中東アフリカ大会東孝旅日記

この旅日記は「東孝旅日記 東ヨーロッパ(バルカン)大会」の続きとして書かれています。

10月21日

08:00 ドヴァイ着 08:30 Matveyに会う。09:45ホテル着。チェックインまで待ち、やっと12:00 部屋へ。ギョ!1階か!!眺めが全くない!!支部長の部屋に行くと10何階で市内の眺望が素晴らしい !!替えようかと思ったが、部屋のタイプが違うのでできないとのこと。そのうちこっちも荷物をまた移動するのも面倒な気になったので結局そのままにした。メールチェックすると、入っている、入っている、その数なんと 2000。14:00 シャワーして仮眠-14:30、起きて又PC。

15:30 そろそろ禁断症状が出て来たラーメンを食べにガイドブックに載っているNudle Houseへ。件の ビルに入ったならイスラムのデスターシャと言われる例の頭からすっぽり布を被った服装をした男が「東センセイ!」と声を掛けてきた。見れば先々月頃「UAEの支部から来ました」と言って本部で練習をしていった人間だ。明日の試合の話をしてラーメン屋ヘ一目散。5日振りで飲む日本のビールは美味かったー!!
18:00 食事後ドバイタワーの40階まで登り市内を一望に見下ろすと、周囲1キロくらいの街の外は見渡す限りの砂漠だ!ここは植樹の緑が多いのでつい錯覚するが、砂漠の上に立てた人工の町である事を改めて実感。それではタクシーを拾って帰るか!は良かったが、日本の感覚で“流し”のタクシーを拾おうなどは甘かった!!18:30-20:00まで大きなホテルの前で待つこと1時間30分、やっとタクシーを拾い交渉し、何とか妥当な料金に決めたつもりだったが、ガイドブックの教える料金の3倍くらい取られていた。次は騙されないぞ!「人は失敗から学べる動物である」(作者不詳 笑)
20:00 ホテル着。入浴。チョット気になるメールに返信後、22:00 就寝。

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10月22日

02:30 一旦起床メールチェク。
06:00 脚が“ぱんぱん”なので、入浴し温めてから入念にマッサージ。06:30-08:00まで仮眠。08:10-10:00までトレーニング。11:00-12:00 ブランチ(朝昼食)

その後、15:00までプールサイドで遠征の楽しみである週刊誌+日光浴。普通はこれにビールが着くのだがイスラム圏なので夕方まで酒類は禁止。ホテル内にあるスーパーにも酒類は一切置いてない。
こんな事を書いていながら「お前が言うセリフかよ!」と突っ込まれそうだが、また宗教には縁のない私だがこれは良い法律だと思う。私のような自律力・自制心のある人間(笑)なら心配はないが、そうでない人間だと往々にして酒に負けてしまうからだ。日本でも昼間の酒類販売禁止賛成!!酒は我慢して飲むからなおさらにおいしく感じるものだ(笑)

競馬レースじゃあるまいし、「勝ち組」だ「負け組」だなどと、様々な形があって良いはずの人生を、単純に着順や賞金獲得額の「数字だけで評価する」ような非人情で無味乾燥なストレス社会。本人も余計な情報があり過ぎてすぐに他人と比較する、される癖が付いて常に不安の中に生きている情報社会。これが現代社会だ。チョットした障害や妨害にぶつかりペースダウンしたり、仕事なり人生なりの先が見えなかったりした時は、往々にして酒に逃げたくなる気も分かる。
一方勝ち組と言われている連中も同じようなものだ。子供の内からテレビ漬けで育ち、テレビに出るのが人生の目的になったり、成功だと思っている膨大な人間が集まり、幸か不幸か(実際)何かで注目を集めたのは良いが、その後の生き残りをかけて正に「生き馬の目を抜く」芸能界などで薬物依存者が多いのと同様だ。薬物より手軽に手を出せる酒を昼から飲めるとなればアルコール依存症が増えるのも当然だろう。
再度、日本でも昼間の酒類販売禁止賛成!!(日曜日以外は・・・・か? 爆)

15:00-16:00 神山支部長に体をほぐしてもらう「塾長疲れていますねー」って言われたって・・・。部屋に戻りメールチェク。
18:00-19:00 明日の試合の為に、日本ではあんまり詳しく考えていない選手や支部長に対し(笑&泣)審判のルールミーティング。
19:00-21:00 ウェルカムパーティ
-23:00 近くの姉妹ホテルに移動して一杯、と気軽に考えたは良いが何処も彼処も「昼夜分かたずの突貫工」で車でしか移動できない。24:00 就寝。

