西日本地区

S・Cレポート

関西宗支部:山田壮
浜松支部:幸田和大
広島中央支部:村上智章

画像集

 

 

●2019年サマーキャンプ感想 関西宗支部 山田壮

8月24、25日に、西日本地区のサマーキャンプに行ってきました。

今回は大道塾の生ける伝説である「一撃のヒットマン」こと長田賢一支部長が参加され、技術講習、組手と全面的に参加いただき、また、夜の飲み会でも黎明期からの貴重な思い出話をお伺いする事ができました。
また、私自身も指導員として講習をさせていただき、自身が試合に出ている際に使っていた技術の指導をさせていただきました。試合で使用していても、いざ口頭での説明となると上手く伝わらない部分があり、まだまだ説明をするに当たってのスキルアップの必要性を痛感しました。
組手におきましては、前述の通り伝説の長田先輩と手合わせさせていただいた事、また、成長著しい若手の曽山選手(岸和田支部)や伊東選手(日進支部)とも組手をし、良い経験をさせていただきました。また、東塾長も組手(それも一般部・黒帯!)に参加され、子ども世代の我々、そして孫世代くらいの若手選手を殴る蹴るされており、まだまだ空道を引っ張っていただけそうな気迫に安心しました。
組技の組手においては、「空道は打撃メインだから寝技が苦手な選手が多い」時代も変化があり、少年部から上がってきた選手はスピーディな空道仕様の寝技を身に付ける様になってきました。
しかし、まだまだ荒削りな選手もおり、基本的な押さえ込みや基礎的な筋力の底上げの大切さも感じました。
筋トレについては、大道塾夏合宿伝統の朝ランニング、体力トレーニングで、小川支部長(四日市支部)率いる少年部がかなりハードに腕立て伏せ、ジャンピングスクワットをやらされており、この厳しい稽古に耐え抜いた少年部上がりの子ども達が圧倒的な心技体で世界王者に輝いてくれるだろうと楽しみになりました。

2003年から毎年参加させていただいているサマーキャンプですが、今年も塾長始め皆様何も変わらず稽古をし、飲み、遊ばれており、空道の人は年を取らないな~と感じました。
一方で、同世代の選手が殆ど来ておらず、変わらぬ先輩と新たな後輩がいるものの、同期不在という事が少しさみしく感じました。

試合から離れると稽古から離れ、結果サマーキャンプなどの行事にも参加しなくなっていくのは、選手としては仕方ない面もありますが、武道と格闘技を明確に分けるのは「稽古の為の試合」なのか「試合の為の練習か」だと思います。試合の有無に関わらず稽古をして、サマーキャンプで汗を流しましょう!

以上

 

●浜松支部 幸田和大(中一)

 

8月24日25日の二日間、西日本サマーキャンプへ参加しました。

 

1日目は武道館に到着してから稽古が始まりました。いつもと違う環境と雰囲気の稽古だったので、あまりこういう機会に参加してこなかったせいか緊張し、とても疲れました。

宿泊したホテルはとても広く、あまり落ち着かなかったですが、稽古が終わった後の温泉はとても気持ちが良く疲れが取れ、ご飯もとても美味しかったです。また、夕食を食べてからの自由時間はのんびり過ごすことが出来たのでとても楽しかったです。

 

2日目の早朝ランニングが一番辛かったです。僕はもともと長距離走が得意ではないので、2〜3キロ程しか走らなかったですが、大量の汗をかき頑張りましたがとても疲れてしまいました。ランニングの後に腕立て伏せ10回、ジャンピングスクワット10回を10セット行い、足が痛くなりました。

 

また、昇段審査を受ける人との十人組手の相手をやりましたが僕も初段を目指して頑張っているので良い経験になり、また大人の人達の組手を見られた事もとても勉強になりました。

 

来年のキャンプにも参加し昇段審査で黒帯を取れるように稽古を頑張りたいです。

 

