続いたので(笑)
「正式に『空道というジャンル』で紹介するか?」となったのは、宣言から5年後!!「第2回世界大会」前の「格闘技通信」2005年6月8日号(374=5月8日発売)だった!!その頃になって初めて「やっと生みの苦しみ」は乗り越えたかな?と安堵出来たものでした。
その後、塾生や役員、ご後援者の、皆さんのご協力により、「格闘技雑誌」とは別の「日本の武道事典」シリーズの「用具を使わない武道」(ベースボールマガジン社)というムック本や「IMIDAS」という集英社の「時事用語辞典」BSフジTVでの「世界大会」の放映、朝日新聞や東京中日新聞等々、様々な媒体(出版物、DVD, 新聞、テレビ、ラジオ等々)で「空道」という言葉を掲載して頂けるようになり、やっと一般社会での市民権を得て来たように感じられたのは、「空道」という言葉を使い始めて、約10年が過ぎたここ数年の事です。
しかしながら、それでもなお、いわゆる公式の場には登場できず、「民間は少しずつ変わって来てるが、公的機関(いわゆる“官”)の壁は厚いなぁ〜」と溜息を吐くばかりでした。それに変化が見えたのは「そんなことを言っても始まらない。安易に玉石混淆しないのも、質の高い社会を維持する上での日本の原則でもあるんだから、我々の『社会体育としての武道スポーツ・空道』という主張を訴え続けるしかない」という心構えで取り組んできたこの数年の、(まだ)市レベルではあるが、「地区体育協会」への加盟(※2) や、「第2のオリンピック」と言われる「ワールドゲームズ」への参加などで、ようやく、公式的な場でも徐々に認識して頂けるようになりつつある昨今でした。
※2 仙台市、佐久市、帯広市、青森市、長岡市、石巻市、豊川市、成田市では加盟を認められており、現在積極的な数県の空道協会は県体協への加盟運動を行っている。東京都では、総本部のある豊島区体協に2013年10月に加盟承認。
そんな中で今回はついに、上記の「日露武道交流年」の一環として「空道という言葉が、政府機関である外務省のHP≒官報で使われ」たのです!!これで「空道」は、民間(一般社会)のみではなく、公的な場でも、柔道、剣道、空手道などと並んで、押しも押されもしないスポーツや武道の一つのジャンルになったといっていいでしょう!!「大道塾」設立34年目、「空道」創始14年目にしてようやく、ここまで辿り着きました!
この事実を皆さんと一緒に噛みしめたいものです。設立当初のいわれなき誹謗中傷、90年代から始まった“格闘技ブーム”では、思う所があり距離を置いたことにより、多くのファンの皆様から「大道塾は何をしてるんだ!!」と叱咤激励されました。そんな谷あり谷あり(笑)の年月でしたが、空道は、一般社会では勿論のこと、公の場でも着々とその地歩を固めています。見捨てずにご支援頂いたご後援者の皆様や、付いて来てくれた塾生のみんなに、心から「今日までの、ご指導ご協力、誠にありがとうございました」と述べさせて頂きたいと思います。
ご後援者の皆様には、これまでご心配をお掛けした分、これからの10年、20年に益々のご期待を頂きたいと思います。そして塾生のみんなには、今後も今まで通りに、未開の野を行く気概を忘れずに、喧々諤々、侃侃轟轟(笑)と書生論を戦わしつつ「社会体育としての武道スポーツ・空道(※3)」の完成を目指して、共に力強く歩み続けよう、オー!!と言いたいと思います(爆)。
※3 「社会体育としての武道スポーツ・空道」http://www.ku-do.jp/kudo/index.html(全日本空道連盟オフィシャルサイト)
(初稿3月12日 改稿3月13日再改稿3月19日)
大会名 空道アジアカップオープン Kudo Asia Cup Open
主催 国際空道連盟、ロシア空道連盟
開催日 6月12日から15日(ロシア時間)
会場 フェチソフ・アリーナ(ウラジオストク)http://www.vl.ru/fetisov-holl
参加国 日本、ロシア、モンゴル、韓国 他