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10月23日

05:00 起床、かなり寝た。枕が2個だが、一方は低過ぎ、一方が柔過ぎで首が寝違え、肩が凝る。昨日、突如として「大会の開会式はどうするのでしょう?」とのマタエフ支部長の“素朴な”質問に、驚愕した!!!ことを思い出した。大会の選手集めの資料は送ったが、そのご何も聞いてこないのは「ロシアの支部で練習していてUAEに移住してきたMatveyだからロシアの支部からでも聞いて進めているんだな」と安心していたから、“泥縄式”も良い所で、欧州大会などを参考に大会進行表を急遽、作成しメールで送った。

08:40 朝食。09:30-10:00 仮眠後、今度は12:00までルール説明の雛型をUAE 用に変更、ビジネスセンターでプリント。12:00-12:30ホテル内のジムでルール説明の演武の打ち合わせ。13:00アルメニア支部長と会見。ドバイのこの期間はコンピューターの展示会があり中東のすべての国から人が集まっているので市内ではホテルが取れずにタクシーで3時間掛る宿をとったらしい。高すぎるこのホテルでさえ空き部屋はないから、気の毒だがどうしようもない。

勇気を持って大会開催を決意してくれたMatveyに協力の積りで「審判4人分は旅費宿泊費は日本側で払うから」と、支部長たちにもいくらかは負担してもらったのだが、旅費はガソリン高騰のあおりを受けて普通の2倍以上。宿泊費はなんと一人1泊$250で計算されている!!時、すでに遅しだが、「こんなに良いホテルでなくても良かったいのに・・・。」
13:30 昼食。足が相変わらず張っているので足だけ浴でマッサージ、大分凝りも引いて来た。

14:20-15:00 ウェイトチェック会場へ、身長と体重の両方を同時に測れる計測用具があった!通販で売っている運動器具のカロリー計器的で正確度は低そうだが、良い品質のものがあればこれは便利だ!16:00まで計量+ルールミーティング(「ヒールホールドは?」などの質問が次々と出る)
17:30 帰宿、仮眠(「凄い鼾だった!」らしい。)。
18:20-19:00 日本レストランへ、前回の遠征時に打ち上げパーティを開いた所と勘違いしたようだ。日本食は食材の確保が難しいとのことで世界のどの国でも高いがここも例外ではなかった。所が、現在ドバイで仕事をしているのだろう作業服姿の日本の建築会社の一行は夕食感覚で食べている。さすが!!

21:00 昨日で“学習”しているから、要領を覚えたので、今度は「それなりの対応で」すんなりとタクシーを拾え満足のゆく値段でホテルへ戻って前回の遠征記で確認した所、今日の店は別な店だった。道理でバカ高かった訳だ(泣)。
21:30 メールチェックするが、同じのが何度も入っている!!消すのに小一時間。
22:30 就寝(首から来てるか、何か疲れてる)。 

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10月24日

一旦00:30に起きたが眠くて二度寝後。枕をソファークッションに変えたので少しは良くなったか?
01:45 起床。PCチェックしたが今朝はジャンクは入ってないが、次の遠征スケジュールを決めるための待っているメールも入ってない。スタンドの光が目に入り眩しいので立ったまま日誌を打ち込むが、今度は腰と膝が痛くなって来た!!ガタが来ているなー、を実感。しかしメールは相変わらずで03:15までの1時間半で何も入って来ない、おかしい。3:30まで日誌を続けて再度チェックするが変化なし、不貞寝!

6:00起床7:30集合、8:00出発。10:30着。11:00試合開始、だが、全く進行準備がない。急遽あれだこれだと間に合わせて開会式。今回の大会は空道への関心が高まっている中東・アフリカ地区の希望者に空道の試合を見せることで加盟に弾みを付けることである。第2にはレスリングの長い歴史を持つイラン、クエートの力を見たかったこともある。

イランは10年ほど前に支部を認可したが、支部長の義務 (登録、段・級の本部申請、世界大会への出場等々)等などのも履行を何度迫るが馬耳東風と聞き流していた。仕方がないから3年前に更迭し、新任の支部長が就任した所、その元支部長、こちらが手荒な事をしたくないと手控えていたのを勘違いし「高を括っていた」のだろうが、遂に法的手段を取られるに至って慌てて「あなたの忠実な弟子」などという笑い話にしかならないメールを(最後は迷惑メールとして何百通も!)送ってきたが「時既に遅し」である。

今までは大道塾の名前で塾生を獲得してきたので、何とか名称の継続使用をするために、大道塾支部長の名前で築いてきたイラン空手界での名前や地位を利用して新任者に様々な妨害抵抗をし始めた。そんな訳で今回は残念ながらイランからは出場できなかった。この元支部長は勝手にアイルランドや、スウェーデン、オーストラリアなどで大道塾を僭称している。 これはイラン高裁で既に大道塾、空道、等の名称使用停止を判決されているので時間の問題だが。

