多賀城支部 中川です。
4月17日から21日までオーストラリア遠征に塾長、事務局長と
コノネンコ先輩、伊藤支部長、キーナン選手、目黒選手と共に同行させて頂きました。
オーストラリアの空道事情については、コノネンコ先輩の過去の遠征記※1 やご本人から評判も聞いていたのですが、現地でさらにポテンシャルの高さに驚かされることになりました。
※1 2013年3月「オーストラリア遠征報告」アレクセイ・コノネンコ
今回のキャンプ(合宿)はAIS(オーストラリアスポーツ研究所)という場所で行われたのですが、この場所は国家スポーツ施設としてオリンピック選手の強化施設として使われており、空道は非オリンピック競技として唯一この施設を使う事が認められております。
しかしオーストラリアの空道人口はまだまだ発展途上であり、認知度も低い現在何故このような施設を使う事が出来たのか?
現在夏のオリンピックでオーストラリアはメダル総数が常にベスト10に入る成績をおさめています。
しかしコンバット競技と言われる、柔道、ボクシング、テコンドー他ではあまり良い成績を残せてはいないらしく、そこでコンバット競技に力を注ぎメダル総数の飛躍に繋げたい国と、オーストラリアで空道の普及を進めたいポール支部長の考えが合致し、今後オリンピック競技になる可能性のある空道の選手強化を推し進め、正式競技になった際メダルの獲得に繋げたいということから、非オリンピック競技である空道が施設を利用できることになりました。
(日本ではまず考えられないことですね)
施設には8000人収容できるホールもあり、ポール支部長は2年後のワールドカップ※2 はここで行うと、積極的にロビー活動を行っていました。(笑)
魅力的なのは宿泊施設から会場まで全てが揃い、大会期間中移動無しで行える事ではないでしょうか。
※2 空道ワールドカップ。第1回は2011年2月モスクワにて開催。
さてセミナーには30名程がfacebookを通じて集まり、1日目昼は基本稽古、移動稽古、投げ、寝技を行い、さらに自主的に夜2時間程、コノネンコ先輩の技術指導が行われました。
オーストラリアの選手は、MMA、柔術を並行している選手が殆どでグランド主体の選手が多く見受けられます。
2日目は午前中が審査、午後から日豪親善試合が行われました。
キーナン、目黒両選手の試合内容は本人がレポートすると思いますが、外国人選手のパワーと戦法に思うような試合ができなかったように感じます。全体的に見ると、MMA、柔術を経験している為、ワンパンチで突っ込みグランドに持ち込む展開が多く見受けられました。
やはり対世界では、私自身も経験しているのですが、勝つ事を考えた場合どっちが打たれ強いでしょうは避けるべきで、躱(かわ)して見えないところから打つことを徹底的にやるべきではないでしょうか。
もう一つは外国人の場合勢いで突っ込んでくる選手が多い為、勢いを利用した投げ技や、カウンター、投げられた後のポジショニングというのが重要になってくると思われます。
両選手とも今回の結果にショックを受けていたようですが、世界大会前に海外勢と試合が出来たのは今後に良い影響がでるはずです。期待しています。
その日の夜は日本・豪州親善カラオケ大会が行われ、試合の緊張感から解き放たれ大いに盛り上がりました。
しかしその大いに盛り上がったカラオケ店から出て直ぐ、今回の遠征最大の事件が巻き起こることに。
オーストラリアでは強い酒をストレートで飲む習慣なのか、皆さんウオッカをガンガン飲んでいたのですが、コノネンコ先輩も例外ではなく、フラフラになるまで飲んでいたのですが、それを見てオーストラリア在住の日本人黒帯マサさんが
『今のコノネンコ先輩だったら、勝てるかもしれない』と
ふざけて組み付いた瞬間、狭い階段の踊り場で投げ一閃!!
フラフラでも強かったですね〜。
タクシーの中でこれは戦争だと言っていました。
次の日は全く記憶がなかったようですが・・・。
暴君アレクセイ(塾長コメント)
日本では「仰げば尊し」で終わる所だが、世界版では「What’a Wonderful(Kudo)World」!(塾長コメント)
そんな事件もあって最終日は、午前の審査結果発表を終え午後はキャンベラを観光。夕方シドニーへ出発。
シドニーでは最後の仕事、塾長と目黒選手と私で雑誌の取材があったのですがこれがまあ長かったです。がオーストラリア最大の格闘技雑誌の表紙?と特集ということで、塾長にやられている私の表情が空道の普及に繋がれば喜びひとしおです。(雑誌社から塾長に技をかけられ、やられている顔を大げさにつくってくれと、注文有り)
約2時間の取材も終わりオーストラリア滞在中、AIS以外初のディナーと、本当にこれは素晴らしかった、シドニーオペラハウスでの乾杯!!ハーバーブリッジ、オペラハウス夜の景観は本当にお薦めです。海外旅行の際は是非。
あっという間に過ぎた4日間でしたが、ポール支部長が普及に力を注ぎ、国と一体で活動するオーストラリア空道は近い将来旋風を巻き起こす可能性は高いと思われます。
これは私見ですが、第5回世界大会までに選手強化はもちろん、空道普及に繋げる案を支部レベルではなく、日本全体で考えていかなければ世界に取り残されてしまうでしょう。
そして今年の世界大会。
現在の北斗旗上位選手が新興国に苦戦する現実をしっかりと受け止め栄冠を取り戻せるよう、各自が大道塾塾生であることに責任と自覚を持ち、努力邁進していって欲しいと思います。
やはり世界を見るのは刺激になりますね。
また機会があれば、どこかの国へ行ってみたいです。
実は、私が稲垣先輩と行ったコロンビア※3 の盛況、志田選手と行ったエストニア※4 の盛況と仙台四郎並の活躍(仙台四郎についてはWikipediaを)オーストラリアも必ず盛り上がる事でしょう(笑)
※3 2004年11月「コロンビア遠征記」
※4 2003年11月「(東孝旅日記)エストニア遠征記」
最後になりますが塾長、事務局長、貴重な機会をありがとうございました。本当にお世話になりました。
また、コノネンコ先輩、伊藤支部長お世話になりました。
キーナン選手(試合で怪我、今回は鬼難、そして石原良純似)、目黒選手(私とお父さんの年が2つしか違わない)、全日本、世界大会での活躍楽しみにしています。
私も今回の遠征を励みに、より一層の選手強化と、空道普及に繋げて行きたいと思います。
ありがとうございました。
2014.4.30更新