10月19日、空道の演武とセミナーのため、はるばるインドまで行ってきました。初の海外遠征で感じたこと思ったことを、読まれる方々にそのまま伝えるため、名古屋弁や感嘆文を沢山使用しました。読まれる方々も、一緒に遠征にでかけた気ような分を味わってくださることを願っています。
成田からインドのニューデリーまで7時間、飛行機の旅をして、ニューデリーからムンバイまで飛行機で多分3時間ぐらいだったと思う。目的地のムンバイに着いたとき、インドの匂いと日本とは違う様子に、いよいよ違う国に来たという感じで、とても感動した。
空港には、インドで空道をやりたいというおじさん3人組がお迎えにきてくれていた。テラテラのスーツを着て金のごっついチェーンネックレスと時計をつけ、大阪を闊歩しているおっさんを連想させるメハル、エンブレムの三分の一がとれたベンツを乗りこなしている背の高いジェイ(通称みやびぃ)、そして優しく紳士なサンディープさん(通称サンディ)。3人ともすごいお腹が出ているし、耳たぶがデラ※でかいことにビックリ。驚異の福耳をもつ福太郎もビックリなおおきさだった。 空港からは、そのままホテルに直行。途中、道路の真ん中で野良牛に遭遇。どうやらこの国では、牛が交通整理しているらしい。(By現地案内人)
デラ※ とっても
ホテルに着いてみんなで仲良くチェックイン。ロビーの横は、クラブになっていて、ズンズンいい感じの音楽が鳴り響き、(自分にラテンの血が入っているかは不明だが)ラテンの血が騒ぎ出した。踊りたくてウズウズ。自然と顔がにやける。その時、塾長と目が合った!
「ダンスは、先まで待ってろ。いっぱい踊らしてやっから(笑)」
えっ!!踊っていいの?!よし!その時まで体力を使わずに取っておこう!
朝7時半にホテルの屋上に集合。みんなで仲良くミーティング。デラ暑かったけれど、インド初の朝は、爽やかだった。
ミーティングが終了し、朝ご飯タイム!
バイキング形式で「わはぁい!」と思ったものの、よく見てみると、カレーしかない
うわッッ!無理!
昔、胃腸風邪になってカレーでもどしてから、カレーが大嫌い。実は匂いをかぐだけで、暴れたくなるということは家族には秘密だ。なので、それ以来カレーを遠ざけて生きてきた。だが、今目の前にこんなにも堂々とカレーが並んでいるッッ!!
全身鳥肌でブツブツになった。
インドに来て最初のサバイバル!
その日の午後は領事館に。その途中でランチタイム。ここでもやっぱりカレーのオンパレード・・・・・・撃沈。
とりあえずナンにがっついた。 ランチの後、領事館に向かった。領事館は、厳重な警備がされていて機関銃をもった兵士が立っていて、それはそれは怖かった。そんな厳重な警備の中、ヤマダソウ※が普通に中に入れたのが不思議だった。
※壮さんの愛称は「ヤマダソウ」である。海外仕様に「ソウヤマダ」になることも
領事館の後、今度は、インド門とかいう大きな門を見に連れいってくださった。けれども、それが何の為の門なのか分からなかった。とりあえず観光地らしい。
ワイワイみんなで記念撮影。自分だけ白目を向いて写っていた。
車までの帰り道、9時の方向にインドのハゲ親父発見。しかもちびデブ。何やらケータイをこちらに向けて必死についてくる。ちっ!写メ撮られた!こっちもデジカメ向けて撮りかえしてやったが走って逃げられた。悪趣味だ。
私たちの移動はすべて優秀な運転手のトムが担当してくれた。
トムは、ヒンディー語しか話せなくて、コミュニケーションがほとんど取れなかった。名前もわからず、勝手にトムと名付けた。トムのパッシングとクラクションを多用した運転は本当にうまくて、車でいっぱいになった道路でも右折してしまうというテクニシャンだった。よだれをたらし、いびきをかいて昼寝ができるほど、安心して乗ることができた。トムは、こげたジャムおじさんみたいな顔をしていた。
インド門からの帰り道、演武をする会場に下見に行った。 会場に着くとちょうど試合中で、みんな盛り上がっていた。負けて悔し泣きをする子供や、自分の子供が勝って喜ぶ親達。そんな光景は、日本の試合会場と同じで、なんだか微笑ましかった。
今日は一日フリー。
みんなで、オート(三輪の原付みたいな乗り物で3人乗り)に乗って近くのシーフード料理店に行った。カレーじゃなくて一安心。
その日の夜は、現地の案内人の奥さんとナイトマーケットにお出かけした。
屋台でとてもかわいい靴を見つけて欲しくなり、値段を聞くと400ルピー(日本円で800円)だと言われた。一緒に同行してくれた現地案内人のおじさんの奥さんに値段を言うといきなり発狂してキレだした。
おいおい何だよ!?
