TOP  >  佐藤順 3/5

【稽古】

稽古は、基本的に朝・昼・夜の3回行いました。練習メニューについては、高谷先輩が毎晩詳細にメモを取っていたものをレポートしているので、私は特に印象に残ったことだけを書きたいと思います。
合宿にはウラジオストク各支部のほかに、サハリンなど極東各地区からも多数の選手が参加していました。選手クラスはもちろん、ビジネスマンクラス、少年部の子供たちも、白帯から黒帯までたくさんの選手が参加していました。総勢50名といったところでしょうか。

18 19

まず目についたのが、ロシア人たちの身体の大きさです。どの選手も身長は170センチ以上、体重は80〜90キロぐらいはありそうです。韓国系ロシア人数名を除いて、私が一番体格的に見劣りしていました。
このでっかい選手たちが減量して軽重量級や中量級に出てくるのかと思うと・・・むむむです。

20 21

稽古は、選手クラスも、ビジネスマンクラスも、少年部も同じことを同じようにこなしていました。今回の合宿は、練習方法の紹介や確認がメインとのことで、選手たちにとってはそれほどきついメニュー構成にははなっていないのだそうです。それでも、1日3回の稽古は、質、量ともに半端なものではなく、練習や食事の合間の時間は、日本人チームは宿舎で爆睡の毎日でした。

22

実際にロシア人の若い選手と肌を合わせてみて印象的だったのは、彼らのフィジカルの強さです。細身の選手でもそのパワーは凄まじいものでした。同じ体重であれば、日本人とは二階級ぐらいの力の差があると、誰かが言っていたことを思い出しました。

技術的には、現時点では、まだ若干日本人選手にアドバンテージがあるようにも思いました。首相撲、首相撲からの肘・膝・頭突き、寝技などは十分に対応可能なレベルでした。
ロシア人選手は、強靭なフィジカルをベースに、基本的な技術を何度も反復し、着実に自分のものにしているような印象を受けました。休憩時間にも黙々とミットを打ち続ける者。ウェイトトレーニングに取り組む者。皆、とても練習熱心でした。
日々の稽古を通し、若い選手たちの「強くなりたい」というまっすぐな気持ちが、こちらにもビンビン伝わってきました。まだ若い彼らが、これからどれだけ強くなっていくかを考えると・・・むむむです。

【少年たち】

合宿には5〜6歳と思われる小さな子から、15〜16歳の少年たちまでたくさんの子供たちが参加していました。日本の少年部とは違って、ロシアでは少年部から空道ルールの稽古に取り組んでいます。パワーこそありませんが、ミットの稽古など、大人顔負けのうまさです。下手な日本の色帯よりも動きは数段上です。少年たちは全ロシアの少年部のチャンピオンクラスだということでした。動きの良さにも納得です。 稽古の休憩時間には、少年たちがじゃれながら、ごく自然に「カニばさみ」や「膝十字固め」を繰り出していました。うっうまい! さすがサンボの国です。 少年部の練習を見ていて思ったのですが、ちっちゃな頃から顔面ありで練習していれば強くはなるでしょうが、将来、後遺症など出てこないのでしょうか・・・少々不安になりました。 少年部を指導している支部長さんたちは、試合や稽古など日本の子供たちと交流したいという強い希望を持っているようですが、日々の稽古の内容が違いすぎるため、実現は難しそうです。

23 24

帰国前日には、コノネンコ先輩の修士論文のためのデータ収集のためということで、子供たちに、日本の割りばしを使ったおもちゃを紹介しました。これが大盛況。
パチンコ、投石器、風車などを紹介しましたが、やはり一番人気は割りばし鉄砲でした。どこの国でも男の子は皆同じですね。はじめは静かに手伝っていたお父さん連中も次第に熱くなり、子供たちから割りばしを取り返して制作に夢中になっていました。ちょっと年上の少年たちは輪ゴムを何重にも束ねてパチンコの殺傷能力を高めることに専念していました。「それどこで使うんだよ!」と、みんなで大笑い。これも、どこもの国でも同じですね。翌日は保養地中の子供たちが割りばし鉄砲を手にして遊んでいました。何とも妙な光景でした。

25 26

つづく

このページのトップへ

本サイトに掲載の記事・写真等の無断転載を禁止します。
Copyright(C) KUDO ALL JAPAN FEDERETION DAIDOJUKU. all rights reserved.
このページを閉じる