文責 全日本空道連盟広報部・朝岡秀樹
写真 全日本空道連盟広報部 はじめーる
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[総評]
-230クラス、-240クラス、-250クラスの3階級は、U19クラスから一般カテゴリーに昇格したばかりでありながら13年以上のキャリアをもつ、いわば「空道一筋」の10代と、前回世界選手権代表のベテラン勢の世代対決となった。結果は、ベテラン勢の全勝。この競技の奥深さを感じさせるとともに、将来への期待も膨らむ、空道新時代の幕開けだったといえよう。九州から、関西から……、コロナ問題に揺れる社会状況のなか、本州最北端にほど近い、静かな町の体育館までやってきた選手たちは、試合場に立った時点で、まずは讃えるべき「勝者」だったように思う。一方で、社会状況を鑑み、出場を辞退した選手、稽古を控えている空道愛好家たちもまた、「社会体育」の実践者としての矜持に満ちているのだといえよう。空道に携わるすべての仲間、それぞれの考え、行動を尊重し、東塾長亡き後の新体制を安定させることが肝要と感じる。また、開催を受け入れて下さった青森県上北郡おいらせ町のみなさま、運営の実務にあたった青森県空道協会のみなさまあっての大会であったことを忘れてはなるまい。
[2021全日本空道体力別選手権 全試合ダイジェスト]
■男子-230
目黒雄太(大道塾長岡支部)が北斗旗41年の歴史において前人未到の同一階級V6を達成。4月には、行けば支部のルールでPCR検査を受けたうえで1週間は稽古に参加できなくなると理解したうえで「感謝を伝えに行かなきゃダメだ」と、夜勤明けに新潟から日帰りで、東孝・創始師範の遺体が安置されていた大道塾総本部に赴いたという。今後は-240クラスに上げたいという考えもありつつ、まずは世界選手権での-230クラス制覇に向け、精進するとのこと。まだ28歳だけに、同階級全日本V10達成も十分に可能性があるように思う。
1回戦、小関優也(青・大道塾総本部)は左ボディアッパーや左フック、左ミドルを巧みに使い、曽根憲介(大道塾仙台中央支部)に本戦旗判定4‐0で勝利
2回戦、月東玲真(青・大道塾草加支部)が延長で、投げからのキメで効果を奪い、そのまま襟絞めに移行し、星優斗(大道塾仙南支部)から一本勝ち。
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2回戦、目黒雄太(青)は、ニーインベリーからのキメで効果を奪い、本戦旗判定5-0で家弓慎(誠真会館花小金井道場)に勝利。
2回戦、小芝裕也(大道塾関西宗支部)は右横蹴りや、右ハイキック⇒右ストレートで、小関を翻弄し、本戦旗判定4-0で勝利。
準決勝、目黒(白)は、月東に、寝た状態からパンチを浴びせ、本戦旗判定5-0勝利。
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準決勝、19歳にして空道歴14年の大西凛駿(白・大道塾横須賀支部)が本戦旗判定3-0、延長判定5-0で、小芝に勝利。小芝も腕十字を極め掛けたが、全般的には、大西が前に出て圧力を掛ける印象が強かった。
決勝、目黒(青)は、自動延長でマウントパンチにより効果1を奪い、大西に延長旗判定5-0で大西に勝利。V6を決めた。なお、目黒は本戦と延長の間でヘッドガードを外さず。「外すともう一回、ズレがないようポジションを整えるのが大変なので。呼吸は全然大丈夫です」とのこと。余裕が感じられた。
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■男子-240
2018年の世界選手権でこの階級の日本人としてはただ一人ベスト4に進出した服部晶洸(大道塾横浜北支部)、同じく世界選手権代表であった曽山遼太(大道塾岸和田支部)、前回大会(2019年)でこの階級優勝の寺口法秀(大道塾大阪南支部)らを制して決勝に進出したのは、これまで-230クラスで全日本準優勝2回、アジア大会優勝、世界選手権ベスト4の実績を残す30歳の谷井翔太(大道塾横須賀支部)と、19歳で空道歴13.5年、この日がU19カテゴリーから一般カテゴリーに昇格してのデビュー戦であった遠藤春翔(大道塾総本部)。世界選手権日本代表選考の対象となる、残り2つの全日本大会、今回、上位進出しなかった、あるいは欠場したトップ選手たちの奮起に期待したい。
