キプロス遠征
キプロス遠征レポート笹沢一有(関西本部) 撮影:東由美子
はじめに

押忍、関西本部の笹沢です。
10月19日から23日にかけてキプロス遠征に同行させて頂きました。
はじめはキプロスと聞いて、恥ずかしながらどこの国かも分かりませんでしたが、行ってみると想像だにしなかった楽園でした。
セミナー実施を1日にぎゅっと詰めたスケジュールとキプロスへの感動のあまり、ただの旅行記かのようになってしまいましたが、以下に遠征の様子を報告させて頂きます。

一日目(10月19日・20日)

金曜の仕事を終え、一路関西空港へ。
23:40発に飛び乗り、まずはドバイを目指します。(金曜夜出発は、図らずともサラリーマンにはやさしい遠征でした。)
出発から10時間の空の旅を経て、先生一行とようやく合流。
中村はなんと仕事スーツのままでした。
仕事疲れのためか大変疲れた様子の中村でしたが・・・
機内のワインが効いちゃっただけですか。そうですか。

ドバイから更に飛行機で5時間、キプロス島に上陸です!!
ラルナカ空港を降りてびっくり。ザ・真夏・・・。おそるべし地中海。
ヨーロッパだから寒いかと勝手に思っていましたが完全に服のチョイスを間違えました・・・。

空港を出ると、ホストのテオドロスさん、アントニウスさん、ピエリスさん等が歓迎してくださいました。
みなさん、マジメでいい人そうで、何よりです!
今回の遠征、仄かに「当たり」の予感がしてまいりました。ラルナカ空港からセミナー開催地のパフォスまで、1.5時間のドライブ車窓。

テオドロスさんの車で、セミナー会場のパフォスへ。
約1時間とのことでしたが、まぁ1.5時間はかかりました。
しかし道中は退屈しらず。
どこまでも青い、空と海。それらと、白い大地のコントラスト。
嗚呼、これぞ地中海。そう思わせる景色の連続でした。

ホテルに着いて、やることはひとつ。
部屋行く前に海パン買って・・・いざ地中海へ!!!!
散々泳いで中村と男二人はしゃいで、完全に周囲からは浮いておりました。
なぜこうも、地中海ってやつはテンションが上がるんでしょうか。
先生もいらっしゃり、記念撮影。

暗黙の合意「アレ、やりますか。」で、かつての合宿風景を再現です。

ディナーはキプロスの伝統料理を食べさせてもらいました。
とにかく肉のオンパレード!
豚とラムを中心に、塩で味付けてキプロスレモンを垂らして頂きます。
イメージしてた地中海料理となんかちがう!?と思いつつも、大変美味しく頂きました。
ただ、時差6時間は結構きつかったです…。
(ここまで空道していませんね。移動日ということでご容赦ください。)

二日目(10月21日)

時差の為夜明け前に起床したので、海辺を散策してみることにしました。
日本に限らず海辺って、なんだか独特の香りがするものですが、キプロスの海はほぼ無臭で・・・強いて言えば潮のまろやかな優しい香りがします。
街にも、その優しい香りが充満しているのが、キプロスのひとつの魅力のような気がしました。

テラスで先生と朝食を取っていると、猫がいっぱい寄ってきました。
キプロス島は知る人ぞ知る、猫の島。
後で聞いた話ですが、大昔は蛇だらけの島で、駆除するために猫をたくさん放したことに由来するそうです。

セミナーの前に隣国ギリシャ支部のメンバーが来訪し、応対に記録係として同席させて頂きました。
随分ワガママな要求をしてくる人もいるもんだなぁと驚いてしまいましたが、
見事に落とし所を探って解決する先生の交渉は勉強になりました。

11時よりいよいよ空道セミナー開始です。
会場は、小学校か中学校のアリーナで、60人程の受講者が集まっていました。
キックボパンツを穿いている人もいれば、柔術着を着込んでいる人もおり、いでたちはバラバラです。
複数の団体が集まっていたようで、バックグラウンドを聞いてみるとムエタイと、(ブラジリアンでない)柔術が半々といったところでした。

中村と2名で先生をサポートしつつ、審査体系の指導を中心にセミナーを実施しました。
10分の休憩2回を挟んで、トータル5時間の長丁場でしたが、どの生徒も本当に熱心だったことが印象的です。

ジュニアは約10名参加。

特に打撃の約束組手、立ち組み、投げ、寝技については質問ありのフリースタイルで指導しましたが、 小学生くらいの子どもから50代の大人まで、たくさんの質問をしてくれました。
今現在の彼らの技術は発展途上ですが、その分技術に対する渇望がすごい。
渇いた砂漠に水を注ぐが如く、そんな感じでした。
諸先輩方が仰るとおり、体力に勝る外国勢がより高い技術を身につけたら・・・。危機感を新たにしました。
セミナー後はみんなで記念撮影。
武道を通じて得た仲間は、貴重ですね!!

夜は、現代のキプロス料理!ということで今度は魚三昧。ケーオビールとワインで乾杯!
やっぱり島国だけあって、魚が美味いです!!
キプロスではイチジクがよく食べられているそうです。
確かに日本のそれと違って甘味が強く美味でした!
しかしそのうち一つにイモムシが入っていて…間違ってそれを食べちゃったアンドレアスさんは、何故かその後30分以上は爆笑し続けていました・・・。

三日目(10月22日)

3日間の滞在も、最終日です。
荷物をまとめて早々にチェックアウトし、お土産調達と遺跡見学へ繰り出しました。

海に突き出た岬の上には、二千年以上前の遺跡が無造作に広がっていました。
そこから見渡す景色は、写真に納まらない壮大なパノラマでした。
空港への道中立ち寄った旧パフォスの海岸は、ギリシャ神話のヴィーナス生誕の地に相応しい絶景だったように思います。

早めに空港に着いたため、ホストのテオドロスさんはここでしばしのお別れです。
我々を接待頂いた3日間、何から何までお気遣い頂きまして、この場を借りてお礼を申し上げたいと思います。
(日本語だから通じないかもしれませんが・・・)
「普段気を遣うことがないから、頭痛になっちゃった。」と途中打ち明けてくれる程、気を遣ってくださいました。なんだか申し訳ない気持ちです。

おわりに

本セミナーを通じて出会ったキプロスの方々に共通して言えることは、誠実かつ朗らかな方であるということだと思います。
その誠実さはきっと、技術の習得をはじめ、武道の鍛錬の助けになるものでしょう。
今回先生の蒔いた種が大樹となる日を期待して、遠い地から応援し続けたいと思います。

最後になってしまいましたが、このような貴重な機会を与えてくださった東先生に重ねて御礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。
また、通訳・撮影・諸々の手続きを一手に引き受けてくださった由美子さん、きれいに技を受け続けてくれた中村、歓迎してくれたキプロスのみなさん、ありがとうございました。
今回得た貴重な経験を公私ともに活かし、引き続き精進いたします。
押忍。

笹沢一有(関西本部)

更新日2012.10.31

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