2019.09.15   北斗旗全日本空道無差別選手権関東予選/全日本空道ジュニア選手権関東予選リポート

2019年9月15日(日)、東京都中央区・日本橋浜町の中央区総合スポーツセンターにて開催された大会、全日本無差別予選部門のエントリーは40名。

その第一試合は、17歳ながら12年のキャリアを誇り、特別出場を果たした大西凜駿(りりと)と、出場最年長57歳の渡邉慎二・大道塾浦和支部長の年の差40歳対決。おそらく空道史上最大年齢差の対戦であろうこの試合、渡邊は、本戦では大西の勢いある攻撃に守勢に回りつつも決定打は与えず、延長に入って、首投げが崩れた隙を逃さずバックマウントを奪い、効果を奪取するという、ベテランならではの老獪さを発揮。場内を温める、見事なオープニングアクトである。

トーナメントは、昨年の世界選手権270+クラス準決勝で敗れて以来、1年振り試合復帰の岩﨑大河が危なげなく優勝、-240クラスの全日本~世界のトップコンテンダー、準優勝服部晶洸が準優勝、全日本無差別ベスト4入り2回の押木英慶が3位、今春の全日本体力別-240クラス王者、寺口法秀が4位と、全日本でもそのまま上位に進出する可能性の高い選手たちが上位を独占。準決勝以降は当然、ハイレベルな技術戦が展開されたが、なかでも、岩﨑が跳び膝蹴り一発で服部を仕留めた決勝は、予選にはもっったいないと感じる圧巻の内容であった。

この他にも目を引いた選手はいっぱい。前々回の世界選手権以来の試合復帰を果たしたキーナン・マイク。パンチと組み技の真っ向勝負で寺口と接戦を演じた服部篤人。53歳にして戦線復帰し、30歳以上歳下の岩﨑の、バチンバチンと破裂音をたてる蹴り技を喰らいながら、最後まで倒れなかった平田誠一。無級ながら、今春の全日本体力別-240クラスベスト4の鈴木渓に対し臆することなく攻め込み、競り勝った関根直文。いずれも観る者の胸を熱くした。

一方、女子では、膝の靭帯損傷により戦線を離れ、世界選手権出場を逃した大倉萌が復帰。今春の全日本-215クラス王者・熊谷鞠月と2戦し、2戦とも、格段の技術の差をみせつけ、完勝。ジュニア部門では、U19女子-215クラス・ワンマッチで勝利した山口莉央が、すぐにでも一般クラスの空道ルールに対応できそうなスキルをみせていただけに、今後が楽しみだ。

大道塾御茶ノ水支部 支部長 朝岡秀樹

全日本無差別予選、男子決勝。岩﨑(白)の上段跳び膝蹴りを喰らった服部が倒れる瞬間

全日本女子予選。大倉(青)が豪快に熊谷の足を払う