戦前には想像もつかなかった強豪が現れるのが世界大会だとすれば、まさしく台風の目はこのタピラッツ。ITFテコンドー世界チャンピオンで現在は総合格闘家として活躍するという経歴はダテではなかった。一回戦では平田誠一をカカト落としで転倒させ、二回戦延長では村田を後ろ回しの一撃でKO。一方の武山はかつての若き天才の復活をかける。ところがここでもタピラッツの打撃は冴えに冴えた。出だし好調の武山、横蹴りを腹で受けて一気に大振りのフックで追ったところ、タピラッツはショートの右フックを四連射。武山たまらずダウン、ここからはタピラッツがやりたい放題。後ろ回しで仰向けに倒し、横蹴りも顔面にヒット。まったく制空圏の広さが違う。日本人強豪を三連続で蹴散らして、タピラッツが決勝進出を決めた。