押忍
師さえ走る暮来月、まして弟子なら尚走れ!
全国の皆様、元気に稽古していますか?秋田市同好会の小松と申します。この度11/19〜11/25間、東先生、木村猛選手と共にアメリカセミナーに同行させて頂きました。本日は、そのレポートを皆様にお届け致します。押忍
旅のテーマは、大きく二つ。
以前より、米国セミナーに同行したい旨、先生にお願いをしていた。
米国、NYCは空道未普及国・地域の中にあっても特に高いエネルギーと∞の可能性に満ちた、巨大な空道空白エリアである。また異論反論があることは承知の上であえて言うと、ある視点場から見るにあっては、当該国・地域はまぎれもなく現在の世界の中心地の一つである。その世界の中心地、多様な価値観が錯綜する高エネルギー空道空洞空間へ向け、武道文化を発信する作業に参加したい。己の指導者としての力を試したい。是非とも空道というシステムを紹介したい。と考えていたからである。
果たして、この気持ちは世界の人々に伝わるのか?故に、本セミナーに同行するに当たり、個人的テーマ(1)は、以下の通り。
・ 我々は武道を通して相互理解し得るか?
・ 空道をもってして会話可能か?空道は世界の共通言語たり得るか?
個人的テーマ(2)は、
・ 東先生を体験する である。
千葉支部という極めて特殊な環境で育ち、その後、遠く秋田で大道塾・空道の看板を預からせて頂いている自分に取っては、先生と寝食を共に出来るという機会はそうある物ではない。旅という特殊な状況下において、極めて傍で「東先生を体験」し今後の修業の糧としたいと考えていたのである。
こうして、普段の小松を知っている諸先輩方、同輩・後輩諸君が見たら吹き出される程の神妙且つ真面目な面持ちで、小さな胸に大きな期待を抱き、米国はNYCへ向け出発したのである。
ずっと想い続けていたNYCセミナーがいよいよ始まる。武人とまでは行かぬも武道愛好家として恥じぬ様、凛とした態度で着席、フライトに臨む。
機中、旅への興奮からか?諸般上手くペースが掴めない。緊張のあまり薄れて行く意識の中、とめども無く溢れて来る大道塾・空道への熱い熱い思いを余す事無く、しかしながら静かに控えめに先生にお伝えする。程なく、本当に胸から熱い物も込み上げて来る。気が付くとあと2時間でニューアーク空港。意外に近いぞNYC。追い込みミットした訳でもないのに、軽い頭痛。緯度・気候のせいだろうか?
マンハッタンは、マジソンスクエァガーデン目の前のホテルにチェックイン。
よく眠れぬまま、昼過ぎ、NYC在住8年の広野氏の車にて、渋滞の中セミナー会場へ。
広野氏は、現在NY州立大学で博士候補生として研究生活を送られている、早稲田大学準支部OBの方である。氏の全身からほとばしる生体エネルギーより生み出されるユニークな発想と行動は、他の追随を許さない圧倒的な迫力と独自性を有している。
今回の一連のセミナーについて、事前の段取りから我々の滞在中の全てに至るまで、全て、広野氏にお世話して頂いた。本当にありがとうございました。
本日は、その広野氏が顧問をされている同大学柔道部員への空道セミナーである。氏の良く知る学生の皆さんが対象になる為、セミナー第一弾としてはやり易い。後の2日に備え良い慣らし運転とすることが出来た。
打撃に対する掴み・投げでの対処、頭突き、等々、空道らしい技術を紹介。指導に際し「やれる」との感触を掴む。
マンハッタン帰投24:00、食事。その後、木村選手と社会勉強へ。
時差ぼけ、全く改善されずで、よく眠れず。
市内大渋滞の中、本日も広野氏に車を出して頂き、お隣のNJ州へ。
本日は、現地にて道場経営をしているゴメスさんの道場でのセミナー。夕刻、続々と人が集まり始める。中には既に自分の道場、多数のお弟子さんを持っている参加者も。遠くカルフォルニアより駆けつけたポールさんも到着。でかい。体力指数300はゆうに超えているように見える。
・基本、移動
・首相撲からの投げ、数種
・ミドルをキャッチしてからの処理、数種
・打撃に対する、頭突き・投げ等でのカウンター、数種
・受身、投げの基本的事項整理
等を行う。本日の参加者は、将来、米国空道における指導的立場になって行くであろう方々なので、細
かい所まで妥協せずにチェックと指導を入れる。
セミナー自体は大成功であったが、開始早々、先生の膝に異常発生。自分の指導力が不足していた為に、先生の膝に負担を掛ける事となってしまった。反省。
稽古後、参加者全員で打上げ。葡萄酒なみなみ武道に乾杯。さぁ、喰う道!
