小川英樹選手に五連覇を許し、打倒・小川の最有力候補である辻村元伸選手(関西本部)・高松猛選手(総本部)が不参加のこの階級。昨年の北斗旗で活躍した関西本部の池田一次選手も中量級に転出した。小川選手が雑誌インタビューで「怪我していてちょうどいいところ」と余裕を見せているだけに次世代の台頭が求められたが、少々心許ない結果に終わった。 ビジネスマンクラス所属の上野正選手の頑張りには敬服させられるし、中野正康選手(大阪北)とのパンチ合戦は満場の喝采を浴びた。このところ打撃より寝技に比重が置かれてきた北斗旗としてはパンチの復権は喜ばしいところだが、しかし別の見方をすればカウンターで膝を合わせたり肘を使ったり、という技の広がりなかったともいえる。実際、上野選手は寺西豊選手の膝攻撃で攻守を逆転された。このあたり、技の広がりにも適応できるが一発の決め技もある、という方向を目指すべきではないか。 新人では、村山淳選手(渋谷)の打撃にも非凡なものを感じた。
軽量級準準決勝 上野正(総本部)−寺西豊(豊橋)
寺西は北斗旗2000年度軽量級王者。すでに北斗旗出場が決まっている。上野は総本部ビジネスマンクラス所属ながら1999年関東王者で、一回戦は嵐のようなパンチのラッシュからマウントパンチの効果で勝ち上がってきた。本戦は寺西が前に出るところを上野が的確にパンチを当てる展開。延長では寺西が上野のパンチに合わせて膝カウンター、そこから首相撲に持ち込む作戦に変えて優位に立ったが、試合後に「道着の下にスパッツを穿いていた」ことが判明、反則で上野の勝ち。
軽量級準決勝 上野正(総本部)−中野正康(大阪北)
今大会でもっとも会場が沸いたのがこの一戦。両選手とも、足を止めて左右のパンチを高速で連打。クリーンヒットの連続で、ともにグラグラくるシーンが相次ぐ。連打の効果をともに取って延長へ。ここでも上野がパンチラッシュで効果を奪うと中野もパンチで効果を取り返す。上野、スタミナ切れかと思われたが起死回生のパンチ・ラッシュ。二つ目の効果を取り優勢勝ちに。ビジネスマン・クラスから決勝進出だ!(決勝は棄権)
優勝 榎並博幸(安城)
2000年パンクレーション軽量級王者。左アッパーから右ストレート、左ハイというコンビネーションから寝技(アキレス腱固め)で連続の一本勝ち。ほとんどダメージを負うこともなく、北斗旗本体会が期待される非常に安定した試合ぶりだった