男子240以下優勝 遠藤春翔 

所属:総本部

氏名:遠藤春翔

 

1今大会の結果

-240以下優勝

一回戦:田中選手に判定勝ち

二回戦:曽山選手に効果1で判定勝ち

決勝:伊東選手に効果1で判定勝ち

 

2試合結果について

  • 試合の結果についてどのように分析しますか?

一回戦:相手選手が組み、寝技が強いため戦っているときに距離を詰めすぎず自分の距離で常に戦うことを意識していました。しかし自分の動きは非常に固く良いところは特になかったです。

 

二回戦:回転が速く、特にフックの連打が強力であるためジャブやストレートなどの真っ直ぐのパンチを打ってカウンターを狙うことを意識しました。一回戦よりもリラックスして試合に臨むことができ、カウンターのストレートで効果を取ることができたものの最後にニーオンザベリーで効果を取ることができなかったことは技術不足であると思いました。

 

決勝:パンチが非常に強力であるため今回は打ち合いには付き合わず自分の距離で戦い、蹴り技中心で試合を組み立てていくことを意識していました。また、投げ技では投げた時に相手に巻き込まれることなく投げ極めを行えたことは前回よりも成長し練習の成果が発揮されたと感じました。

 

  • また、どの試合が一番印象に残りましたか?

決勝戦です。前回の全日本の決勝で敗北してから改善点と対策を自分なりに考え、今回無事勝つことができたため非常に嬉しかったです。

 

  • 今後の課題は何ですか?

スタミナ不足とフィジカル強化

 

3練習について

  • 週何回で合計何時間できましたか?また、その内訳はどのような割合ですか?

週六回 合計22~24時間(朝練6時間、本稽古12時間、その他4,5時間)

ランニング4時間 基本2時間 ミット1時間 ウエイト2時間 打撃スパー4時間 寝技スパー2時間 組技3時間 その他3時間

 

  • 大会に臨むにあたりそのほかにどのような練習を行いましたか?

今回はウエイトでフィジカル強化することよりも自分の武器であるスピードと打撃のキレを強化するために瞬発力を身に着けるトレーニングや坂ダッシュ等に重点を置きました。また、スタミナを強化するために毎晩階段を使ったトレーニングやサーキットトレーニングを行いました。

 

  • その他試合前に特に気をつけたことがあれば教えてください。

一番大切にしていたことは精神的な部分です。プレッシャーがあった中でも常にリラックスして、かつ大会前は気持ちを常に切らさないということを第一に考えていました。

 

4目標について

  • 次の目標は何ですか?

年末の弐段の昇段審査で合格すること

  • 将来の目標は何ですか?

地元である宮城で支部を開くこと

 

5その他

  • 何歳の時に空道を始めましたか?

5歳(年長)、父の勧めで始めました。

 

  • 今回の大会の感想や意見を記入してください

今回は寮生生活最後の大会で実績を残さなければならないというプレッシャーの中、無事優勝することができて嬉しく思います。来年の世界大会には出場せず、選手としてはしばらく離れることとなりますがこれからも大道塾から離れることなく全力でサポートし貢献していきたいです。最後となりますが今回運営及び設営に携わってくださった関係者様、応援してくださった皆様ありがとうございました。

男子230以下優勝 谷井翔太 

1.今大会の結果

230 クラス優勝

①板敷選手に優勢勝ち

②佐々木(龍)選手に延長判定勝ち

③目黒選手に再延長優勢勝ち

 

2.試合結果について

①試合の分析

初戦(板敷選手)

前に出てくる相手だったので、打ち終わりのカウンター狙いでパンチ中心に攻めた。頭突きや組みでのヒジを有効に使えた。

準決勝(佐々木龍選手)

パンチの回転力があるので、打ち合いの中でのカウンターを貰わないことに集中した。寝技では、下からコントロールして蹴りパンチや腕ひしぎ十字固めの仕掛けができた。

決勝(目黒選手)

パンチで勝負と考えていた。延長中盤から右フックが見えてないなと感じたので多用した。結果的に蹴りに合わせた右フックで効果が取れた。寝技での削り方(喉元に前腕置いて圧迫)や、蹴りの思い切りの良さなどはやはり他の選手とは一味違うなと感じた。

②決勝戦

再延長突入したときに、よく気持ち・集中力が切れなかったなと思います。前回5年前に対戦したときよりもお互いに強くなってると実感しましたし、互いに「倒す」気持ちが前面に出た良い試合だったと思います。また次闘う時が楽しみです。

③今後の課題

世界大会に向けて、パンチの攻防、フィジカルといった基本的な部分の底上げ

と、頭突き、ヒジヒザ、道着を使った崩しなどの部分を試合で使えるレベルまで研究することです。

 

3.練習について

①週4回合計12時間

打撃4時間

組寝技4時間

総合1時間

フィジカル3時間

②インナーマッスルトレーニング

(肩関節、股関節まわり中心に)

③疲れとストレスを溜めない

 

4.目標

①次の目標

世界大会でロシア人を「倒す」こと。

②将来の目標

空道界の為になる活動をする。

 

5.その他

①18歳 大学に入り格闘技を習いたいと思ったときに、たまたま大学内に早稲田準支部があった。

②今大会は、照明・音楽での演出に加え、青空応援団や白川竜次先生の素晴らしい演武、更に動画撮影SNS投稿の解禁など、大会全体的に非常に盛り上がりのあるものとなり、選手としても非常に気持ちよく闘える環境を作って頂いたことに感謝しています。

 

 