ノンアルコールで耐えて頂いた広野氏の運転で、24:50ホテル帰投。
時差ぼけ、未だ改善されずで、ほとんど眠れず。
先生の膝は剥離骨折と判明。本日のセミナーの出来は、同行指導員の木村選手と小松次第!朝からホテル缶詰で、ビデオによる復習と演習を繰り返す。
本日は市内、貸し格闘技スタジオでのオープンセミナーの為、どんなレベルの方々がどの位来てくれるのか?蓋を開けるまで分らない。緊張と集中の中会場入り。程なく、他流黒帯クラスの方々が続々と集合。さすがはNYC。昨日に続き、体力指数300超の人間もちらほら。
結局、先生にかなりのご負担を掛けつつも、昨日のNJセミナーとほぼ同じ内容をこなし、無事終了。皆で別れを惜しみ、延々とハグと握手。口々に「空道を始めたい」「空道は合理的なシステムだ」と言ってくれる。
マサチューセッツより駆けつけてくれた中国国費留学生のD氏、広野氏の奥様も合流し、超人気の居酒屋で打上げ。25:00ホテル帰投。
そこから、永年の対戦相手であり、現在は秋田市同好会の高野指導員のライバルでもある木村選手と、葡萄酒で引き続き武道・喰う道談義。対戦していた当時にお互いに感じていた事や作戦・技術について、手の内のばらし合い。旅の風に吹かれたか?普段、心の奥底にそっとしまって置いているような青臭い「大道塾愛・空道愛」を語り合う。そのまま2人、朝の優しい光に包まれる。
昨夜から続く、木村選手と不眠の語り合いで朝を迎える。07:00、折角だからと道着に着替え、MSG前の広場に於いて2人で軽く朝稽古。早朝のニューヨーカーも大喜び。やはり、道着と黒帯姿は効く!
昼前、広野家の皆様と合流。NYC観光に連れて行ってもらう。お上りさん小松感動。木村選手、地下鉄絶賛!夜、先生と合流しNYC最後の夕食。その後、先生より特別稽古として「武道を志す者としての心構え」をご指導して頂く。
時差ぼけ、ついに改善出来ずで、全く眠れず。
最終日も広野氏に空港まで送って頂く。
粛々と移動。成田にて、無事解散。
世界中何処にいても容易に情報入手可能な時代であるが、そうだからこそ、生の鮮度の高い情報に直接触れ体験する事は大事である。日本より遠く離れた彼の地で、武道を人生の縦糸と据え生きていた彼らは、皆一様に、空道に飢えていた。
非常に高いモチベーションと身体能力を持った彼らは、皆、先生を始め我々指導員に意識を集中させ、良く質問をし、地道な反復練習も厭わず続けてくれた。それは、初めて生で体験する空道の神秘性、敬意の念、から来る納得もあろうかと思うが、空道というシステム全体の合理性を感じ取ってくれたからではないだろうか?
武道としての目的、必要な性能を素直に且つブレる事無く追求し続けた結果が空道というシステムなのだから、合理的であるのは当然である。その事が彼らにも伝わったからこそ、セミナー終了時に自然と拍手喝采となったのではないかと信じている。
空道空洞空間において、我々はほんの僅かな時間を共有しただけで、確かに空道を共通言語として会話する事が出来たのである。武道を通して、相互理解への第一歩を踏み出せたのである。
感無量だ。がしかし、感動はすれども、不思議と驚いてはいない。自分の心には、きっと分かり合えるという強い信念があったからである。
空道万歳!
我が師・東孝先生を極めて傍で体感する事が出来た、何ものにも変え難い濃密な修行の旅であった。また、自身の脇の甘さ、嗅覚の鈍さ、覚悟の量について深く考えさせられた旅でもあった。
総本部より遠く離れた秋田の地で、大道塾・空道の看板を預からせて頂いている事の重大さを、改めて実感。
先生、ご指導どうもありがとうございました。
武道万歳!
月並みな表現ではありますが、今回、この様な機会を与えて下さいました東先生、奥様先生、大道塾の皆様に感謝申し上げます。
また、事前の段取りから、滞在中の全てに於いてお世話して頂きました広野氏とご家族の皆様、本当にありがとうございました。
何かと気を使ってくれた木村選手、真面目なD氏、セミナーに参加してくれた皆さん、旅先で出会った方々、英語特訓をしてくれた高野指導員、留守中の秋田を守ってくれていた道場の皆、本当にありがとうございました。
この旅で得たものを大事にし、自身の精進はもとより、大道塾・空道の更なる発展に微力ながらこの身を捧げていく所存なれば、関係各位の皆様には今後ともご指導ご鞭撻の程、よろしくお願い致します。
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