1回戦。52歳の鉄人、篠原隆夫(青・大道塾御茶ノ水支部)が組んでからの膝蹴り等でリードし、斉藤陽太郎(大道塾仙南支部)に本戦旗判定5-0で勝利。
1回戦。遠藤春翔(青)がハイキック、ミドルキックにキレをみせ、田村理一(大道塾横浜北支部)に本戦旗判定5-0で勝利。
1回戦。伊東宗志(青・大道塾日進支部)が、マウントパンチで効果1を奪い、杉本博文(大道塾御茶ノ水支部に本戦旗判定5-0で勝利。
1回戦。田中龍太郎(白・大道塾行徳支部)は島崎健一郎(大道塾仙台東支部)にバックマウントを奪われるも、打撃で優勢を維持し、本戦旗判定5-0で勝利。
2回戦。服部(青)は、寝た状態からの打撃、パンチで気を引いての右ローなどで、篠原隆夫をコントロールし、本戦旗判定4-0で勝利。
2回戦。遠藤(青)が本戦旗判定3-0、延長旗判定5-0で寺口法秀との接戦を制す。遠藤は膝十字固めを極めかけられるが、タイムアップに救われた。
2回戦、谷井(青)vs伊東。谷井がマウントパンチで効果を奪えば、伊東は右ストレートで効果を奪い返し、本戦終了。旗判定3-0で伊東がリードしたが、延長で谷井がマウントパンチで効果を奪い、旗判定5-0で逆転勝利。
2回戦、曽山遼太(白)が右ハイで効果を奪い、田中龍太郎に本戦旗判定5-0で勝利。
準決勝、服部(青)vs遠藤。服部は寝ての打撃で遠藤を攻め立てるが、本戦で旗が2-2に割れ、延長で旗判定1-4で敗戦。前腕部を骨折していたらしい。
準決勝、谷井(青)vs曽山。本戦は旗判定2-1で谷井がリード。延長旗判定5-0で曽山を振り切った。ジュニアクラスルール出身の曽山は、U19から一般にクラス昇格後、上段蹴りの巧みさばかりが目立つ傾向があったが、21歳となった今大会での闘いぶりは、谷井が「パンチも重く、トータルに強く感じた」と認めるもの。それでも、蹴り足をキャッチさえるや引き込んで三角絞めに移行するなど、引き出しの多さで、谷井がベテランの経験値を示したかたちだ。
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決勝、谷井(白)vs遠藤。本戦で両者ポイントなく自動延長、延長旗判定3-0(谷井がリード)、再延長で再三テイクダウンを奪い、マウントパンチを放った谷井が、旗判定5-0で9分間の激闘を制した。「曽山選手とか、若い世代で強い選手とやってみたいという思いが大きな要因で240にしたので、やってみて、強さを感じつつ、ベテランの意地というか、今後彼らが空道をしょって立つにあたって、ここは1回、壁にならなきゃな、と。そういう意味で、多くの階級で、ベテランが若手を止めた点でいい大会だったと思います。自分自身に関していえばスタミナなど衰えつつある部分もあれば、若い選手のスピードに反応できなくなってきた分、分析力が向上しているので対応できたように思います。遠藤選手とは半年前の関東地区大会の決勝大会でも対戦し、その時は一本勝ち(アキレス腱固め)できたのですが、今回はなかなかテイクダウンさせてもらえず、半年で強くなっていることを感じました。世界選手権に出るとしたら-230クラスで出ます。ただ、子どもも生まれたばかりで、仕事が第一でもあるので、今後の日本代表権を懸けた大会へのエントリー自体、状況次第ではあります。今日は純粋に若い世代と闘いたいという思いで出場しました」と谷井。
■男子-250
加藤智亮が所属する誠真会館はフルコンタクト空手をベースとした団体であり、加えて加藤自身はキックボクシングの試合を行なったりもしている。それでいて、空道において、今回で2015年、2017年に続く3度目の全日本優勝。他に、全日本で準優勝2回、アジア大会で準優勝、世界選手権出場を果たしているのだ。空道競技のみのために練習を重ねている大道塾のこの階級のどの選手よりも、長く、コンスタントに空道の大会に出続けている(現在34歳)し、その結果として、空道競技のアイデンティティーたる「相手の道着を掴んでの頭突きやヒジの攻防」にも長けている。このような選手が増えていくことを望むとともに、3歳から大道塾で学び、2019年にU19全日本を制し、今大会で18歳にして特例として一般カテゴリーに初出場し、決勝進出を果たした小野寺稜太(大道塾総本部)のような、「生粋の空道家」「ジュニアクラス出身者」が、その壁を越えていくことを期待したい。幼少期からキャリアを積んでいるアスリートは、全般的に早期に技術が身についている分、20代以降の伸びが少なかったり、メンタル面で執念のようなものに欠け、競技から離れるのも早かったりする傾向がある。道は平坦ではない。