男子230以下準優勝 目黒雄太

氏名:目黒雄太

所属:長岡

 

1.今大会の結果

準優勝

 

2.今大会の結果について

①試合の結果についてどのように分析しますか?試合ごとにご記入ください。

 

1回戦、いつもより体が動いた記憶、相手を上手く転がしたところを投げ決めでポイントを取る事ができ効果優勢勝ち。

 

準決勝

パンチ主体の選手で、ローキックが強かった印象、ポイントをお互いに取れず延長戦、延長戦の最後に足払いで投げ、決めでポイントを取り効果優勢勝ち。

 

決勝戦

本線、お互いに有効打無し試合の途中で遅延行為として警告を受ける。

延長戦、お互いにポイントまでの効果無し、延長戦終了間際ポイント取りに行ってガードが甘くなった所にパンチを、入れられ効果を取られる。効果1警告1がある状態。

 

再延長、集中力は切れていなかったがポイントは取り返せなかったので効果優勢負け。

 

 

②また、どの試合が一番印象に残りましたか?印象に残った部分を記入してください

 

決勝

 

 

③今後の課題は何ですか?

 

練習時間の確保

 

3.練習について

①週何回で合計何時間出来ましたか?また、その内訳はどのような割合ですか?

 

週2回、1時間半から2時間

 

準備運動、その他(30分)スパーリング、技研(1時間)

 

②大会に臨むにあたり、その他にどのような練習を行いましたか?

 

道着を使った技を練習しました。

 

③その他試合前に特に気を付けたことがあれば、それも教えてください。

 

怪我だけはしないように気をつけました。

 

4.目標について

①次の目標は何ですか?

 

世界大会優勝

 

②将来の目標は何ですか?

 

色んな場所、色んな人と戦いたい。

 

5.その他、

①何歳の時に空道を始めましたか?またその理由は何ですか?

 

10歳の頃に野球部を辞める時に辞めるなら空道をやれと親に言われ始めました。

 

②今回の大会の感想や意見を記入してください。

 

今回は照明など、いつもと違う雰囲気で良かったと思います。

 

ルールに関して今大会から解釈が変わったりする場合は事前に説明などあると助かります。

女子220超優勝 内藤雅子

横浜北支部 内藤雅子

1.今大会の結果→優勝
一回戦/ イ ン ド/ヤミニパテル選手 技有り
決 勝/仙台東支部/小関選手 延長戦 効果2

2.試合結果について
①試合の結果についてどのように分析しますか?試合ごとにご記入ください。

1.ヤミニパテル選手
小関さんとヤミニさんの試合を最初に観れたのでラッキーでした。
インド人は優しいからすぐ心折れるって聞いていたんですが、彼女は全インド優勝してるだけあってタフに感じました。
急に攻撃してくる所が心配でした。
結果パンチが当たったから勝てただけであってロシア人だったらヤられてる距離にいました。
重たいパンチを練習しているのに倒れないので自信がなくなりました。

2.小関選手 前回とは絶対違ってくると思い臨みました。私の動きをとってもよく見ているなと感じました。打撃でポイントが取れなかったのが残念です。
延長戦での投げは練習していた事が出ていたようなのでそれだけが良かったかなと思います。
ハンドスピードも遅く、蹴りも少なかったです。

②また、どの試合が一番印象に残りましたか?印象に残った部分を記入してください。

自分の試合では、パンチを当てるって楽しいという事が明確になりました。

他の人の試合では
日進伊東選手のジグザグ動いてポンと当てる所。

同門佐藤ゆうたくんのハイキックKO。
1週間前に怪我をしたにも関わらず
それを感じさせない動き。冷静な試合運び、距離感。

横須賀谷井選手の寝技でも投げでも道着を上手く使っている所。相手が何もできないポイントを抑えているところ。メンタル面。

③今後の課題はなんですか?
一番はフィジカル
寝技も打撃も投げもですが、まずは力強さ、
どっしりだけど動ける身体を半年で作る。
そして絶対に怪我をしないこと。

3.練習について
①週何回で合計何時間出来ましたか?また、その内訳はどのような割合ですか?
週4.5回、90分=7.5時間前後
8割打撃 1割寝技 1割柔道、筋トレ

②大会に臨むにあたり、その他にどのような練習を行いましたか?
子供達への指導に関わる機会があり、
支部長から教わった物を深く理解→伝える、似たような動きを遊びで習得する練習。

③その他試合前に特に気を付けたことがあれば、それも教えてください。
疲労を絶対に残さない、怪我をしない、させない。
自律神経を整える。

4.目標について
①次の目標は何ですか?
旧ソ連圏撃破、世界大会で初優勝。
大盛り上がりする
②将来の目標は何ですか?
接骨院開業

5.その他
①何歳の時に空道を始めましたか?またその理由は何ですか?
26歳、高校時代から満足に柔道ができなかった事と
人生一度でいいから何かの頂点に立ちたかったから

②今回の大会の感想や意見を記入してください。
素晴らしい会場設営、コロナ対策、東塾長のメモリアル、仙台の方々の演武。
試合で緊張していて堪能できませんでしたが、
その為への準備など本当にありがとうございました。
ライトアップにより、相手選手と試合場のみの
視覚になりゲームしてる感覚が楽しかったです︎。

女子220以下優勝 大倉萌

1.今大会の結果

女子-220優勝

 

2.今大会の結果について

試合の結果についてどのように分析しますか?試合ごとにご記入ください。

 