どうやら観光客だからと、普通の値段より高く見積もったらしい。結局ママがキレたおかげで最初の値段の半額以下ぐらいになったが、ママのキレぐわいにビビって靴をあきらめた。
・・・ママが試合に出てきたら勝てる気がしない
ついにセミナー&演武当日。
朝からそわそわ、とても緊張しだした。
ものすごい数のインド人が見ている中、私たちは舞台の上に立って基本を一生懸命やらせていただいた。途中、会場がいきなりデラ臭くなってきた。
(外で誰かが魚を一週間置きっぱなしにして腐っちゃった系の匂いだ)
んッ!?クッサーー!おぇぇ・・・。
しかもその臭いをガンガン室内に入れるかのように、コレ何年もの?と思えるドデカイ扇風機がフルパワーで仕事中。
臭わなさそぉな所にこっそり移動。
塾長にバレたら最後・・・2度目のサバイバル!
セミナーのあと一旦ホテルに戻り、衣装を交換。あの臭いにビビりながら再び会場に向かった。
私たちの演武は、全ての演武の一番最初で緊張したけれど、精一杯の演武をさせていただいた。しかも塾長直々に審判していただいた。塾長の審判は、「効果」とポイントを獲るたびに、背広の裾がサラリンとなびいて爽やか。スーツのCMに出られそうな勢いだった。
姉妹の演武は、夏の合宿(サマーキャンプ)時に四日市支部長の小川先輩に仕込んでもらったものだったので、見せ場のところで「おぉ!」と歓声があがる度に小川先輩の顔が浮かび、私たちの為に考えてくれたことに感謝した。
ありがとう小川英樹先輩
私達の他にも3〜4種類ぐらいの武道の団体が鉄の棒を音楽に合わせて振り回したり、刀を振り回したり、板割ったりしていた。もはや武道ではない。
やっぱり空道の演武が一番よかったと思った。
待っている間に観客席から一緒に写真撮ってくれ!と言われたので快く受けた。
だがしかし、奴らを甘く見ていた。デパートのバーゲンセールを狙うおばちゃんのように、すごい人数のインド人が、姉妹めがけて押し合い圧し合いのぐちゃぐちゃで押し寄せてきて、やたらめったら写真を撮られた。
インド人の群れからの脱出!!3度目のサバイバルだ!
途中「怖がらないで」と、それこそ「キミ、かわうぃ〜ね」と言い出しそうな少年(推定15〜18歳)。
つか、グラサン付けてチャラ男じゃないのよあんた!
しかも、香水ニナリッチだろ!くっせぇー
ガードマンに助けられ、人ごみにプレスされ、「のしいか」ならぬ「のし姉妹」になるところを、間一髪まぬがれた。その後、車まで送ってくれたガードマンは、車にのる寸前で、「写真、いいかな。テヘ♥」と。ちゃっかり者だった。
その後は、大人しくホテルまで退却した。
その夜、武道大会の打ち上げに出かけた。会場ではノリのいい「ザ・マハラジャミュージック」がガンガン鳴り響いていた。
踊りたい!!目が血走る!
とりあえず、そのまま案内された席にすまして座った。
踊りたすぎる!
マハラジャだろうが何だろうがあたしゃ踊りたいんだよぉ!
しかし、塾長からの許可がないまま勝手に踊りだすわけにはいかない!
変人と思われてしまう!この気持ちどうしてくれようぉ!!
「おい!このみ踊って来い!」
ダンス許可!!
よっしゃーーーーー!!!!!!!!!!!!!
その夜は、今まで押さえていた衝動を爆発させるかのように踊りまくった。
昨晩のダンスが激しすぎて足の皮が「ぺろんちょ」した。
朝ご飯は、非常食として持ってきたカップラーメンにがっつく。
正しい味がした。日本大好き!