●西日本サマーキャンプ参加の記(その1) 広島中央支部 責任者 村上智章

 

8月24・25日の二日間、「名張市武道交流館いきいき」にて、大道塾西日本サマーキャンプが開催された。私は所用のため初日の稽古にはほとんど参加できず、夕刻より実施された「アンチ・ドーピングセミナー」・「大道塾空道の運営に関する談話会」・「懇親会」からの参加。スポーツ・ファーマシストの三刀屋先生による「アンチ・ドーピングセミナ―」の概要は改めて報告するとして、まずは仰せつかった二日目の練習内容をレポートしたい。

その前に朝のランニング。セミナー恒例のランニングであるが、今回はランニング途中で明らかにコースが伸びた(距離が増えた。折り返し地点担当の中西支部長がなぜか後ずさる。)。やっと折り返し地点かと思った時に遠のくのであるからメンタルなダメージは大きい。逆境でも折れない心を育成するといった意味があるのかもしれないが勘弁してほしい。

ランニングと体力練習を終えて、宿舎(サンピア伊賀)に帰り、お風呂と朝食。チェックアウトを済ませて武道交流館へ。準備運動から基本稽古と進んだあとは審査組と講習組とに分かれる。審査では組手を行なう時に、A級審判員の支部長・塾生が「主審・副主審・副審・副審」を担当、実際の試合形式で審査を行ない、その都度S級審判員から審判の所作、判断について講評を受けるという、実習形式の審判講習が行なわれていた。

講習では、私ははるばる仙台から参加された長田師範のクラスと山田壮指導員(補佐:寺園紳一師範)のクラスに参加した。

長田師範の講習では、これは体術とでもいったらよいのか、独特の技が披露された。背中に手を張り付けて(つかまない、にぎらない。)その張り付いた手をキープしながら、全身を使って(特に広背筋から肩と腕とをしっかり連動させて)相手を崩す技、説明の後二人一組になって技の掛け合い、師範のアドバイスを受け、徐々に技が再現されていった。それから、胸の真ん中を意識した身体操作、打撃から始まり(これもまた二人一組み、ストレートでの胸の打ち合い。歩く感じで胸の真ん中をスライドさせるストレートの試技。)、組み技(胸の中心をスライドさせての崩し。足で払わない大外、大内など。)、腹を意識した首相撲など初めて見るものばかり、書きながら、うまく伝わっているのか、間違った表現になっていないか心配であるが、参加者は当日、講習内容の多くを再現できていたのだから、持ち帰って、今後の稽古に活かしてほしい。

山田指導員の講習では、特に首相撲からの崩し、といっても応用範囲の広いテクニックが紹介された。首相撲でコントロールするためのポイント、首相撲から奥えりを取っての展開、相手の首、体幹が強く、コントロールが難しい時の対処など。崩しのタイミング、力の入れ方、抜き方など首相撲のコツが伝授された。「ムエタイは合気だ。」という山田指導員の持論が説得力をもつ内容。講習の終わりに山田指導員がリクエストタイムを設定、質問を参加者に求めたところ、韓国支部から「パッチギ」のリクエスト。ご承知のように「パッチギ」は関西弁で「頭突き」、かつて井筒和幸監督の名作映画の題名にもなっており、関西文化圏では共通言語。異文化間で共有された言語表現がもたらす効果か、場が一気に和んだ。山田指導員が大喜びで、前に出ての頭突き、相手を引き込んでの頭突き、胴体への頭突き、効果的なヒットポイント、頭突きからの背負い、タックルへの展開と様々なテクニックを紹介。考えてみると頭突きは格闘競技としての空道に独自の技術、その蓄積が披露された得難い機会であった。

そうこうするうちに時間は過ぎて、講習終了。

 

今回のサマーキャンプは、長田師範の参加もあり、技術の交流と共有のための貴重な機会となった。めったに会えないレジェンドから教えを請うことができるというのも、サマーキャンプの一つの醍醐味に思える。ありがとうございました。