1試合目

インドの選手

怪我をしてるところをなるべく使わないように決勝まで勝ち進みたかったので、

打撃勝負の試合はしないようにしました。

武器は減ることにはなりましたが、まっすぐ前に出てくる選手だったので、崩しが効果的に使えてよかったです。

 

2試合目

モンゴルの選手

モンゴルの選手の他の試合を見て、どんな組み合わせで戦うのが効果的かを考えてから試合に臨めました。

試合をしっかり見る時間を作っていただけてよかったです。

 

また、どの試合が一番印象に残りましたか?印象に残った部分を記入してください

2試合目

 

ロシア人選手のように、中に入ってくる時にワンテンポを作る打撃をする選手だったので、世界大会前にそれを経験できたことはよかったと思います。

ただ、ロシア人選手はもっとパンチが固かったと記憶があるので、これからもしっかり練習していきたいと思います。

 

今後の課題は何ですか?

今大会を通して、対ロシアを考えた時に、組みがもっとできれば、もっとトータルで戦いやすくなると思いました。

組み、寝技の決定力を高めたいと思います。

 

強化練では、階級を問わず女子選手と組技・寝技に特化した練習をしたいなと思っています。

強化コーチの方々、よろしくお願いいたします。

 

3.練習について

週何回で合計何時間出来ましたか?また、その内訳はどのような割合ですか?

 

週4-5回

主に打撃を練習し、水曜日は柔術を習いました。

大会に臨むにあたり、その他にどのような練習を行いましたか?

怪我が多かったので、筋トレはコンディショニングに近い状態で続けました。

 

その他試合前に特に気を付けたことがあれば、それも教えてください。

怪我を悪化させないように、不本意ではありましたが自分でブレーキをかけながら練習に取り組みました。

 

4.目標について

次の目標は何ですか?

ロシア人に勝つ

将来の目標は何ですか?

世界大会優勝

 

5.その他

何歳の時に空道を始めましたか?またその理由は何ですか?

9歳の時

 

今回の大会の感想や意見を記入してください

 

久しぶりに仙台で試合ができて、嬉しかったです。仙台大好きです。

 

やっぱり空道は面白い競技ですし、最近は海外の選手や、若い選手と戦う機会も増えてきて、私にとってチャレンジングな競技になっています。

得意なところも不得意なところも伸ばせるところをもっと伸ばして行きたいと思います。

 

次は世界大会です。

空道発祥国の日本人として優勝したいと思います。

実際に戦うのは選手ですし、選手が全力で勝ちに行くのは当然だとは思いますが、世界大会の時には、選手団、コーチ陣、観客の皆様をはじめ、日本人全員が、ひとつのチームで世界と戦う気持ちで試合に臨んでいただきたいです。

選手としても本当に力になると思います。

 

全力で応援していただけるように、私も全力で頑張ります。

よろしくお願いいたします。

 

ありがとうございました。

 

女子220以下三位 熊倉彩夏

氏名:熊倉彩夏

所属:新潟支部

1.1回戦 モンゴル選手に判定負け

2.

①体力面と冷静さが足りなかったです。

②U19?でハイキックでKOをしていた試合

③体力面、パワーの強化

3.

①週3回2時間程です。

②得意の投げ技にもっていく練習です。

③特にないです。

4.

①目の前のことに取り組みます。

②目の前のことに取り組みます。

5.

①24歳くらい

小さい頃からスポーツをしていて、辞めたけど

もう一度体を動かしたいと思ったからです。

②会場の雰囲気、照明がとてもかっこよかったです。

2022アジア空道選抜選手権大会/ 2022秋期全日本空道ジュニア選手権大会  試合ダイジェスト

文責 全日本空道連盟広報部・朝岡秀樹

写真 全日本空道連盟広報部 はいチーズ

画像はクリックすると拡大表示されます。

[総評]

韓国・モンゴル・インド・タイ・日本の選手によって争われた今回のアジア選抜大会は、2023年5月13~14日に国立代々木競技場第2体育館で開催される世界選手権に向けて、日本代表を決める最終選考大会であった。コロナ問題による活動(日々の稽古・大会)休止期間が生じたことに加え、空道創始者である東孝・大道塾塾長が逝去されたこと、ロシアのウクライナ侵攻により社会・スポーツ界での国際交流が難化したこと……と、三大ショックに見舞われたなか、長田賢一・第2代大道塾塾長のもと、あらたなスタートを切った運営陣による大会は、試合場のライティング(照明)などにも、選手を引き立てる工夫がなされた、出場する選手、観る側、双方へのホスピタリティー溢れるものであった。「これなら、数十か国とやり取りをして、選手を招聘~アテンドせねばならない世界選手権も、無事に開催できるだろう」と運営陣に対する安心感は高まったが、一方で、肝心の選手の方はどうか? 各階級「これなら世界と闘える!」と思わせてくれたかどうか……。

[アジア空道選抜選手権 ダイジェスト]

男子-230

全日本連覇記録(2022年でV7)保持者・目黒雄太(大道塾新潟支部)を、前回アジア選手権の王者・谷井翔太(大道塾横須賀支部)が、再延長で退けた。これで、両者の通算対戦成績は、5戦して谷井が3勝、目黒が2勝。円熟のツートップは、U19カテゴリーから昇格してきた活きのよい若手の出場が目立った今大会を「お互いに壁になろう」(目黒)「決勝でやろうよ、負けんなよ」(谷井)と声を掛け合って迎えたという。決勝を終えた後は、若手に対しては「穴がないわけじゃない。彼らはまだこれから」(目黒)、「やることが多い競技だから、まだまだ、身に着けるべきことは多いのかな、と」(谷井)と、貫録をみせる一方で、前回世界選手権で、目黒、谷井、中村知大を連破して王者となったウラジミル・ミロシニコフに対しては「現時点で、もう一回やれば勝てる、というような感覚はない」(谷井)「私たちが国内の若手にやるように、ここを取れば大丈夫というところを計算している」(目黒)と、気を引き締めていた。それでも「優勝を狙います」(目黒)「230は日本が守ってきた階級なので、取られた時期もありましたけど、絶対にそこは譲れない」(谷井)と世界王座奪還へ向けての覚悟は揺るぎなかった。

