ブラジル遠征
ブラジル遠征レポート佐藤繁樹(仙南支部)

この度、9月13日から19日まで塾長に同行し、ブラジルに遠征して参りました。
私の遠征の目的は空道技術の指導と、S級審判員の立場からの海外審判員の育成です。
以上2点からレポートいたします。

【南米大化けの可能性大!】

まずは結論から。
南米選手はこれから4、5年後、日本選手を脅かす存在となる可能性が十分にあると思います。
第一に各国の支部長はじめ参加者の空道に対する情熱が終始感じられたこと。
今回ブラジル、チリ他数か国から参加者が集まり、審査会、セミナー、南米選手権大会それぞれにかなりの長時間に及ぶ内容でしたが、全員の「自分の空道を塾長に観ていただきたい」「空道の本場日本からより多くのことを学びたい」という熱意が感じられ、自分もそれに応えるべく全力で指導にあたりました。

数分間の休憩時間でも本当に多くの参加者が不明な点を確認に私のところに来たり、DVDやインターネットで見た技術の細部を確認に来るなど、その参加者の目の輝きからも終始、南米空道への並々ならぬ情熱が感じられました。

残念ながら時間が足りなく全てを伝えることはできませんでしたが、ビデオを撮っていましたし、指導者を中心に指導してきましたので、それらをマスターした上でさらなる発展に期待したいと思います。

そして、第二に基礎体力、特に筋力が大半の全日本出場選手を凌駕しているという点。
もちろん、骨格や食物によるものも大きいのでしょうが、ウェイトトレーニングに親しむ土台があるのが大きいと思います。
選手以外でも、筋力だけなら全日本トップクラスに該当しそうなのがゴロゴロしていました。

言い換えて、情熱を「心」、基礎体力を「体」として、空道に重要な要素「心技体」のうち既に「心」と「体」は日本より上を行っているといわざるを得ません。 残る「技」で日本は優位に立っていますが、インターネットによる動画等で容易に研究できるため、その差が縮まるのは時間の問題と思われます。
ただし、それまでに要する時間は私的観点から最低4年は必要だろうと推測しました。
この間に、日本選手が「心」「体」で並び、「技」で更なる差をつけるべく一丸となって取り組んでいく必要あります。

【審判員育成】

大会前に大会に出場しない支部長、責任者を集めルールの講習会を開催し、大会に臨みました。
試合の中で、判定に関して気になる点がある都度、審判員を集めミーティングを行いルールの確認、細部の説明を行いながらの大会進行となりました。
結果、ある程度ルールを習得させることができましたが、まだまだ各国とも理解が不足していることがわかりました。
まず、支部長、責任者がルールを理解し、それに基づく指導を行うことが競技の確立、そして強くなる近道であることを説明し、帰国後もソーシャルネットワーク等を通じてサポートしていくことを確認しました。

ちなみに、大会ではバックドロップ、パイルドライバー、パワーボム、DDT、パウンド等が飛び出し、プロレスさながらの光景でした。(主審は安全確保に大忙しでした。しかし、受けた選手はケロッとしてまた殴り合っていたのにはビックリ!)

ルールに基づき、ポイントの取り方、判定基準等を意識した戦術が確立したとき、南米空道は本当に日本の脅威となるでしょう。

【最後に】

大会では日本人選手がそれぞれの階級を制し、見事優勝を飾りました。
更なる海外勢の台頭が予想されるこの数年間が日本にとって、この先も日本が他国をリードできるかの正念場であるといえます。
今回の遠征もそうですが、空道を世界に広めることは更なる未知の強敵を作ることとなり、日本の王座奪還を考えたとき、私自身複雑な気になるのですが、空道の未来を考えたとき世界規模での普及は当然のことです。
それでもなお日本がリードし、競技としての強さも精神面でも各国の尊敬を集め続ける存在となるために日本空道一丸となって取り組んでいきましょう。

塾長はじめ事務局長、飛永帯広支部長、田中北海道本部指導員に今回もお世話になりました。
ありがとうございました。

最後に、私、日本の裏側から空道に携わるみなさまにエールを送らせていただきました。
聞こえましたでしょうか?
その他、「多数の事件」については、別の方々のレポートにお任せします。

佐藤繁樹(仙南支部)

更新日2012.9.24

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