進境著しい小野は打撃では国内トップ水準にあり、大会直前には修斗のリングでコノネンコと僅差の判定負けを演じて自信をつけている。カウンターの膝を中心とした繊細な技術がロシアの核弾頭をどう封じ込むかが注目されたが、日本勢の背筋を凍らせる結果となった。開始早々、組み合ったところで、ババヤンのショートの右フックが炸裂。ダウンした小野はフラフラになりながらもカウンターで膝を返すが、逆にパンチで押し込まれてさらにダウン。前蹴りを入れても逆に押し込まれ、膝を入れても気合いもろともパンチを返される。終盤、鋭角的な膝が腹部に入るが、やはりよろけたのは小野。有効2、技あり1、効果1でババヤンの完勝。試合終了と同時にババヤンも体を「く」の字に折ったのだから膝蹴りがきいていたのは間違いない。このシーンでは相手が必ず下がるという日本人同士の決まり事が破られるのが世界大会の怖いところだと再認識させられた。