この度、リトアニアで海外遠征があると聞き、ここで自分自身を見つめ直すと共に、ある意味刺激を受ける機会と今後の支部指導、大道塾の世界的情勢を把握する上で良い勉強になればという気持ちから同行することとなりました。しかし、「大道無門」の大道塾、道中何があっても不思議ではない・・・いつもながらどんな珍道中になるものかと・・・? 笑 心にときめきがあったことも事実・・です。
さて、旅行当日、成田空港第2ターミナルに集合、重くなったスーツケースとカメラ機材をリュクに背負い込みカップラーメンを1箱持参した。(塾長のため・・・貴重な重要荷物)参加メンバーは、東塾長、奥様、自分と神山日進支部長、総本部清水和磨指導員計5名での参加となった。また、現地で、フランス支部の土田支部長が合流することとなった。東塾長の奥様が同行することとなり、旅行期間中やや安心・・・しました??
午前11時成田空港を出発、途中フィンランドヘルシンキ空港を経由し、リトアニア空港目指し、まずは長い飛行の旅が始まった。ヘルシンキ空港まで飛行時間は約9時間、これにはさすがに狭い座席、同じ格好での体勢は毎度ながら、腰やあちこちが痛くなるのは参った。そういえば数年前に、イタリアに海外遠征で行った際、スチュワード(男性乗務員)が東塾長の顔をみるなり、『押忍』のあいさつ。(編集部注※)聞けば塾長が極真時代の後輩のお弟子さんとか、それ以後塾長とわれわれはVIP待遇を受けたなぁと、(笑)思いだした。しかし、今回はなにもなさそうだと苦笑い、ヘルシンキ空港からさらに1時間半の飛行の旅を続けてリトアニアの空港、ヴィルニユスに一同無事に到着、リトアニア支部一行の出迎えを受けて、さらに車で1時間カウナスまでの移動となった。
編集部注※ 2006年10月の遠征レポート「イタリア・ハンガリー遠征 珍道中の旅」参照
ここでヴイルニユスについて触れておこう。ヴイルニユスはリトアニア共和国の首都で、同国最大の都市である。人口は 558千人(2009年現在)。かつてはポーランド領だったこともある。バルト三国で唯一海に面していない首都で、バルト海に面したリトアニア主要港のクライペダからは 312 km 離れている。ヴィリニュスはネリス川・ヴィルナ川沿いに位置し、リトアニアの南東と地理的に偏ったところにある。これは過去数世紀の間に国境の形が変わっていったことと関係している。かつてリトアニア大公国の時代にヴィリニュスは国土の中央にあった。1994年に旧市街は世界文化遺産に登録された。また、2009年には欧州文化首都に選ばれたこともある。日本との時差は−6時間、現地には夜8時頃に着いた訳であるが、その頃日本では深夜をまわっていた、なんか考えるとあくびが出た。相変わらず自分は時差に弱いそして眠いし、窮屈な姿勢が長いせいか腰が痛い。いずれ、移動にはまる一日がかり遠かったが参加者一同元気いっぱいである。
カウナスに移動後、リトアニア支部長、イルガラス支部長からは手厚い歓迎を受けまずは遅い夕食となった。イルガラス支部長のなじみの店である『ボートの小屋』という日本食料理店である。他に、リトアニア支部生が同席した。トーマス、ヴィルス、イゴルと支部生はみな若い。が、すごく物事に対して流暢な対応と気配りや配慮、即応性には一同驚いた。まだまだ若いのに、たいしたもんだと。もちろん、この支部生の機転が、インガラス支部長が支部活動を行う上で大変助かっているだろうと推測したのは自分だけではなかった。
イルガラス支部長は、現在42歳、温和な性格と真摯な人柄が伺えた。トーマスとヴィルスは、現地語の他に英会話も達者であり、支部活動の様子や大道塾の情勢など、情報意見交換、空道談義に話が弾んだ。しかし、ビールはうまかったが、料理が出るのが遅いことに・・・・参った(笑)。日本ならもうとっくに、気分を害して店を変えていることだろう・・・・。しかしここはリトアニアである。異国の地、これも修行のうち、と思えば・・・しかし遅い・・・。(ボートの小屋初日)
この日、カウナスからヴイルニユスに移動、リトアニアナショナルオリンピック委員会事務局長を表敬訪問するためである。事前にアポをとっていたためか、スムースな対応となり我々一同と同委員会事務局長との初の懇談が行われた。東塾長から、先般、ワールドゲームスの視察団が日本を訪れ空道連盟を視察したこと、IWGAに加盟申請が検討されていること空道連盟の指針やら今後の活動について説明があった。事務局長からもリトアニアのスポーツ、武道振興の情勢化など説明があって、空道連盟の活動に高い関心が寄せられ、有意義な懇談となった。
(塾長コメント)カウナスの町並み。昼から夕暮にかけてはみんなカフェの店先でノンビリと食事。
な
んでも一長一短だがこんな事の出来る“文化”も良いなーと思った。
