イギリス遠征
イギリス交流試合、セミナー神山信彦(日進支部)※文、画像

今回のイギリス遠征全体の所感を報告いたします。

6月8日から12日まで、イギリスはスラウという町で、セミナー、審査会、ヨーロッパ諸国(リトアニア、スペイン、イタリア、スロバキア、ポーランド、イギリス)と日本との交流試合に同行させて頂きました。

今回の遠征地となったスラウは、ロンドンから北へ車で1時間、ヒースロー空港からは車で15分のところに位置しているイスラム系移民の多い町です。
我々は、到着後すぐにスラウに入りました。到着後2日目から、セミナーと審査会、交流試合が行われました。どこの国のセミナーでも感じることは、参加者が皆真剣に取り組み、少しでも吸収しょうとする気迫です。日頃接することのない日本人や、塾長から直接指導を受けられるということがその理由の一つかと思います。日本と状況は違うので安易に比較はできませんが、海外で行われるセミナーと、現在日本で行われているセミナー形式の夏期合宿などを比べると、日本人の中に外国人の様に真剣な眼差しで取り組んでいる者が何人いるかは疑問が残るところです。

セミナーと審査会では、まだまだ基本がしっかりと出来ていない者が目立ちました。立ち方やステップの踏み方など、経験が浅い者は別として、緑帯以上でも我流に近く、癖が抜けない者も多くいるように感じました。しかし組手になると、小手先の技術より力で押し切るといった外国人特有のスタイルが見られました。そして力がある者が有利に組手をリードしていました。「技は力の中に有り」といいます。ある意味、その通りだと思います。昔の様に稽古か筋トレか、どちらが主かわからない時代もあり問題視されてきましたが、現在の選手は、稽古量が少ない事に加えて、最低限の筋トレさえも十分にできていないことが問題であると感じます。ある程度の筋トレ、特に来年の世界大会に向けての体づくりは絶対に不可欠です。特に首の強化は必要だと思います。

さて、予定より延長した午前のセミナーと審査会の後、交流試合を行いました。交流試合全体を通して、リトアニアチームが突出していたように思います。それ以外の選手の試合は、まだ荒削りで、力任せで押し切る場面などが多々見られました。日本から代表として参加した中村選手は、2回戦まですべて1本勝ち。決勝はリトアニアの選手と戦いましたが、2本の効果を先取し、優勝の栄冠を掴みました。しかし、全試合実力を出すまでもなく終わってしまったように思います。

同日に、少年部の試合も各クラスワンマッチ形式で行われました。入退場の挨拶から試合前選手の準備不足まで、課題の多く残る試合でした。特に試合における礼法の徹底が急務だと感じました。

今回のヨーロッパ交流試合では、選手層が世界大会レベルの選手から、入門間もない選手と様々で、レベルの差が目立ちました。しかし、レベルの差はあるものの、今後もこのような大会を重ねていくことは、ヨーロッパ諸国の選手レベルの向上につながると思われます。

先にも述べましたが、日本国内の選手も技術論ばかりではなく、ある程度の体力は必要で、ウエイトトレーニングは必要不可欠です。そして、打たれ強さや打ち負けない力は必要です。今回も交流試合であったとはいえ、外国人の組み手を目の当たりにしながら、再度その必要性を痛感しました。

昨今の、海外での空道の発展、選手レベルの向上には目覚しいものがあります。それはヨーロッパ各国も例外ではなく、さまざまな国と地域に空道が広がり、国を越えての交流試合も積極的に行われています。そして各国の選手レベルの向上がみられます。今回の交流試合でも、レベルの高い選手が数人見受けられました。リトアニアの選手が頭角を表してきたと感じます。昨年の遠征時にも感じたことですが、来年開催の世界大会では、リトアニアの選手が上位に食い込んでくるであろうと思いました。

その後の懇親会において、選手と直接話をする中で、来年の世界大会に向けて照準を合わせている選手が少なからずいることがわかりました。既に世界大会は始まっています。日本国内の選手も、世界大会に向け体力づくり等の準備に取り掛からなければいけないと痛感したヨーロッパ交流試合でした。

帰国前日は、ロンドンまで移動しロンドン観光をしました。二階建てバスや地下鉄に乗り、そして徒歩で巡ったロンドンはとても感動的でした。僅かな時間でしたが、肌でロンドンを感じることができました。

今回、事務局として同行した由美子さんには、道中お世話になりました。ガイドブックを片手に、ロンドン案内、ありがとうございました。遠征時には事務局をはじめ塾長には、いつも大変お世話になります。今回も大変お世話になり、本当にありがとうございました。同行した狐崎支部長、品野支部長、佐藤支部長、本部職員中村君、ハプニングもありご迷惑やご心配をお掛けしましたが色々とありがとうございました。また、留守を預かってくださった支部塾生や家族に、この場をお借りして感謝申し上げます。

神山信彦(日進支部)

更新日2013.6.17

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