稲垣は体力をなんとか回復するも、あとは気合いしかない。それでも逆転・逆転で試合を制してきた稲垣には「ひょっとして」の期待が集まる。グレゴリエフはステップも軽く、組み付くと嵐のようなフックと頭突きの連打。これには稲垣は棒立ちになり、効果。さらにグレゴリエフは稲垣のお株を奪う支えつり込み足でマウントを取ると、パンチで効果。さらに逆十字と攻め立てる。危機一髪のところを時間に救われたが、稲垣はへたり込む。さすがに万事休すと思われたが・・・。延長に入り、バックハンド・ブローまで繰り出し、稲垣は必死の反攻。パンチをもらってもさきほどのスタミナ切れが嘘のように、前進また前進。クロスの右に組んでも右とパンチを振るい続けるとグレゴリエフの動きが止まる。稲垣の払い腰一閃、逆十字の体勢に、あと腕を切るだけだ。必死の稲垣の形相に、場内大稲垣コール。しかしここで無情のタイム・アップ。満場の悲鳴は満足そうな歓声に変わり、最高の決勝戦を展開した両雄を称えた。