イタリアセミナー遠征レポート能登谷佳樹(草加同好会)

4月24日 | 25日 | 26日 | 27日

はじめに

押忍、今回イタリアセミナー遠征に同行致しました草加同好会の能登谷です。
この遠征の話を聞いたのが出発前の一週間前でパスポートが期限切れで慌ててパスポートセンターに駆け込み出発前日にパスポートが出来上がる慌ただしさの中、イタリアの知識も言語も把握してないままの出発となりました。

4月24日

今回の遠征は4/24〜28と5日間の日程で行われ、日本〜イタリアまでが直行便を使っても12時間かかり往復で1日取られ残りの4日間でセミナー、審査会、ヨーロッパ交流大会(※)と盛り沢山の内容です。

※編集部注:国際交流大会「2009イタリア国際空道大会」として開催され、イタリア、フランス、スペイン各国の大道塾支部から選手が参加しました。

日本からは東塾長、事務局長と私の3人での出発となり成田空港で待ち合わせだったのですが成田から一番近くに住んでいる私が一番遅く着いてしまい塾長に出迎えて頂く始末(すいません・・・)
しかし、無事3人で出発、行きの機内は満員でしたが運良くスクリーン前の足の延ばせる場所を確保できたため長い時間機内にいても体が痛くなることもなく過ごせましたが・・・モニターに不具合があり映画鑑賞できずの12時間はやはり長く感じました。
イタリアに到着したのが夕方でしたがサマータイムのため20時頃まで明るく不思議な感じでしたが空港にはリッチ・イタリア支部長と副支部長、リッチさんのパートナーのベスさんが迎えに来てくれました。塾長や事務局長は2度目の遠征なため軽く挨拶を交わし、そのままホテルへ直行。
到着後、リッチ支部長と夕食の打ち合わせを済ませ各部屋へ解散。
夕食時にフランスより今回のヨーロッパ交流大会に参加予定の生徒を連れて土田フランス支部長が合流され日本語の通じる同世代がいて少し安心しました。フランス支部の生徒の皆さんも礼儀正しく、皆良い人達で土田支部長の人柄がそのまま生徒に反映されてるようでした。
夕食は地元のレストランで明日から始まるセミナー、ヨーロッパ交流大会などの打ち合わせをしながら楽しく、美味しい料理をいただき、リッチ支部長にホテルまで送っていただき解散。就寝。

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25日

朝食を塾長と済ませリッチ支部長に迎えにきてもらいセミナー会場へ。
前回はローマ郊外の会場だったらしいですが、今回はローマ市内よりさほど離れていないスポーツジムのフィットネス会場(公共の体育館の柔道場くらいの広さ)を借りてセミナーを行います。前回は100名を超える受講生でしたが今回は80名弱くらい、でも前回のセミナーがオープンセミナーで他団体が主だったのに比べ、今回の2度目のセミナーには前回の7割が本気モードの塾生として残ったと思えば海外での空道(武道)に対する勢いが分かると思います。日本もウカウカできません。

まずは準備運動から塾長のレクチャーによる基本、土田支部長による移動稽古と続きます。(塾長は膝の怪我などもあり、なんと半年ぶりに道着を着ての指導とのことでした)
基本稽古が終わった後は土田支部長による手技によるテクニック指導、私も輪の中に入り体験。イタリア受講生と対人稽古を体験し良い刺激を貰いました。次に、塾長による立ち組みでの打撃、崩し、投げ技、極めまでのテクニック指導。
相手役を務めさせていただき私自身も塾長と道着を着て向い合うのは随分久し振りな為、少し緊張。しかし、私も今は塾生に教える立場として塾長や土田支部長のテクニック指導は大変勉強になりました。
最後は私が寝技のテクニックを指導。初心者向けのテクニックを2〜3個ほど教え、最後に見た目に派手なデモンストレーション的な技(実際に使えます)を2個ほど教えセミナー終了!
私も海外遠征3度目になりますが、セミナーを終え毎回感じることは受講生の何かを感じ取ろうとする意識の高さには本当に関心させられます。
そして、日本以上にブラックベルト(黒帯)に対する誇り、自信、尊厳などが感じられます。黒帯を締める重要性、黒帯を締めるにあたり何が必要なのか海外に出ると本当に考えさせられます・・・。

セミナーを終え明日の審査会、ヨーロッパ交流大会、夕食の打ち合わせを軽く済ませ、一旦ホテルへ。
夕食まで僅かな時間を事務局長がせっかくイタリアに来たのだからと気を遣っていただき私や土田支部長とフランス塾生を観光に誘ってくださりトレビの泉とスペイン坂に観光に連れてっていただきました。
観光シーズン?!と国の祝日も重なり凄い人手でしたが映画でしか見たことのない風景を実際に見られ感激しました。ホテルに帰り昨日と同じレストランで夕食、しかし2日目にもかかわらず出てくる料理がチーズたっぷりの濃い料理ばかりで最後の食事は日本食でと決まりその日も就寝。

