マルタ共和国遠征記  吉祥寺道場 加藤和徳

春先5月中旬、一通のメールが届いた。
「世界大会のご褒美(笑)として地中海マルタ支部開設セミナがあるが行くか?」と東塾長からのメールだった。
世界大会で日本の王座奪取に少し貢献したからかな?と、せっかくなのでありがたく同行させていただくことにした。

マルタ共和国、国名は耳にしたことはあったがどんな国なのかは知らなかった。ともかく、初のヨーロッパ圏なので楽しみであった。

気付けば10月、バタバタな時期であったがなんとか業務を片付け、遠征を楽しむ用意はできた。しかも、今回は今までの遠征試合(ロシア、インド)とは違い、セミナーでの遠征なのでなんと気が楽なことか。

10/17木成田空港に19:00と早めの集合だったが、念のためさらに1時間早い18:00に着くよう家を15:00過ぎに出た。この時は本当の意味であんなにも長い旅になるとは思ってもいなかった…。

空港に着き、現地の通貨に両替をし、空港をプラプラ、時間になるとコノネンコ先生、続いて東塾長、清水君、中村君と全員が集合した。さっそく、お店に入りセミナーの成功を祈り乾杯した。

チケットをみるとTOKYO22:00→DUBAI04:15、DUBAI07:55→MALTA14:10と記載されていたので、ドバイまで6時間、ドバイからマルタまで6時間、合計12時間か!長いな~と思っていたが、搭乗し席に座る際にコノネンコ先生が「11時間のあとに8時間のフライトは大変だね~」と仰っていて驚愕した…
そうか時差を考慮した時刻表示だったと…

飛行機に乗り、マルタのガイドブックを読んだり、機内食を食べたり、清水君と少年部の指導方法や対応について色々と意見交換をしたり、機内食を食べたり、映画を観たり、機内食を食べたり、行きはあまり寝れなかったこともあり時間を持て余した…

ドバイに到着しターミナルで3時間半ほど待たされ、その間に軽食をとってからまた乾杯し時間をつぶした。

ドバイを出発し、数時間するとすぐ着陸した。もう着いたのか!と思って飛行機を降りようとすると、手前の島を経由するルートでまだマルタに到着しておらず、席に戻る羽目に…
一体いつになったら着くの…と、隣にガタイのいいコノネンコ先生と清水君の間に挟まれる私はまさしく肩身の狭い思いをしていたのだ。(自分もそこそこデカいのでお二方からしても邪魔だったと思いますが)

ようやくマルタに到着した、入国手続きなどを済ませると時刻は現地時間で15時、日本時間でいうと22時過ぎであった。木曜の15時過ぎに家をでて、金曜の22時に着いたので、約30時間??ほどかかったのだ。なんかもうすでに時間の感覚が狂っていた。

空港で今回招いて下さったマルタ支部長のウラジミールさんと合流し、さっそく道場を見学しに行くことに。

マルタは車社会で、人口50万人に対して車は30万台もあると、そして駐車はどこにしてもいいルールで自分の駐車場を持っていなくてもいいのだと通訳の方が教えてくれた。

※いたるところに車が停めてあった。

通訳の方が、「明日道場で稽古があるならば今日はすぐ観光した方がよいのではと提案したのですが、ウラジミールさんが頑なに道場に案内したいと仰ってました」とこっそり教えてくれた。

道場に着くと納得しました、こんなに広くて設備の整った道場であれば確かに真っ先に塾長にお披露目したいのもうなずけるなと。それにしてもすごい広さの道場だ…!!

広い道場に塾長もにっこり、ウラジミールさんも驚く我々の顔をみて嬉しそうにされてました。
(こんな広い道場羨ましいなあ~)

※日本武道に合う和風な石の置物と植物をウラジミールさんご自身で設置したと説明してくれているところ

その後、自分で来たら絶対に泊まらないであろう豪勢なホテルにチェックインし、夕暮れもすぐなので観光へ
ホテルの近くマルタ島の観光名所ヴァレッタ近郊を散策しにいきました、石造りのヨーロッパの街並みはいい。

ボートでとてもきれいな夕暮れ景色を堪能しました。(小さなボートに屈強な男達が何人も乗っていると沈みそうでしたが)

その後、ウラジミールさんやロシア・フランス支部の皆さんとその後食事、ご馳走になりました。

二日目、マルタ島に比較的近い国の方々が集まりセミナーを行いました。
(まだマルタ支部は会員募集開始したばかりなので道場生はいません)

2014年の世界大会で対戦したアレクセイ・ハリトーノフ選手との再会!ナイスガイです!対戦した時、こんなに突きが強い人はじめて!と感じるほどでした。頭頂部をかすっただけでグラッとしましたからね。

いよいよ稽古開始。
準備運動、基本の手本と号令を清水君が担当しましたが、すべての技が美しく上手でさすが本部指導員だなと思いました。

途中、塾長自らがセミナー受講生たちに熱のはいったご指導をされ、塾長からの直接指導をしっかりと拝見するのは私自身も今回がはじめてでしたので「そういう意図でこうしたのだな」と技の解説などとても勉強になりました。
70歳を超えても今尚バイタリティ溢れる姿をみて、一代で「空道」を世界各地へ拡げたお方はすごいなと改めて感じさせられました。