前半リーグ戦。加藤(青)は鈴木照幸(大道塾横浜北支部)から上段膝蹴りで有効(2ポイント)を得て、本戦旗判定5‐0勝利
前半リーグ戦。寺阪翼(白・大道塾総本部)は加藤に果敢に攻め入るも、本戦旗判定5‐0で敗退。しかし、その積極性は光った。
前半リーグ戦。鈴木(青)vs寺阪。寺阪がマウントパンチで効果ポイントを得て、本戦旗判定5-0勝利。
後半リーグ戦。小野寺稜太(青)vs佐川太郎(大道塾総本部)。小野寺が的確に蹴り技をヒットし、本戦旗判定5-0勝利。
後半リーグ戦。小野寺(青)vs三鬼裕太(大道塾御茶ノ水支部)。小野寺が左フックで効果ポイントを得て、本戦旗判定5-0勝利。
後半リーグ戦。三鬼(青)vs佐川。本戦旗判定2-2の完全イーブンで迎えた延長、三鬼が左フックで効果ポイントを奪い、旗判定5-0勝利。
決勝、加藤(青)vs小野寺。本戦で両者ポイントなく、延長旗判定5-0で加藤に凱歌があがった。ジュニアクラス出身者ならではの柔軟な蹴り技をみせ、ハイキックではあわやという場面もみせた小野寺だが、やはり、延長まで気力の途切れをみせない点、パンチや掴み打撃など、トータル的な技量の穴のなさでは、加藤が一枚上手だった。
■男子-260
4月3日に永眠した東孝・大道塾初代塾長の義理の息子(娘婿)である清水亮汰(大道塾総本部)が、2018年世界選手権での同階級優勝以来の試合復帰を果たし、危なげなく優勝した。大道塾総本部職員である清水は、試合から遠ざかっていた期間も、昼練習と夜の一般の稽古参加(指導)は続けていたが「塾長の病状が進行してからは、自主練も休んで業務を行わねばならなくなっていた」という。まだ25歳と、年齢的にはあと5年はフィジカル面での不安はないはずだが、東塾長から託された2022世界選手権での連覇を遂げるには、今後の本人の練習環境が確保されることと、国内で競い合えるライバルが現れることが、必要条件であろう。
リーグ戦、清水vs小松岳史(白・大道塾大阪南支部)。中段左膝蹴りで試合開始27秒で一本負けを喫した小松だが、思い切りのよいパンチで先制するなど、気概をみせた。
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リーグ戦、清水vs岡崎匠(白・大道塾仙台中央支部)。清水は、試合開始39秒、左フックで技あり(4ポイント)、1分14秒、右ストレートで効果(1ポイント)、1分35秒、上段左膝蹴りで一本(8ポイント)を奪う。8ポイント先取で試合終了となる空道ルールにおいて、計13ポイントを得たかたちだ。
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リーグ戦、小松vs麦谷亮介(白・大道塾行徳支部)。本戦、小松が左フックで効果を奪い、麦谷がニーインベリーからのキメで効果を奪い返し、旗判定2(麦谷)-1(小松)で延長へ。延長では、小松が右フックで効果を奪い、麦谷も組んでの膝で追撃するが一歩及ばず、小松の効果優勢勝ち。
決勝、清水vs近藤瑞起(大道塾岸和田支部、24歳、白)。試合開始27秒マウントからのパンチ連打、1分47秒バックマウントからのパンチ連打でそれぞれ効果を奪い、本戦で清水が勝利を決めた。近藤も、決勝の名に恥じない、臆せぬ試合ぶりをみせたことを記したうえで、近藤が不戦勝2つを経て(つまり1試合も闘わず)決勝進出を果たしたことには、言及しておきたい。現状、空道の大会では、エントリー数の少ないカテゴリーにおいては、総当たり戦や、五角形戦といったリーグ戦を行うことが多く、一方で「最初の試合で頭部ダメージによるダウンを負った場合は同日に次の試合を行うことはできない」といった内容の規定がある。これにより、今回の近藤は、闘う予定であった岡崎が規定により試合不可、麦谷が小松戦でのダメージにより棄権した結果として、このような現象が起きたわけだが……。顔面への直接打撃を認める競技において、ワンデーでリーグ戦を行い、一方で安全に配慮するかぎり、今後も今回のようなケースは起こりうるわけで、組み合わせの運・不運が大きく勝ち上がりに影響してしまうように思える。少人数のエントリーであろうとも、通常通りのトーナメント形式で試合を行うことが、安全面と、公平性と、大衆性(試合形式を全カテゴリーで統一することで、観る側に不明瞭感をなくす)を考えるうえで、妥当ではないだろうか?