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26日

今日も塾長と二人で朝食を済ませリッチ支部長に迎えに来てもらい昨日と同じフィットネス会場へ。
今日は午前中に審査会、午後にヨーロッパ交流大会を行います。審査会では昇段審査を受ける者が4名ほど、昇級審査を受ける者が6名ほどと全部で10名ほどです。(それ以外の人は交流大会での試合審査を受けています。)
基本を私が号令をかけ、移動を土田支部長の号令で行い、いよいよ昇段組手審査です。いろいろな流派出身からの参加なので空道の技術的には?の人も多かったですが気合いが入り良い審査会でした。(フランス支部を指導されてる土田支部長は組手審査を見てあのレベルで黒帯を貰えるならうちの生徒は皆黒帯だ・・と悔しがっていましたが、生徒の皆さんも本物の黒帯が欲しいから土田先生についていきます。と気合を入れ直していました。)

今回、黒帯になった人はそれぞれ他流での空手を5年10年の経験があり最高位で5段を持っていてそれを離れて初心に帰り空道を牽引してきた人たちでそれなりの苦労があったと思います。ですから日本の審査会に比べると技術的にはまだと思いますがその意気を買いたいと思います。国によって情勢や経済、貧富の差などがあり審査基準も国によって多少違うのは仕方ないことでしょう。(それだけ、日本の黒帯は誇りを持って良いと言うことです。)

そして昼食後、選手達もぞくぞくと集まりヨーロッパ交流大会の始まりです。昨夜急に渡された参加者名簿を受け取り塾長が櫓を作りリッチさんに渡します。それを元に試合表を作成していたため試合前から慌てる事もなく準備は進みます。ヨーロッパ交流大会はイタリア・フランス・スペインの3チームの選手が集まって行われます。女子の試合も一試合組まれ激しい戦いを繰り広げていました。
入賞歴の多い順からチームポイントとなり、1位がスペイン、2位がイタリア、3位がフランスとなりました。審査会の組手状況から見てどんな試合になるか不安でしたが、試合では好試合が多く特にスペインチームは少人数にも関わらず好成績を収め空道ルールをしっかり熟知しているなと感じました。各階級の優勝者は世界大会に出しても良いレベルにあると思います。試合後は最後の記念撮影会が各所で開かれ3ヶ国の選手達も良い交流になったようです。

記念撮影が終わり一旦ホテルへ戻り、夕食までの僅かな時間をコロッセオ見学に私と土田支部長、フランス支部の塾生で地下鉄を乗り継ぎ向いました。夕方だったため中には入れないかと思いきや何かの記念日だったらしく無料で中まで見学が出来て本当にラッキーでした。帰りに昨日、ジェラートを私が食べ忘れて気の毒に思ったフランス塾生が気を使っていただきアイスを奢ってもらい(試合で早く負けた人が全員に奢る約束をしていたそうです)嬉しかったです。
皆でホテルに帰り塾長や事務局長と合流しお約束の日本料理屋へ・・・。日本料理屋へは大会後の打ち上げも含め、イタリア・フランス・スペインの3チームが合流し総勢20名弱の宴会となりました。久し振りに感じる日本食はかなり美味しく、やっぱり日本人だな〜、日本のビールは最高だな〜と日本人であることを実感・喜びに感じるのでした。
そして、最後に皆で自己紹介を終えた時にリッチ支部長よりスペインチーム・フランスチーム・塾長・事務局長・土田支部長・私と全ての人にプレゼントが・・・。最後の最後まで気を使っていただき何とお礼を申し上げてよいのやら。イタリア最後の夜も皆で乾杯を繰り返し交流もでき良い打ち上げとなりました。

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27日

最後の朝も塾長と朝食を済ませ出発の昼までの時間を部屋で過ごしホテルのロビーで塾長、事務局長、リッチ支部長、副支部長と打ち合わせを済ませ二人に見送られながらタクシーにて空港へ・・・。
空港でおみやげを軽く買い日本への直行便にて帰ります。行きの便は満員でしたが帰りの便は比較的空いているため離陸後すぐに塾長と私は別の空いている席へ移動。行きと違い横になって寝ることができモニターも完璧、帰りは本当に到着するのが早く感じました。
空港で挨拶も程々に塾長と事務局長はスカイライナーで私は特急にて家路に向かいイタリア遠征の終了となりました。

最後に

月並みではございますが、今回、この様な機会を与えて下さいました東塾長や遠征の間ずっと気を使っていただきました事務局長に感謝申し上げます。
そして、遠征先のリッチ支部長をはじめイタリア支部の皆さんや関係者の方々、フランス土田支部長、塾生の皆さん、スペインチームの皆さん本当にお世話になり感謝申し上げます。文中には出てきませんでしたが交流試合でサポートしていただいたマーシャルワールドの宮内さん、正司さんにも感謝申し上げます。
留守の間、草加の指導をして下さった黒木先輩や練習に来てくれた総本部の人達、草加の皆さんにも感謝いたします。この経験を大道塾・空道のためこれからも努力・精進してまいります。ありがとうございました。押忍。

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