また同日、塾長のパソコンに吉報のメールが入った、『ブルガリア連盟が政府に承認された!』というニュースがあった。リトアニアの地で、この速報を同行者全員で喜びあった。それから、昼食を挟み、フランスから土田が合流、久々の再会を喜び、午後からはイルガラス支部長の配慮のもと、古い街並みと古風な建造物など、観光地を案内してくれ、厚いもてなしを受けた。こうした配慮を受けることができることも大道塾に携わり一員として、今がこうしてあることに幸せを感じるひとときであると感謝の気持ちで一杯になったことはいうまでもない。『アチョー(アチュ 塾長訂正 笑)』 (リトアニア語でありがとうの意味)
この日の夕食会場は、昨日と同じボートの小屋である。今晩は、屋形船が同店の横に備わっていて野外での夕食(この日寿司でした)となった。初日と同様、空道談義となったが、昔話を思い出し、笑いが絶えない部分もあったけど内容は割愛します・・・・しかし、笑ったな。 (ボートの小屋2日目)
さて、空道セミナー第一日目、会場は宿泊先から車で約7、8分のカウナスのスポーツセンターでの開催となった。ギリシャ、エストニアなど近隣諸国から約200名がここリトアニアに参集した。現在、リトアニアでは、市民から空道熱が高いことも確かではあるが、バスケットボールに人気が集まっているようであり、同会場の施設では応援団であろうか、高い声援がその盛んな様子を物語っていた。
いよいよセミナーの開催となった。入念な準備体操から、基本稽古、そして新移動稽古を行い、塾長の丁寧な指導のもと我々が全体をまわって指導を補佐した。やや技が荒削りの人が見られたが全体的に、よかったように見受けられた。一生懸命稽古に集中している姿に、東塾長もうなずきをみせているような気がした。技に技術的な部分が加味され、それにパワーが乗れば必殺技となること間違いなし、身体も大きな人が大勢見受けられ、基礎的な部分も備われば将来の世界大会やワールドカップにおいて活躍しそうな選手が沢山見受けられた。
あとは、こうした日頃の稽古の蓄積が大きく左右されることとなるだろう。パンチ、突き蹴りからの投げ技、締め関節技を中心に大道塾の空道が突き蹴りのみならず、いざ実戦技として対応できる武道として、テクニックの魅力を十分披露した。参加者には、その内容が理解し把握していただけたものと思われる。まずは、打撃技、投げ技中心の指導を行い、午前10時から始まったセミナーは、約4時間の開催となった。大変お疲れ様でした。
この日の夕食・・・・・また・・・ボートの小屋、えっまたか、さすがに毎日・・・でもな、贅沢言えないよなと正直思ったのは自分だけではなかったようである。ホテルから街並みを散策しながら徒歩移動となった。古風なたたずまいと石畳の道、きれいに整列した並木道を通り自転車専用のレーンが施されている。スリムできれいなお姉さんも多く見受けられ、時折見入るシーンも見られた。(全員が・・・)
途中河面に夕日が映り、絵になる光景が印象に残った。時折、店外にテーブルと椅子を設置、野外で飲食を楽しむ様は、異国情緒と風情を思わせるなごやかな気分を感じさせられた。冷たいビールとぬるいビール、塾長と自分はぬるいビールに氷を入れて飲んだ。ビールも連日、銘柄で語り合いもバトルとなったが、ここは異国の地、これを味わうのも修行のうち、と思えば納得したが、またも料理が出るのが遅すぎ・・・・1時間以上かかった。
聞けば、明日の打ち上げパーティは、またしてもボートの小屋、『えっ』と、明日は3日間通い詰めた料理が大集合するんだろうなと楽しみが膨らんだ・・・・・・。(ボートの小屋3日目)
いよいよ、リトアニア最終日、本日、セミナーとともに審査会を開催するとのこと。まずは、基本から始まり投げ、寝技中心に指導が行われた。外国に行った際いつも思うことだが、日本のように水道水を自由に飲めることはできない。必ず、ミネラルウォーターを買う習慣となるが、水のありがたみを感じずにはいられない。稽古中、給水するたびに、この水がうまいと感じるが、スポーツドリンクも見当たらないし日本人に生まれてよかったとつくづく思う瞬間である。
今回の昇段審査では、我々がお世話になった道場生のひとりであるトーマスが黒帯(初段)をかけての審査受験となった。彼は、リトアニア空道連盟の職員としてインガラス支部長を補佐する指導員でもある。彼の指導は、少年部からも人気が高いと聞くし、セミナーの内容からみても技がシャープであり力もある。自分が審査の主審を務め内容は、10−0 うち一本勝ちが3本、申し分ない結果となり初段合格となった。また、審査受験者に小柄ではあるが印象に残った生徒が目についた。