その後、移動稽古の指導をコノネンコ先生から、さらに投げの指導を中村君が行い、最後に我々一人一人の持ちネタを皆さんにレクチャーし、セミナーは無事終了となりました。
ありがたいことにセミナー後にハンバーガーとビールを用意して下さり、美味しく頂きました。

セミナーのあとは、あまり時間がなくても行けるガイドさんオススメのマルタの青の洞門ブルーグロット(Blue Grotto)へ観光に。ボートに乗り込み洞窟を目指しました。(2日連続でボートで海を堪能)
天気も良く、とてもきれいな空、きれいな海で、あとは泳げれば最高でした。(時間の都合上海水浴は出来なかった、しかし暑かったけども、最後に食べたアイスが美味しく食べれた)
続いて、マルタ島の中心部イムディーナ旧市街へ、マルタ島を一望でき、お土産も購入、ヨーロッパならではの石造りの建造物に囲まれ、いい思い出になりました。案内して下さった通訳のTさん、運転して下さった社長に感謝です。

その後、セミナーに参加したメンバーほぼほぼ全員でディナーをご一緒し、豪華なお店で美味しい料理を堪能しました。日本語、ロシア語、英語を使いこなすコノネンコ先生が各メンバーの話や会話の通訳で全然食事出来ておらず、「コノネンコ先生、大変ですね食事出来ないですね…」と伝えると、「大丈夫もう慣れた毎回だから、通訳はそんなもんだよ笑」と仰っていました。それにしても三か国語を流暢に使いこなすコノネンコ先生さすがです、強くて優しいですし。この会の後に、一人で繁華街に繰り出したのだが、英語を話すことが出来たらさらに今回の旅を楽しめたのにな~と。

三日目、この日は審査会を実施。
審査を受けるメンバーにてまずは基本を、そして連続組手を実施、私は審判を務めました。受審者の皆さん、各々の持ち味を活かしながらいい組手を繰り広げてました。

フランスのファブリース支部長が執念の連続組手!
マルタ支部で指導員を務める?ロシアの方の連続組手、途中でヒザを痛めるも脚をかばいながら最後まで気力で持ちこたえ連続組手達成!
途中、対戦相手がいないとのことで中村君が寝技の組手相手に抜擢。超重の相手に対して美しいムーブメントで圧倒してました。その動きにウラジミールさんが感動しておりました。

なんだかんだ3時間ほどかかりましたが、なんとか審査会終了!
改めて、大道塾の昇段審査は試合形式の組手なので厳しいなと思った次第です。
受審者の皆さん、お疲れさまでした。

戻って、ホテルの目の前で海水浴。
泳げなくなったという清水君はあまり深いところに行かないという、コノネンコ先生はさすがサーファー、自由自在に泳いでおりました。しかし、寒いけど泳げて地中海を堪能しました。


夕方に少し街を散策しお土産購入、その後、またまた豪華なディナーをご馳走になりました。
中村君の寝技のムーブメントに感動したウラジミールさん、稽古を積んでおくから次回稽古する際は対決だ!と中村君と熱い約束を結んでいた。

4日目、最終日は午前中に観光、午後にはターミナルへ。
聖ヨハネ大聖堂を見学し、ウラジミールさんおすすめのパンをご馳走になりカフェテリアで小休止。
事件発生、ウェイトレスさんが私のジーパンに盛大に飲み物をこぼすという…下半身がカフェラテまみれになった汗
皆が「隣に座っていた塾長にかからなくて良かった!!」と…汗
押忍、たしかにその通りです!
(帰りの飛行機ないで借りたひざ掛けにガムがくっついていて、服にくっついてしまい取るのに苦労した、ツイてないぜ)

ここで大変よくしてくださったウラジミールさんとここでお別れ、本当にありがとうございました。


今回、二日目に審査を予定していたので難しかったのかもしれませんが、午前中だけでなく、午後も皆で稽古できたら良かったのになと。日本から来た講師的な立場ではなくもっと近い距離間で、様々な国の方々と技術交流・拳で会話したかったなと思いました。武道のいいところは言葉が通じなくても「押忍」と「組手」を言語として交われるところなので、もっと交流したかったなと。
(全日本直前だったので怪我の予防という意味で強い外人と稽古しない方が結果としては良かったかもしれませんが)

今回観光する機会も多く、キレイな自然や街並みをたくさん見ることができ(ブログ掲載https://ameblo.jp/e-fsm)、試合もないので、毎晩深夜にひとりでカジノや街に繰り出しましたが、治安もよくマルタはとてもいい国だなと思いました。なかなか自分では来ない国なので、誘って頂き貴重な経験をさせてくださった東塾長に感謝致します。同行させてもらったコノネンコ先生、中村君、清水君、お世話になりました、ありがとうございました。

追伸
今回のセミナーでコノネンコ先生の技の数々を拝見しましたが、とても勉強になりました!。
Alexei Kononenko先生のyoutubeチャンネルに動画が載っています。皆さんぜひ!

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