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小休止の後は、テクニック講座のパート。
マットの中央で威風堂々と講師役を務めるのは「空道界のリビングレジェンド」小川支部長です。
実は小川支部長、始まる前は「こいつら、俺のこと、どんだけ知っとんやろか?」などと非常にネガティブなことを言っておりましたが(^^;)、今回のセミナーポスターにも堂々「世界チャンピオン」として顔写真が載っております。ましてや空道をやっているものとして、彼の顔と名前を知らないなんて当然あるわけがありません。セミナー参加者皆からの熱い視線に発奮し、ノリノリでデモンストレーションをやっておりました。(^^)相手役を務めた佐藤支部長、通訳を務めた土田フランス支部長もお疲れ様でした。m(__)m

4時間コースの長いセミナーも、そろそろ終盤です。このまま小川支部長の指導で終わるんだろうと思っていたら(※だから私は隅っこでおとなしくしていられるつもりだった)、塾長のお声掛で「各先生からも、それぞれテクニックを一つずつ紹介してもらいます」という話になりました。
さぁ困ったな。こういうときの為のいくつかの技の引き出しは普段から用意してあるんですが、それまでのセミナーの流れから説明しやすいもの、しにくいものが出てきます。

ここまで小川支部長は立ち技打撃をメインに技の紹介をしてきました。最初「じゃあ寝技でもやろうかな?」と考えたのですが、高橋師範から「俺は後で寝技をやるから、慎二からやって」と先に言われてしまいました。皆考えることは一緒です(笑)。
となると私もここで変に寝技をやって、高橋師範が後でやるつもりだった技と被ってもいけません。打撃はここまで小川支部長がいろいろとやって来ています。となるとベストの選択は「投げ」ないしは「投げを含むコンビネーション」ということになります。

元々、今回のセミナーに向けて「慎二、お前も何かやれ」といわれた時に考えていたのは、相手=左、自分=右のケンカ四つの組みでの、変形の大外刈りor大内刈りでした。これはいつも塾長が「空道の投げの基本として左の首投げ」を指導されるので、あえてそれのアンチテーゼとしての右組み、右投げを紹介しようかなと考えていたんです。
あえて基本から外れる技を紹介して、「でもこの技にはこんなメリットがあって、これはこれでとても有効だよ。いろんな技があるけど、全部の技を身に付けるなんてできないから、それぞれのメリット、デメリットをよく知って、その上で自分なりの戦略を考えて、それに合った技をチョイスしてね。頭を使わないやつは強くなれないぞー(笑)」なんて形にまとめようかな、と考えていたんですが、でも今回は(そのある意味前提となっている)左の首投げは紹介されていません。そこから説明するとなると、かなり間延びした形になるので、あんまりうまくはありません。また、この投げ技を打撃と絡めて紹介しようとすると、(私が考えている展開の中では)左肘のブロックが出てきます。先に言ったとおり、私の左肘は今、非常に調子が悪いので、それは出来ればパスしたい。
で、結局、私が選んだのは「何か一つ」と言われた時に一番紹介しやすい技、別の言葉でいえば「空道らしさを最も表現しやすい技」として普段からやっている「打撃から、片襟片袖の掴みに入って引き崩し、更にそこから打撃で崩して、最後に投げ→極め」という技でした。で、はい、これを読んで、勘のいい皆様は既にお気づきですね。「片袖、ないしは片襟の引き崩しと打撃技とのコンビネーション」と言えば、、、、そう、これは「小川スペシャル」として有名なテクニックなんですね〜(爆)。もちろん私が紹介した技も全く同じものではないんですが、まぁ言い切ってしまえばその根幹部分は同じです。無謀にも、そんな技を本人を前にしてやることになってしまうとは、、、。
終わった後で「何かどっかで見たような技ですね」と小川支部長からもチクリと言われてしまいました。(^o^;)ゴメンネー
まぁでも技に特許や商標登録はありません。優れた技が真似され、一般化されて普及していくのは当然のことです。「オリジナル」としてのリスペクトは十分以上にしているので勘弁してね。ね、小川支部長?(^^;)

さて長かったセミナーも無事終了。
暑い体育館で動き続けた私達は、もう喉がカラッカラ。「ビールが俺を呼んでるぜっ!」ってな感じです。レストランに移動して、早速乾杯。「タワー」と呼ばれる簡易サーバーから注がれるビールは、渇いた身体の五臓六腑に染み渡り、最高に美味いです。5リットル入りの大型タワーがあっという間に空になりました。豚足の料理、その他も大変おいしゅうございます。(*^^*)

一仕事終えた充実感で、皆、ハイテンションで飲み食いしています。中でも田中君は、えらい盛り上がってトーマスと話していますね。ちなみに、もちろん両者のやりとりは英語です。実は田中君、セミナーの途中では「英語ができないので、何をどうやって指導したらいいのか分かりません」なんぞと気弱なことを言っていたんですけどね。その時には「大丈夫だ、そんなの。言葉で説明しなくても、動きを見せれば分かるから。間違ったフォームを見せて『No tlikethis.(こんな感じでなく)』。正しいフォームを見せて『Like this.(こんな感じ)』。とにかくそれだけでも通じるから頑張れ!」と叱咤激励したんですが、彼の立派なところは、それを素直に実践するところです。その後は自分なりに頑張った様で、セミナー終了の際には「いやー、何かテキトーに単語を並べているだけでも、結構分かってもらえるもんですねぇ。そうだよなぁ、別に受験英語じゃないから、意味が通じりゃあいいんだもんなぁ」なんぞと開眼したようなことを言っていました。で、一旦、自信さえ持ってしまえば、元々が天下の一流大学=早稲田の学生です。「英語ができない」なんて、そんな訳はありません。
あれからわずか数時間。今では「単語を並べれば」どころのレベルでなく、普通に会話をしています。事務局長をして「田中君は何か日本語でしゃべるときより活き活きしているわねぇ」等と言わせる位のノリで、大好きなMMAの話題でトーマスと2人、盛り上がっておりました。(^^)

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