名前はインガラス20歳、少年部から稽古している学生である。技に切れを持ち、パンチと蹴りを多彩に使いこなしている。接近戦でもショートパンチや蹴りにスピードが付き相手から幾度となくダウンを取っていた。聞けば、空道を自分のメインにして、補佐的に、ボクシング、柔術を学び、週数回ウェイトリフティングをこなしているという。他の大会にも出場した経験があるようである。支部道場生からの人気もあってホープだとイルガラス支部長も絶賛していると聞いた。まだまだ、若い選手であるが、将来楽しみだと思った。
こうした選手が世界には、沢山いるのだろうと思った。昇段審査を受験する前に、セミナーを開催、こちらの方でも目一杯稽古し身体を十分動かしそして、段審査を受験する。昔合宿において、厳しい練習をして大会、審査を受験したことを思い出した。きつかったなぁーと、でもみんな一生懸命だったなと懐かしく思えた。ふと、少し今の日本の稽古に足りない部分が見えたような気がした。大会で勝つために、なぜ勝てないのだろうかという疑問符を我々一同が考えたことがあったが、同行した清水とあれやこれや問答してみた。
こうしたセミナーを開催する場合、我々指導する立場が基本的手本を披露しなければならないことは言うまでもない。そのためにも、常日頃の稽古を通じ、基本技は続けてやる必要があるだろうし、いつでもシャープな技が出せるよう練習が大切であると考える。東塾長自ら、蹴りのコンビネーション、そして投げ、グランドと多彩な技を魅せつけ披露できたものと思われる。このなかに、将来日本人選手を圧倒させるような選手が育ち、世界大会に出場できる支部として今後の活躍に期待したい。
二日間に亘りセミナーと昇段審査は終了した。盛会裡のうちに終了することができ、我々も「大道塾リトニアニア支部」に空道、大道塾の歴史の1ページに立ち会えたと感激を共有することが出来た!!
トーマスが黒帯を取得できたことも、これから道場運営していくうえで、イルガラス支部長のよきパートナーとしてサポートしてくれるにちがいない。道場を運営していくということは、支部全体の協力がないことには始まらない。そういう意味から、トーマスの黒帯は大きな意味を持つことでしょう。
その日、3日間通ったボートの小屋で、打ち上げパーティが開催されました。案の定、3日間通った料理がすべて勢揃い、きれいな美女も参加し華を添えていただいた。残念なことに、日本のカラオケがまったくなし、その変わりに東塾長、神山支部長が英語バージョンのカラオケをそれぞれ披露、なごやかな雰囲気のもと宴は終了した。こうして我々をもてなしてくれたこと本当に感謝が堪えない。温かい気持ちが伝わりました。(ボートの小屋4日目)
この世界には、さまざまな政治や経済情勢、諸事情によって合理的に物事ができなかったり、援助が受けられないことがある。我々日本人は、まだまだ豊かな国であることは否めない。しかし、この武道を通じ、異国の地、リトアニアの武道を携わる人々と1つになれたことは、大変光栄であり同じ仲間ができたことに喜びを隠せない。リトアニア支部生の人柄にも愛着を感じた。いつか再会した際に、また喜びでいっぱいになるだろうし、よき仲間ができたものと思う。
この度の海外セミナーの遠征に参加させていただき東塾長、奥様には、大変お世話になり深く感謝申し上げます。歴史的建物が立ち並び、セミナーが終わったあとに、ホテル街路の外でビール片手においしい料理を食べながらさわやかな風を受けて絵になるような風景が印象であり深く脳裏に残っております。こうした機会を得られ、人生の思い出になりました。塾長とは、数年前に、ロサンゼルスに加藤清尚(千葉県行徳支部長)のキックの試合の観戦や、銃の撃ちっ放し等々、イタリアローマ以来の遠征となりました。
しかし、前回同様、余談ですが東塾長は、まだまだタフ・・・これには驚きます。ホテルや空港で時間があれば、パソコンを即接続しデスクワーク・・・海外からのメールチェック!!そして、うまいビールを飲む。とにかく活動的な行動は、いまでも青年実業家を思わせる雰囲気でした。塾長の若さの秘密、ここにあり・・と言ってもいいかもしれません。これも奥様の内助の功、温かいサポートあってのこと。奥様の努力の賜とお察しいたしております。
酒の席では、昔話に花が咲き思い出話やここには書けない裏話、エピソード談など、清水は目をまるくしてばかり・・・。しばし、大変笑い話も多く、腹をかかえて笑ったり、自分にとっては本当に楽しい海外遠征となりました。
旅行期間中、共に過ごした、神山信彦、土田真也、清水和磨の各氏にもお礼を申し上げたい。今後、これを機に、益々大道塾の空道を通じ、精進を重ね、修行していきたい。魅力たっぷりの海外遠征、いろいろありましたが、東塾長、奥様大変おつかれさまでした。感謝の気持ちでいっぱいです。大道塾で学んだことを、今後の人生に大きく役立てていきたいと思います。これからもご指等、ご鞭撻をお願い申し上げこの度のお礼とさせていただきます。 押忍
狐崎一彦(盛岡支部)
更新日2012.5.5 画像追加2012.5.7