 

1回戦、目黒(青)は、腰車(首投げ)からキメ突きで効果を奪い、小芝裕也(大道塾名古屋北支部)に本戦旗判定5‐0で勝利。小芝は2019全日本準優勝のトップコンテンダーであるだけに、世界選手権最終選考大会の初戦で目黒と対戦し、世界への道を断たれるというのは、気の毒な気もした。初戦がこのようなトップ選手の対戦だったり、新人同士の対戦だったり、海外選手同士の対戦だったりするケースが今大会では多々あったが「実績順に上位2名をヤグラの両端に配置し、次の上位2名をその対抗の位置に配置し、それ以外の配置は恣意的要素が入らぬようランダムに……」といったトーナメント作成のルールを定めるべきではないか?
 

1回戦、中川昇龍(青・大道塾岸和田支部)と田口洸輝(大道塾仙南支部)の20歳同士、キャリア10年同士の東西対決は、積極的な打ち合いの末、中川に旗が3本、田口に旗が一本上がり、主審は中川の勝利を宣告。

1回戦、18歳の佐々木龍希(白・大道塾総本部)は、ジュニアルール王者(2021・22U19-230)ならではのハイキックと、アマチュアボクシング経験者ならではの速いパンチで、大道塾札幌西支部でムエタイの技術を教えるソムチャイ・ヌアナーから本戦旗判定で副審3本の旗を得て、延長旗判定5-0で勝利。

1回戦、谷井翔太(白)は、左ストレートで有効と効果を奪い、本戦で板敷宗治(大道塾札幌南支部)に勝利。

準決勝、目黒(青)vs中川は、本戦で目黒が3本の旗を得るも引き分け。延長戦終了17秒前に目黒がマウントパンチで効果を奪い、勝利を決めた。

準決勝、谷井(白)は長い蹴りの攻防から、一気に前に出て頭突き、密着してのヒジ打ちからタックル、寝技……と、遠間と近間の攻防だけを選び、中間距離での打突の優れる佐々木につけ入る隙を与えない。ベテランならではの戦略的な展開で、本戦で旗3本、延長で旗5本の勝利。

決勝、今大会唯一の再延長、9分間に渡る激戦の末、 延長戦終了のブザーとほぼ同時の右フック(サウスポースタイルの前拳フック)で効果を奪った谷井(白)が目黒を制した。延長戦中盤までの展開では、投げ技の攻防をはじめ、目黒が競り勝っている場面も多く、谷井自身「制圧されているな、と思い、判定では負けるな、なんとかしなきゃな、と」思って勝負をかけたとのこと。あっぱれ。

男子-240

U19全日本優勝の経歴を経て、昨年、一般クラスにデビュー、いきなり全日本決勝進出を果たした遠藤春翔(大道塾総本部)。昨年はその決勝で谷井翔太に敗れ、今年も全日本決勝で伊東宗志(大道塾日進支部)に敗れ……と足踏みが続いていたが、今大会の決勝で伊東にリベンジを果たし、遂にビッグタイトルを獲得した。遠藤は、今回の大会前に「この大会で優勝して、競技生活にひと区切りをつけたい」と宣言してが、本当にそうなってしまうのだろうか? 日本代表最終選考大会を制した者が世界選手権出場を辞退しようとしているこの状況、2018年の世界選手権でこの階級の日本人としてはただ一人ベスト4に進出した服部晶洸(大道塾横浜北支部)、同じく世界選手権代表であった曽山遼太(大道塾岸和田支部)、2019年の全日本王者・寺口法秀(大道塾大阪南支部)、2009年の世界選手権に出場し、2014年の世界選手権では出場権を逃し、2018年に日本代表に復活し、2023年に再度の代表権獲得を目指した田中洋輔(大道塾御茶ノ水支部)ら、出場権獲得確定を逃した者たちは複雑な心境なのではないだろうか。-230優勝の谷井は、ジュニアクラス出身者が早熟な分、早期引退する傾向に対し「ここで燃え尽きてんじゃねぇよ、とは思います」と語っていたが、遠藤にしろ、5歳からはじめて、小学生時代から、通常の稽古に加えて、1日3時間に及ぶ自主練習を週5日行って、20歳とはいえ15年のキャリアをもつのだから、心がすり減るのも無理はない。遠藤の気持ちが翻ることを願う一方で、彼がこのまま第一線を退くのであれば、それがジュニア競技の在り方を考えるよき契機になればよいとも感じる。

1回戦。春の全日本をコロナ罹患により欠場した服部(白)は三日月蹴り、アキレス腱固めとテクニカルな攻め、一方の田中は圧力を掛けて前に出る闘いを展開し、本戦旗判定は旗3本が田中、1本が服部に上がるスプリット。延長終了13秒前に右ストレートで効果を得た田中が勝利を決めた。

