押忍。大田支部の中村です。
マルタ遠征に参加させて頂きましたのでご報告します。
マルタといえば地中海に浮かぶ島国。ヨーロッパの人がバカンスに来る国と言ったイメージで本当に空道の道場が出来るのかという一抹の不安がありましたが、想像以上の立派な道場が完成していました。
マルタは正式名称「マルタ共和国」で人口40万人程の小さな島国です。成田からドバイまで11時間、ドバイからマルタまで8時間、トランジットの時間を加えるとほぼ丸一日の移動時間となりました。
【写真1】
経由地のドバイにて。コーヒーを飲みながらで待機中。健康的!
今回の遠征はマルタ支部開設に伴うセミナーです。
到着2日目にセミナー、3日目に昇段審査が予定されています。
正直、試合が無いだけで気持ちとしては相当楽でした。
マルタ支部はロシアで空道を学んでいたヴラジミール支部長(総本部にも来たたことがあるそうです)が、仕事の関連でマルタに移住して支部を始めました。
そのつながりから、今回のセミナーにはロシアのアナスキン支部長やゾーリン支部長も参加しました。他にはファビアン支部長率いるフランスチーム、ウクライナ、チュニジア、アルメニア、イギリスとヨーロッパ・西アジア辺りの選手が参加。マルタ支部開設セミナーと言えどもマルタ人はおらず、広い意味でのヨーロッパセミナーのような形となりました。
▼1日目
丸一日の移動を終えマルタ時間で午後2時頃に到着。
ヴラジミール支部長と合流しました。
女性は日本人ガイドの高橋さん。現地では終始日本人のガイドを準備してくれていました。
そのまま道場を見せてもらうことに、20時間超えの移動で、皆ホテルに一回行きたいなぁという雰囲気であったものの、ヴラジミール支部長の並々ならぬ自信が伺えます。
マルタ支部外観
サッカークラブのトレーニング施設を改築して作ったという道場は試合会場が2面取れる広さ、トレーニング器具も置くスペースもあり、サンドバッグやミットも十二分に揃っています。ヴラジミール支部長がすぐに見せたいのも分かる立派な道場でした。羨ましい!
クッションの入った畳マット
きれいな受付スペースで奥さんのタチアナさんと。
塾長が空道無窮のサインをして完成!
夜は会食して終了。「お酒飲めない」というアピールを数年前からすることによって無事健康な範囲で終わりました。(翌日、心配そうな顔したヴラジミール支部長に二日酔いの薬を渡されましたが、日本男児としてビシッと断りました!)
▼2日目
朝からお昼にかけて3時間程のセミナーです。
審査に沿って体操から基本、移動、組みの指導が行われました。
自分は組みのパートを受け持ちました。
受身、エビ、前への投げ(大腰)、後ろへの投げ(大外)の流れで実施し、所々で塾長の指導が入りながらやりました。
塾長から「英語でやれ」と指示が飛び、最近仕事でも英語は使わなくなったので緊張しましたが何とかなりました。英語は語彙力どうこうよりも話す内容をどれだけ理解してるかの方が重要なんだなと実感しました。
基本稽古
全員で受け身
投げた後も含めて指導中!大田支部でもですが、投げた後密着し続けるには良くないと指導してます。
「大外で顎に打撃いれながら投げる」の指導中。顎痛かった、、、
参加者の組のレベルはまだまだでしたがわざわざマルタに来てるだけあって皆真剣です。
空道は立ったとこから始まる以上打撃が中心になるのは仕方が無いのですが、もうちょっと組み練習して欲しなぁと思いました。
日本でも打撃で勝ってるのに組みでポロっとポイント取られて負ける試合が多く、打撃から極めるまでが空道だと思って取り組んで欲しいです。
▼3日目
この日も3時間程。昇段審査が実施されました。
遅刻する受験者がいたりとバタバタでしたが塾長とコノネンコ先輩で何とか組み合わせを作り直して無事始まりました。
昨日より緊張した面持ち。コノネンコ先輩、受験者の調整・通訳の仕事と八面六臂の活躍をされてました。力になれず申し訳ない、、
前日に基本・移動は確認したことにして、組手の審査から実施。
自分は副審と寝技の相手をしました。
審査内容自体はまだまだこれからといった選手が多かったのですが、注目すべきは急遽審査の相手をすることなったウクライナのサモヒン支部長!頭突きで受験者を撃沈してました。
↓マルタ支部のインスタで動画がみれます。他にも今回の遠征の写真が沢山上がってます。
https://www.instagram.com/p/B316h2tpnHO/?igshid=c7krocotw57p
いくつになっても(多分サモヒン支部長は50歳以上)、やれと言われたら直ぐにでも出来るコンディションを保ちそれを実行できるのは、正に「生涯武道」!