午前中はフリーだったので、あーちゃん(姉)とホテルの近所を徘徊。
ローカルなお店や人々の生活を見ることができて大満足だった。
ホテルまでは、おなじみのオートに乗って帰った。
オートは、ぼったぐると聞いていたので用心して乗った。が、実際ぼったぐっていたのは、私たち姉妹の方だった。
インドオート会のブラックリストに「この顔に要注意:神山姉妹」
昼過ぎに今度は、姉妹とゆみこさんとヤマダソウと清治さんとで、ちょっと遠くのマーケットまでお買い物に行った。日本にないものばかりで、新鮮で興奮した。 帰りもオートに乗って帰ったが、そこでも姉妹は、ぼったぐってしまった。
共犯者:東ゆみこさん。ようこそこちらの世界へ♥
の晩は、ちょっと高級なホテルでカラオケパーティー。
案内された場所は、ホテルの玄関・・・え?
おいおい、塾長に玄関で歌えってゆーのかこの野郎!?
ナメてやがる!だちゃかん※!!
※名古屋弁:そんなものは駄目だ
ここでもカラオケに会わせて思う存分踊りまくった。踊り過ぎで首がつった。
塾長にカツを入れてもらい回復。
また、清治さんの歌唱力にビックリ。しかもお酒が入ったおかげでエンジンフルパワー!!お酒でロックスターに大変身。
ロックスター☆清治は、飲んでいたウイスキーの水割りに水道水と言う名の毒を盛られた!
うちのロックスターの命を狙うやつがいたとは、うかつだった!!
やっぱ、玄関に案内されたときにシバクべきだったか!
今日もどこかに行くらしい。
おかしい。
みんなと離され姉妹だけ別の車に乗せられ山道を走っている。
踊りすぎたせいなのか?
知らない間に機密情報を聞いてしまったとか?
・・・どうやら国立自然公園らしい。捨てられずよかった!
どんどん上って行くとデカい岩山を削って作られた僧侶達の修行場のような遺跡が見えてきた。すんご〜!
何だぁ〜これが見せたかったのかぁ〜早く言ってよ〜。とホットする。
途中たくさんの野生の猿達に遭遇。猿のくせにみんな真ん中分けで髪型が決まっていた。
ちっ!
こっちは暑さで若干スッピンになりかけだがん
・・・負けた。
その夜、最後のお別れパーティーを開いてくださった。
昨日玄関でカラオケパーティーをしたホテルを貸し切る予定。
大丈夫か!?
会場はホテルの屋上で、意外におしゃれな感じのお部屋でテンションが上がった。
どぉやらスイートルームらしい。
よし!許す!
(勝手に和解)
会場の広さから言って、今晩は、ダンスができそうにないし、料理も期待できない・・・
とりあえずビールにがっついた。
うっまー!!
・・・気がついたらパーティーが終わっていた。
やっちまった!!
塾長をおいて爆睡してしまった・・・
自分切腹します。
日本に帰る日。
午前中姉妹は、早々と起きてローカルマーケットまで冒険。
最初から最後まで交渉役は全てあーちゃん。とりあえず、あーちゃんについていくことに。途中でヒンディー語しか話せない少女達に遭遇。彼女たちがローカルマーケットまで案内してくれるようだったが、着いた場所がエライ※高いアクセサリー店。
※エライ=とても
さっきローカルマーケットって言ったでしょ!?
結局その辺の人達にたずね歩きながら、オートをつかまえローカルマーケットまでたどり着いた。
父から、あーちゃんは普段女の子らしくオスマシしているけれど、いざとなると「おおちゃきぃ」から気をつけろと言われていたことが、ようやく理解できた。
・・・ってか、ヤンキーだ。
ローカルマーケットでは、姉妹そろって足にヘナ(特殊な塗料で足や手に絵を書くやつ)をしてもらった。
ホテルについて、出会うインド人にヘナを自慢しまくった。
夕方、空港まで送ってもらった。
なんか寂しい。だって日本に帰ってしまったら・・・ダンスができない!!と悶々としながら日本への帰路についた。
インド遠征は、食べ物が合わなかったり、町が臭かったり、言葉がわからなっかたりで辛いことも沢山あったけれど、演武もうまくいったし、ダンスもいっぱいできたし、国も文化も違う人達との新しい出会いに感動し、空道のおかげでこんなにいい経験をさせていただいたことに有難いと思いました。
このような機会をくださった塾長にも本当に感謝しました。空道をやってきてよかったと改めて思い返すことができる旅でした。
今度、インドで出会った彼らに会うときは、世界大会の舞台でお互いに空道の道着を着て再会したいと思いました。
文中、不適切な表現があったことをお詫び致します。
押忍!
神山喜未(日進支部)
更新日2011.11.8