1回戦。豊田隆興(青)をハイキックで脅かし、支え釣り込み足→キメ突きで効果を奪った曽山が本戦旗判定5-0で勝利。

1回戦。寺口は三浦敏彦(白・大道塾木町支部)から投げ→キメ突き、掴んでのパンチ、ヒジ打ちでそれぞれ効果、パンチと左ミドルの連係でダウン(有効)を奪い、本戦で勝利。

2回戦。遠藤(青)は田中のタックルや、カウンターの左フックなどに苦しめられながらも、打撃戦で攻勢を保ち、本戦旗判定5-0で勝利。

2回戦。曽山(青)とハヌル・パク(韓国)の対戦は、美しい上段蹴りの応酬となり、曽山が本戦旗判定5-0で勝利。

2回戦、伊東(青)vs寺口は、本戦で寺口に旗が2本、伊東に旗が1本挙がり、副主審と主審が引き分けを支持する拮抗した展開。延長で、伊東の右ストレートに寺口が一瞬、腰を落とし、勝負あり。伊東は春の全日本に続き、9月開催のパンアメリカン大会でも優勝するなど着実に実績を重ねており、激しい打ち合いが続く中で後半にパンチをねじ込む集中力を身に着けている。

2回戦、モロムジャムツ・エンフバット(白・モンゴル)は、オウム・タコレ(インド)を豪快に投げ、腕十字を極め、本戦勝利。

準決勝、曽山(白)vs遠藤。ジュニア選手権で優勝を重ねた者同士、23歳の曽山(白)と20歳の遠藤の対戦。一進一退の攻防の中、遠藤が右ストレートで効果を得て、本戦旗判定5-0勝利。

準決勝、伊東(青)vsエンフバット。エンフバットは左右のハイキックや右ストレートをヒットさせ、本戦は旗1本を奪う(伊東に旗2本、副主審・主審は引き分けを支持)。延長で伊東が右フックをヒットさせ、効果を奪い、勝利を決めた。全日本のディフェンディングチャンピオンから旗を奪うモンゴルの選手の強さ、伊東の後半戦での集中力の高さ、どちらにも感嘆。

決勝。前後へのステップで間合いをはかり、サイドへの回り込みで死角からパンチを突く伊東(白)に対し、遠藤は打ち合いを避け、コンパスの長さを活かしたハイキックや下腿へのローキック(いわゆるカーフキック)に繋ぎ、間合いを潰しては大外刈りなどの投げ技へ。組み付こうとする遠藤に伊東は右アッパーで迎え撃つが、遠藤は支え釣り込み足からのキメ突きでポイントをゲット。延長旗判定5-0で勝利を収めた遠藤、気になる去就に関しては「いろいろみなさんにも言われていますので、しばらくゆっくりして、自分の気持ちを整理してから、一から考えたいと思っています。寮生になって(卒寮となる3年目を迎えているのに)実績がなくて、プレッシャーで苦しかった……」とのこと。

男子-250

昨年2021年、18歳にして全日本準優勝、今年、全日本優勝を果たし、この階級の日本のエースの立場に躍り出た小野寺稜太(大道塾総本部)が、その後、コロナ感染の影響で血栓症を発症し、今大会を欠場し、世界選手権に出場できるかは、今後の回復具合と、強化練習における査定試合の結果次第になるであろうという状況となった。そんな中、決勝に進出した寺阪翼(大道塾総本部)は、空道以外の格闘技キャリアがなく「中学時代に『はだしのゲン』を読んで(中略)自分は間違った教育を受けているのではないか、そもそもそんなことを考える自分が異常なのではないか……と悩み、それから人と話せなくなって、自室に引きこもって親と対立し」青森に住む祖母の下で暮らすこととなり、高校時に八戸で入門して以来、大阪、東京と各地区の大道塾道場でキャリアを重ねてきた26歳。一方の佐川太郎(大道塾仙台東支部)は、2019年にシニア(いわゆる壮年部)の全日本を制し、その後、一般カテゴリーに挑戦し、この春、その全日本選手権でも準優勝を果たした〝オヤジ・ドリーム〟47歳。キャラの濃い二人のアジア頂上決戦となった。

 

1回戦。佐川(青)は2022全日本空道シニア選抜選手権・重量級優勝の平田裕紀 (大道塾東中野支部)から右ストレートで効果を奪い、タックルを決め、本戦旗判定5‐0勝利

1回戦。東北予選優勝の高橋直人(白・大道塾仙台東支部)はシタンシュ・シェスに絞め技を掛けるが、立ち姿勢から頸椎に負担を掛ける方向への引き込みながらの展開とみなされ、反則扱いに。その後、腕十字で一本を奪った。

1回戦。寺阪(青)は西日本予選優勝の中村凌(大道塾日進支部)を腕ひしぎ裏十字固めに捕える。一本を奪うには至らなかったが、本戦旗判定5-0勝利。

準決勝。佐川(青)は右ストレートで2回、高橋から効果を奪い、本戦勝利。

準決勝。寺阪(青)vs飯田諭(大道塾大宮西支部)は、ボッコンボッコンのフック合戦の末、本戦旗判定4-1で寺阪が勝利。

決勝、寺阪(白)vs佐川。本戦、寺阪が右ストレートを決めれば、佐川はタックルでテイクダウンを奪いニーインベリー。キメの突きを放たんというところでタイムアップとなり、本戦、両者ポイントなく、延長戦へ。疲れのみえ始めた佐川に、寺阪は掴んだ状態で前蹴りを放ち、効果を奪い旗判定5-0で勝利。