一方のクエートは柔道出身の支部長の子供がまだ若干17歳(来年は18歳)ながら寝技に秀でたものを見せ、大人を相手に2勝1敗で2位に。

日本選手は軽量の川上が技術では圧倒しているが、日本人なら効いて倒れているであろうパンチや、蹴りが入ってもびくともしない体力で前進してくるカザフスタンの“2番手”アイベックに手こずった。力だけではなく探りで蹴る左内ローに合わせてくる右ストレートや、筋肉に裏付けられた上体から繰り出される回転の速いパンチの連打。川上が組んで、日本人なら転倒させていたろう、足掛け技でも中々倒れない。態勢が崩れ倒れるにしても同時に相手も引き込む。寝技で下になっても物凄い力で跳ね飛ばす、引っ繰り返しに来る、等など、案の定力の差を見せつける。後半カウンターの膝がきれいに決まってかろうじて動きが止まったが、あれがなかったなら印象点で厳しかったろう。

250以下級の時任は相手も同じような業師タイプのレドワン(「2007第一回欧州大会」で優勝。ベルギーとモロッコの二重国籍者)なのでやりやすかったろうが、パンチの応酬では打ち負けるシーンが何度かあり、差は殆どなかった。

260以下級の佐々木、このクラス上述したようにイランからのエントリーがなかったので260超級と合体。1回戦は柔道や柔術がベースのクエートの超級の選手と対戦。レスリングが土台の佐々木だが力が違う。いつもの様には攻めきれない。それでも初めての顔面は怖いと見えて、接近で頭突きや肘を決めて優勢勝ち。
2回戦も260超級のSyriaのフルコン経験の選手。やはり思ったとおり、相手は顔面の経験が殆どないが地力が違う。初めは怖がっていても何発か打たれて“興奮モード”にスイッチが入れ替わり打ち合いシーンになるとヒヤッとする場面もあった。この選手が一番の対抗馬だと思っていたが一発二発顔面を貰ったならあろうことか!!マスクを外して試合放棄してしまった。チョッと拍子抜けしてしまったが、怖さが通じるのも初めだけである。後でこの試合を振り返って「叩かれても一発に発で倒れるわけではないんだ」と感じてからが本当の闘いだ。この選手は初めてのルールで試合に臨んだ、ということはそれなりに自信と実績を持った選手なはずだ。このままでは引き下がらないだろう。

菅原智範は初めての海外遠征、初めての海外選手との対戦で見るもの、聞くものみんな初めてという条件だったが、気後れすることなく終始積極的に攻めていた。ただ、国内戦では多少叩かれても前に出て行く試合姿勢は良いが、対外国人にそれをしたのでは体が幾つあっても足りない。試合が決まってからアドバイスしたが、右嘗底で相手の左ジャブをキャッチボールするような感じでストッピングして、次の右ストレートを(もしくは初めから来る場合もあるから)左腕でブロックして、すかさずリターン(右のスト、フック、アッパー、肘や頭突き)を返す癖を付けるだけで、かなり試合が違ってくるはずである。もっと練習時間がとれるなら、身長からいってもっと減量して、少なくとも260以下で戦う方が体に無理はないのだが・・・。

ただ、初めから試合強者を目指して強くなるためには練習中心の生活を!と若いころに入門してくる者と、菅原のように仕事をしながら体力も鍛えたいと入門し、その内少しでも強くなりたいと続けている人間の場合、前者は体重増加や筋肉量に敏感になる習性が付いているが、後者はどうしても年齢に従って体重増加は避けられない。試合中心の発想で一概にそうも言えないところだ・・・・・。

今年、国内の地区大会で度々言ったのだが「『日本人は力では勝てないから技で勝負しなければ』、というのは当然のことだが、それは『体力養成を後回しにして良い』ということではない。それは逆にいえば、彼ら外国選手が『技では勝てないから体力で勝負しよう』などとは思わない!!のと同じことだ。元々体力のある彼らが年々技を磨いてきて『技中心で体力のない日本選手』に襲い掛かる試合を見ることが多くなった最近、先達の言葉を改めて引用したい『技は力の中にある』!と」

とここまで書いたが、段々通常業務に近い仕事がメールで降ってくる(!)ので、ここで力尽きた。あとは今回同行した選手や支部長が既に紹介してくれているので、今後の同行者がレポートを書く際の参考までに、備忘録のみ残してして、The End ! としたい。

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10月25日

9:00- メンバー待ち 9:30 出発 11:48 会場着
12:00-14:30審査 15:20出発 17:30着
20:10発、20:30-11:00 寿司 23:30-02:00 カラオケ 02:30 ホテル 03:00 就寝

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10月26日

06:45 起床 メールチェク後二度寝 8:45-9:30 朝食、日誌 11:00-14:00 テレビ局でインタビュー 16:00 サファリへ 21:20 ホテル着

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10月27日

12:25 ドバイ発 17:00 パリ着 18:05 パリ出発

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10月28日

14:00 成田着。
2週間ほど間隔があって11月11日からのエジプト、イギリスがあって、愈々、今年最後のニューヨーク遠征が19日からか・・・・・。

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