自分が寝技の相手をした受験者の1名はルーマニア代表で世界大会にも出た選手でしたがそれでもあまり上手ではありませんでした。
海外・日本関わらず、黒帯なら最低限30秒では取られない技術と自分の得意技1つくらいは持って欲しいと思います。
ひとまず審査が終わり。全員合格して終了しました。
チュニジアの受験者の相手。レベルはまだまだでもチュニジアから参加する熱意はすごい。
夜の会食も豪華な!食事を準備して頂きました。正にいたせりつくせりです。
お酒を少ししか飲んでないので自分は元気でした!
▼4日目
午前中にバレッタの聖ヨハネ大聖堂を観光させて貰いました。マルタは観光地ながらもそこまでごみごみした感じも無く、落ち着いた雰囲気の街でした。
大聖堂。何かが浄化されました。
大聖堂の床はお墓になっていた騎士が眠ってるらしい。その上を普通に歩くので日本では考えられない。絵は死をモチーフにしているらしい。
さよならのビール。起きたばっかりなのに眠くなってきた。
そしてヴラジミール支部長と別れ、20時間overの移動を経て成田に到着にしました。
流石に皆疲れてます。自分は亮汰の息子がお迎えに来てたので復活しました!
珍しくトラブルも無く無事にマルタ遠征が終わりました。
選手として遠征に来ていると気が張ってしまい、あまり楽しめないことが多かったのですが、選手として一段落ついたので今回はリラックスしながら遠征に参加できました。
これまで、キューバー、イギリス、韓国、ロシアなど10ヶ国くらいの遠征に参加させて頂きましたが一番といって良いほど安全・安心な遠征でした。
それは、ヴラジミール支部長や奥さんのタチアナさんの入念な準備や日本やロシアと綿密な調整あってのことだと思います。ヴラジミール支部長は会社を経営されているということもあり、関係各所の調整などについても凄く安心できる方だなと思いました。
また、タチアナさんは内助の功といった感じで見えないところでヴラジミール支部長を支えている姿が印象的でした。道場の掃除も業者を入れてるのかと思っていたのですが、タチアナさんがやっていたそうです。
ここに書いても伝わりませんが、素晴らしい遠征になったことをお二人に感謝いたします。
今回久しぶりに遠征に参加しました。
試合だけだと海外の選手との交流が少なくなることも多いので、もっとお互いに出稽古し合い交流しても良いと感じました。
特にマルタは観光地なのに物価もそこまで高くなく日本から英語留学する人も多い安全な国です。
ただ観光するだけでは得られない体験が出来ると思いますので、塾生の皆さんも是非色んな国の道場に出稽古に行って貰いたいと思います。
今回、機会を頂いた東塾長を始め、一緒に参加したコノネンコ先輩、加藤さん、亮汰ありがとうございました。
今回、コノネンコ先輩にはロシア語・英語・日本語の通訳を任せっきりだったので自分も英語でスピーチ出来るぐらいには勉強したいと思います。(亮汰も勉強するらしいので皆さん監視しといて下さい!)