男子-260

前回アジア選手権で岩﨑大河を後ろ回し蹴りでダウンさせ勝利している韓国のイ・ウォンチョルが今回のアジア大会において唯一人の日本人以外の王者となった。極真空手で茶帯取得後、空道に競技転向したイは、膝のケガにより手術を行ってからまだ100パーセントの回復はしていない状況だという。半年後の世界選手権では、この日以上のパフォーマンスを発揮するに違いない。もはや日本の敵はロシアのみではない。それは、喜ぶべきことでもあろう。

 

1回戦。押木英慶(白・大道塾新潟支部)vs麦谷亮介(大道塾行徳支部)は、本戦旗判定で3本麦谷に旗が挙がるも、副主審・主審が引き分けを支持。延長では、押木が首相撲からの左膝蹴りで麦谷を宙に浮かせ、延長旗判定5-0.逆転勝利を収めた。

1回戦。イ(白)はニーインベリーからのパンチ連打でドゥルフ・パ二カール(インド)から効果を奪い、絞めで一本勝ち。試合時間約1分。

1回戦。今年の全日本-260優勝者・近藤瑞起(青・大道塾岸和田支部)は、今年の全日本ジュニアU19 -260優勝者・田中衆太(大道塾西尾同好会)を再三投げつけ、ニーインベリーからの突きの連打で効果を1つ奪い、本戦旗判定5-0勝利。

 

1回戦、宮原譲(白・大道塾東中野支部)は、上段回し蹴り、上段内回し蹴りと、フルコンタクト空手で輝かしい実績をもつ者ならではの蹴り技で東北予選優勝の高橋新(大道塾仙台東支部)を翻弄しつつ、右ストレ-トで2回、マウントパンチで1回効果を奪ったうえ、左フックで技有を奪い、本戦で完勝。空道の選手としての完成度の高さをみせた。

準決勝、押木(青)は膝で攻め、イはタックルでテイクダウン。本戦・延長と両者決め手なく、押木が消極性で1つ金的攻撃で1つ警告を受けていたため、規定により、延長終了時点で、イの勝利が決まった。反則によって負けてしまうことは、実にもったいないこと。世界選手権では出場権が巡ってきたならば、このようなことがなきよう、戦略の準備を重ねて欲しいところだ

準決勝、近藤(白)vs宮原。宮原の蹴り技を凌いだ近藤は、道着を掴んでのアッパー連打で効果を奪い、投げてからの抱きつきで時間を消費し、本戦旗判定5-0で勝利。

決勝、イ(青)vs近藤。本戦、近藤が右フックで効果を奪い、延長では、イがニーインベリーからのキメ突きで効果を奪ってポイント1-1に追いつけば、近藤が掴みからのパンチ連打で効果を奪い再びリード、するとイが再びニーインベリーからのキメ突きで効果を奪ってポイント2-2に追いつき、延長旗判定4-1でイが勝利した。近藤は、ジュニア王者、フルコン空手の実績者……と、難敵を下してきたのに対し、イは、空道の競技レベルにおける後進国の選手との対戦があったことが、残存体力・気力の差をもたらしていたのかもしれない。このあたりの国際大会ならではの現象を乗り越えるだけの力量を身に着けねば、世界選手権での勝利は得られまい。



男子 -270

2018年世界選手権明けの2019全日本から2021年まで全日本選手権の最重量級260+クラスを連覇し(2020年は全日本選手権がコロナ禍で中止)、2022年は岩﨑大河に敗れたとはいえ準Vと、紛れもなく今回の世界選手権シーズンの日本のトップであるはずの奈良朋弥(大道塾青森市同好会)が、新人選手に競り負けた。世界の強豪を迎え撃つには、日本のこの階級は脆弱な状況と言わざるを得まい。今後半年の奮起により、5月の代々木でギャフンと言わせて欲しい。

 

 

リーグ戦、奈良(青)はインド王者のニシャイ・シャルマから右のパンチで有効1つ、効果3つを奪い、圧勝。

リーグ戦、西尾勇輝(白・大道塾岸和田支部))は、シャルマから右ストレートで技有りを奪う。そのままシャルマは棄権した。

リーグ戦、事実上の決勝となった奈良(青)vs西尾。0分49秒に右ストレート、1分53秒に右ストレートで西尾が効果を奪い、2分12秒に奈良が右ストレートで効果を奪い返し、2分51秒に西尾が再び右ストレートで効果を再び奪い、本戦で決着。西尾は関西の大学の日本拳法部を経て就職後、空道に取り組み始め、当初は下段蹴りに苦しめられていたが、その下段蹴りを磨き抜き、今やそれが得意技だという。今回の試合でも、ストレートを打つ前の仕掛けとして、効果を発揮していた。一方の奈良は、相手の得意フィールドである右ストレートの間合いでの打ち合いに応じてしまっており、相手の光を消すような戦略の選択が出来ていなかった。

 

■男子270+

初戦は1分未満で絞め技で一本勝ち、2戦目(決勝)は2分1秒で9ポイントを奪いフィニッシュ(空道では8ポイントを先取するとその時点で勝利)。岩﨑大河(大道塾総本部)が圧勝を収めた。優勝を決めたバックマウントを奪ったうえで仰向けとなり、相手の顔面を直接打撃する技術は、岩﨑自身が審判講習会に出向き、反則でないことを確認したうえで用いたもの。「自分の試合というより、大会全体、試合を観ていて物足りなさは感じました。東先生の掲げた社会体育という言葉を、仕事をしているからこれくらいでいいんだ、という言い訳にして欲しくない。自分も空道の指導とアルバイト(牛丼屋店員)をしながら、限られた時間の中での稽古を積んでいる」という試合後の言葉には、後進の規範となる覚悟が感じられた。一方、対抗馬と目されていた目黒毅(大道塾多賀城支部)は、稽古中に眼窩底骨折を負ったために大会直前で棄権したが、今回のみならず、大会直前やトーナメント序盤戦のケガで棄権することが毎度のよう。大会直前に怪我をせぬよう逸る心を抑えて稽古の強度をセーブするとか、試合においてケガをするリスクの高いやみくもな打ち方をしないとか、そういうことが出来ないことが弱さの表れなのだということを自覚して欲しい。