■男子260+
奈良朋弥(大道塾青森市同好会)が、ダウン必至の右ストレートを武器にもつ目黒毅(大道塾多賀城支部)の怒涛の攻めをかいくぐり、パンチによる効果ポイントを2上げて、本戦勝利。恐竜の対決のようなド迫力の面白さがあったこと、そして開催地・青森の選手である奈良が連覇を達成したことを、まずは喜びたい。一方で、ただでさえ、軽量クラスに比べ層が薄いうえに、コロナ問題による社会状況の悪化も負担となり、エントリー者が3名しかいなかった点、来たる世界選手権で世界の強豪に対抗するには、脆弱な状況と言わざるを得まい。コロナ問題も収束を迎えているであろう次の全日本シーズン(2021年秋季)には、岩崎大河(大道塾総本部)をはじめ、多くの選手が戦線に復帰し、鎬を削ることを期待したい。
リーグ戦、奈良(白)は志田隼人(大道塾山形支部)から右ローキックで技あり、右フックで一本を奪う。
リーグ戦、目黒(青)は志田から右ストレートで技あり、右ローキックで技ありを奪い、累積8ポイントで勝利。
リーグ戦、前半の目黒の猛攻を凌いだ奈良(白)は、本戦1分55秒右フック、2分52秒左フックでそれぞれ効果を得て、延長に持ち込ませず、優勝を決めた。
■女子
5年前、2016年の全日本王者(-215クラス)である渡邊富紀恵(大道塾神戸同好会)が、出産・育児による戦線離脱の期間を経て、2度目の優勝。初の「ママさん選手」の全日本制覇であり、試合を仕切る主審も女性であった点も含め、社会・スポーツ界におけるジェンダー問題解消の流れに、空道界も遅れてはいないことを示す、素晴らしい情景であった。2名のみエントリーゆえ、階級分けもなくワンマッチで、同じ組み合わせの対戦が、時間をおいて2回実施され、1試合目と2試合目で勝者が異なり、獲得した旗の本数差によって、体格で劣る渡邊が逆転優勝を果たした(初戦負け、2戦目勝利)ことはドラマチックではあったが、一方で、一日のうちに同カードを2回行うことに関して「観る側には意図が不明瞭」「ひとつの試合の結果に対する‟一期一会性“‟聖なる一回性”を損なう」といった面も感じた。
1戦目。本戦旗判定2-2、延長4-1のスプリットで内藤雅子(大道塾横浜北支部・白)が渡邊を制す。
2戦目。渡邊(青)は、体力指数で14上の内藤に対し、右へ左へとフットワークでいなし、突きと蹴りをバランスよく織り交ぜる。内藤の前進を阻み、本戦旗判定5-0で勝利。
2021 北斗旗全日本空道体力別選手権大会 結果
(5月9日 青森県おいらせ町民交流センターアリーナ)
■男子
260+ 優勝 奈良朋弥(大道塾青森市同好会)
₋260 優勝 清水亮汰(大道塾総本部)準優勝 近藤瑞起(大道塾岸和田支部)
₋250 優勝 加藤智亮(誠真会館)準優勝 小野寺稜太(大道塾総本部)
₋240 優勝 谷井翔太(大道塾横須賀支部)準優勝 遠藤春翔(大道塾総本部)
₋230 優勝 目黒雄太(大道塾長岡支部) 準優勝 大西凜駿(大道塾横須賀支部)
■女子
ワンマッチ勝利者 渡邊富紀恵(大道塾神戸同好会)
東初代塾長の遺影とともに。左上から時計回りに奈良、清水、長田塾長、加藤、小野寺、渡邊、遠藤、谷井、大西、目黒、近藤。
■2021全日本空道ジュニア選手権大会 決勝ダイジェスト
U19-230クラス決勝。佐々木龍希(大道塾小樽支部・白)が田中脩斗(大道塾日進支部)から右ストレートで効果1を奪い、寝技では腕十字を極め掛け、本戦旗判定5-0勝利。
U19-240クラスリーグ戦。鶴田陸(大道塾朝倉支部・白)が曽山隆聖(大道塾岸和田支部)からから右ストレートで効果1を奪い、本戦旗判定5-0勝利。
2021 全日本空道ジュニア選手権大会 結果
U11女子 34kg以下 ワンマッチ勝利者 法両莉希(三沢支部)
U11男子 34kg以下 優勝 安達翔(塩釜支部) 準優勝 山本大氣(盛岡支部)
U11男子 44kg以下 ワンマッチ勝利者 門馬冴賢(帯広支部)
U13女子 44kg以下 優勝 槻田ゆい(塩釜支部) 準優勝 日野光彩(帯広支部)
U13女子 54kg以下 優勝 法両天夢(三沢支部)