 

1回戦、岩﨑(青)はタックルでテイクダウンを奪い、0分52秒で大里佑人(大道塾香取支部)に肩固めで一本勝ち。

1回戦、長沢新(白・大道塾岸和田支部)は“手技”と分類されることの理(ことわり)の相応しさを感じさせる背負い投げをみせ、ヴルティック・デサイ(インド)からマウントパンチで1つ、投げ→キメ打撃で2つの効果を奪い、本戦勝利。

決勝戦、岩﨑(白)が42秒でマウントパンチによる効果を奪ったのを皮切りに、ハイキックでダウンを奪い、グラウンドでの打撃でも技有りを奪い、僅か2分1秒でフィニッシュ(空道では8ポイントを先取するとその時点で勝利)。



女子 -220

2017年全日本―215クラス優勝後の膝靭帯損傷により2018世界選手権日本代表争いから外れ、その後、キックボクシングの世界で名だたるトップファイターたちと拳・足を交えてきた大倉萌(大道塾吉祥寺支部)が、2021モンゴル選手権優勝者であり伸びのあるパンチを連打するダヴァジャルガル・プレヴジャブの突進を前蹴りによるストッピングやステップワークでいなし切り、完勝。念願の世界選手権初出場、制覇に向け「ロシアの選手に似たスタイルの選手を捌きながら闘うことが出来たこと、逆に課題がまた、いくつかみつかったことはよかったと思います」と笑顔をみせた。

 

2回戦。熊倉彩夏(青・大道塾新潟支部)が膝着きの諸手背負いからのキメ突きで効果を先に奪い、パンチもヒットさせるが、ダヴァジャルガル・プレヴジャブ(モンゴル)は右ストレートで効果を奪い返し、ポイント1対1のイーブンで本戦旗判定へ。副審は白に旗2本、青に旗1本、副主審は引き分けを支持し、主審が白……プレヴジャブの勝利を宣告した。

2回戦。大倉(青)は投げからキメ突き、マウントパンチ、中段膝蹴りでそれぞれ効果を奪い、ポイント3-0でインドのナーズ・パテルに本戦勝利。

 

決勝戦、大倉(白)が、本戦は右ストレートで1回、延長は右ストレートで2回、上段右前蹴りで1回、効果を奪い、ポイント4-0でプレヴジャブに圧勝。

女子 220+

リーグ戦で争われたこの階級、事実上の決勝戦となったのは、内藤雅子(大道塾横浜北支部)vs小関沙樹(大道塾仙台東支部)。離れては右ストレート、左ミドル、組んでは内股からキメと、常勝パターンにはめ込んだ内藤が完勝を果たした。世界選手権でカテゴリーが設けられるようになってからの4大会すべてでロシアが優勝を独占している女子部門。果たして、日本人初……というか、ロシア人以外で初の女子世界王者は誕生するか?

 

リーグ戦。小関沙樹(青・大道塾仙台東支部)はインドのヤミニ・パテルに腕絡みを決め掛け、本戦旗判定5-0で完勝。

リーグ戦。内藤(白)はインドのヤミニ・パテルから効果3つ(投げ→キメ突きで2つ、右ストレートで1つ)、有効1つ(パンチ連打)を奪.い、ポイント7-0で圧勝。

リーグ戦。内藤(白)は、コンパスを活かして小関の出際を蹴りで捕え、近づいては膝からの投げで試合をコントロール。延長戦、投げからのキメで効果を2つ奪い、優勝を決めた。

 

雑感

今大会、試合場を強く照らし、試合場以外の照明を落とすことで、より選手の闘いを鮮やかにみせる配慮がなされており、さりとてスモークを焚いたり炎を噴射したりポップな曲を大音量で流したりといったプロ格闘技のようなショーアップはなかった。武道に相応しく、かつ選手のモチベーションを上げうるベストな演出だったと感じた。

そんな中で、モンゴル・韓国の選手は目を見張る強さを発揮し、インドの選手は「大丈夫?」と心配になるほどのやられっぷりをみせた。こういったレベルの差が出るのも国際大会ならでは。安全維持への配慮さえ確保されていれば、微笑ましく感じてよいものだろう。

各カテゴリーともかなり絞った人数でのトーナメントとなっており、日本代表は、西日本・関東~信越・東北・九州と、各地区の予選を制した者が選ばれ、予選で上位に入賞しなかった者に出場権が与えられていなかった(北海道は推薦のみで出場)。これも、よいと思った。柔道などでも、全日本体重別~国際大会は各カテゴリー8名ほどに絞った選手でトーナメントを行うことが一般化している。それくらいの方が、大会が間延びしないし、「こんな選手が出られるの?」と思わされるような低いレベルの攻防も少なくなるし、予選大会の緊張感も高まる。

世界選手権の日本代表選考に関しては、今大会の各クラスの試合内容から考えて「重量級は1クラスに日本代表は1名、もしくは出場無し、その分、軽いクラスは多めの人数を出場させる」くらいの傾斜配分が妥当ではないかとも感じたが、そんなことが日本に許されるのであれば、世界各国にも「我々は、重量級が強いから-270に5人出させて。その代わり、-230と-240はゼロでいいから」などといった主張を許さねばならなくなり、収拾がつかなくなるということか。

それにしても、空道の始祖、東孝・大道塾初代塾長は、独自性と面白さを備えた競技(ハード)を創り上げ遺してくれたものだ。これだけ素晴らしいハードがあるのにソフト(選手)を増やすことが出来なかったら、それは、引き継いだ世代の責任だろう。準備せねばならぬ用具に掛かる費用を下げるとともに、連盟に加盟し大会にエントリーするのに必要な手間を減らすことで、大道塾のみならず、様々な所属の選手が空道に親しめるようにしてこそ、その責任は果たされるに違いない。


美しきライティングにより試合が映えたことに加え、青空応援団のパフォーマンスや、白川竜次・神武錬成塾道場長を中心とした合気道の演武も、大会を盛り上げた。

 

2022 アジア空道選抜選手権大会 結果

入賞者。前列左から、熊倉彩夏(女子-220クラス3位、日本・大道塾新潟支部)、ダヴァジャルガル・プレヴジャブ、大倉萌、内藤雅子、谷井翔太、目黒雄太、遠藤春翔 、伊東宗志、モロムジャムツ・エンフバット(-240クラス3位、モンゴル)、後列左から寺阪翼、佐川 太郎、高橋直人(-250クラス3位、日本・大道塾仙台東支部)、イ・ウォンチョル、近藤瑞起、宮原穣(-260クラス3位、日本・大道塾東中野支部)、西尾勇輝、岩﨑大河

 

■男子

230以下:優勝谷井翔太(日本・大道塾横須賀支部)準優勝目黒雄太(日本・大道塾長岡支部)
240以下:優勝遠藤春翔(日本・大道塾総本部支部)準優勝伊東宗志(日本・大道塾日進支部)
250以下:優勝寺阪 翼(日本・大道塾総本部)  準優勝佐川太郎(日本・大道塾仙台東支部)
260以下:優勝イ・ウォンチョル(韓国)準優勝近藤瑞起(日本・大道塾岸和田支部)
270以下:優勝西尾勇輝(日本・大道塾大阪南支部)
270超: 優勝岩﨑大河(日本・大道塾総本部)準優勝長沢 新(日本・大道塾岸和田支部)

■女子

220以下:優勝大倉萌(日本・大道塾吉祥寺支部) 準優勝 ダヴァジャルガル・プレヴジャブ(モンゴル)
220超:優勝内藤雅子(日本・大道塾横浜北支部)

最優秀勝利者賞岩﨑大河

 

[■2022秋期全日本空道ジュニア選手権大会 ダイジェスト]

U16男子-68キロクラス決勝。熊谷慈英(青・大道塾仙南支部)は巧みな足技で佐藤歩(大道塾仙台西支部)からテイクダウンを奪い、優勝を決めた。大人(一般)ルールの技術への移行のステップを着実に踏んでいることが感じられた。

  

 

U19男子-240クラス2回戦。佐々木惣一朗(白・大道塾仙台東支部)が佐々木虎徹(大道塾吉祥寺支部)からパンチで効果を2つ奪い、勝利。U19クラスでは、決勝ならずとも、もはや一般カテゴリーと遜色ない技術戦が展開されていた。惣一朗は続く決勝で、佐々木翼(大道塾長岡支部)を下して優勝。それにしても佐々木姓が多い……。

2022秋期全日本空道ジュニア選手権大会 結果

入賞者。

U11女子 34kg以下優勝千葉紗空(登米)準優勝 相内結衣(青森市)
U11女子 44kg以下勝利者楯 らめる(岸和田)
U11男子 34kg以下優勝内藤雄星(新宿西)準優勝檜野 岳(仙台東)
U11男子 44kg以下優勝平山瑛人(多賀城) 準優勝三浦泉海(仙台西)
U12女子 42kg以下優勝相内美希(青森市)
U12女子 52kg以下優勝春本侑里(日進)
U12男子 42kg以下優勝佐藤蓮太(仙台西) 準優勝滝田隼汰(総本部)
U12男子 52kg以下優勝村山陽音(仙台西)
U13女子 42kg以下優勝廣田舞央(弘前)
U13女子 52kg以下優勝菊地菜々乃(仙台東)
U13男子 42kg以下優勝亀田 空(総本部)準優勝島橋陽也(多賀城)
U13男子 52kg以下優勝鈴木奏多(仙台西)準優勝佐藤大峨(総本部)
U16女子 43kg以下優勝五十嵐心桜(三沢)
U16女子 53kg以下優勝槻田ゆい(木町)
U16男子 48kg以下優勝坂本天音(塩釜)
U16男子 58kg以下優勝相原琉唯斗(仙台南)準優勝飛澤周希(盛岡)
U16男子 68kg以下優勝熊谷慈英(仙南)準優勝佐藤歩(仙台西)
U19女子 215以下優勝相内春花(青森市)
U19男子 230以下優勝曽山隆聖(岸和田)
U19男子 240以下優勝佐々木惣一朗(仙台東)準優勝佐々木翼(長岡)
U19男子 250以下勝利者佐藤裕太(横浜北)

※氏名の後ろのカッコ内表記はすべて「大道塾〇▽支部」の略。