U13男子 44kg以下 優勝 飛澤周希(盛岡支部) 準優勝 片桐憧歩(仙台西支部)
U13男子 54kg以下 優勝 相原琉唯斗(仙南支部)
U16女子 45kg以下 優勝 五十嵐心桜(三沢支部) 準優勝 飛澤乃希(盛岡支部)
U16女子 55kg以下 優勝 相内春花(青森市支部)
U16女子 65kg以下 ワンマッチ勝利者 髙橋諭禾(仙南支部)
U16男子 50kg以下 優勝 星空我(仙南支部)
U16男子 60kg以下 優勝 駒形祐磨(帯広支部) 準優勝 渋田大斗(塩釜支部)
U16男子 70kg以下 優勝 鶴田響輝(朝倉支部)
U19男子 220以下 ワンマッチ勝利者 山田凌雅(仙台東支部)
U19男子 230以下 優勝 佐々木龍希(小樽支部)
U19男子 240以下 優勝 鶴田陸(朝倉支部)
注)カッコ内は大道塾の所属支部/道場名
■雑感
開会式にて、かつての東初代塾長が道場で稽古前に叩いていたのと同じように、太鼓を叩いた長田第2代塾長。「この場は道場と同じ、修行の場、学びの場であるという思いを込めて」とのこと。閉会式後は「全体的にみて、打撃での力の載せ方が甘いように思いました。キレはあるのですが、世界選手権で、今日みた打撃が海外勢のパワーに対して、通用するのか? という不安要素はあります。今のテクニックとスピードでは、パワーに押し切られるのではないか、と。コロナ問題が収束したら、これからの2大会を通じ、その問題をクリアしていけるようにせねば、と思っています」と気を引き締めつつ、東初代大道塾塾長が4月3日に亡くなって以降、1カ月後に新体制で大会を開催し終えたことに関しては「ほっとしてます。いろんな不安要素があったなか、事務局の皆さんが一所懸命にやってくれたおかげで、次につなげられる大会が出来て、嬉しいです。大会1週間前の時点で、まだ塾長就任の挨拶文の掲示を控えていました。大会3日前までは、まだ開催できるのか分からなかったからです。2日前になってようやく『大丈夫だな』と。とはいえ『もしかしたら(中止にしなくてはならないかもしれない)』という思いは当日までずっとありました。当初予定していた仙台での開催がコロナ問題で直前になって不可能となったときに、青森(県空道協会)の五十嵐(祐司)支部長が躊躇なくすぐに(青森県上北郡おいらせ町の体育館なら開催可能だと)手を挙げてくれて、いろんな方面に確約を取って「大丈夫です」と言ってくれなかったら……1日でも遅れていれば、中止になっていたと思います。五十嵐支部長が今回の大会の最大の功労者です。今日、青森のスポーツ協会の方も視察にいらっしゃって、今後2週間は完全には安心できないです(来場していた人の中からコロナウィルス感染者が出る可能性があった→2週間後「感染者報告なし」と結論づけられた)が、安全対策委員会のメンバーと日々メールのやりとりを行って、出来る限りの安全対策は施したつもりです。今日、この場所に、関西や九州からここに来てくれただけでも、東塾長に想いは届いていると思います」と喜びを滲ませた。なお、今大会では‟東塾長への感謝の想いを込めた大会として、東塾長時代の……塾長ゆかりの人員のままで大会をやろうという意味合いを込めて“これまで通り、各決勝の主審を務めたが、それは今回が最後になるであろうとのこと。
開会式では会場内の選手・運営スタッフ全員で東塾長に黙祷を捧げた後、これまで、表立って大会で挨拶に立つことのなかった東恵子・大道塾事務局長(東塾長夫人)がマイクを握り、現地の大会スタッフや選手を労いの言葉を掛けるとともに「東塾長もどこかできっと見守っていると思います。皆さまが安心して空道に取り組めるよう頑張って参ります」と述べた。
獲得ポイント数等の計算によって割り出される最優秀勝利者には清水亮汰が選定され、長田塾長から北斗旗を授与された。なお、各選手の獲得ポイントを所属道場(チーム)ごとに集計して、その多寡で決められる優秀道場賞としては、大道塾総本部が1位、大道塾横須賀支部が2位、誠真会館と大道塾長岡支部が同点で3位にランキングされた。