レポート

2022 全日本空道体力別選手権/全日本空道シニア選抜選手権大会 リポート

文 全日本空道連盟広報部

写真 牧野壮樹・朝岡秀樹・はいちーず

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[総評]

当初は1月開催の予定だったところ、コロナウィルス蔓延防止のため、延期のうえに予選なし、大会前日に全出場選手に抗原抗体検査を行ってのオープン大会としての開催となった今回の全日本。「社会体育」を標榜する競技だけに、競技者の大半は、一般企業等に勤務する社会人であり、現在の社会状況のなかでエントリーできた者は多くはなかった。さらに、創始者・東孝大道塾塾長が昨年2021年春に亡くなり、後を託された長田賢一・第2代塾長はイギリスでのセミナーからの帰国時にコロナ感染が発覚し現地施設にて隔離されることとなり、今大会来場ならず。果たして従来の競技レベルの展開がみられるのか? と心配されたが……。V7の記録を懸けた目黒雄太、MMAから帰還の岩﨑大河、キックボクシングから帰還の大倉萌は、期待に違わぬ闘いぶりをみせ、それぞれ、優勝を遂げた。

一方で、

・この4月にU19でジュニア全日本選手権を制した選手が複数名、活躍

・シニア全日本選手権を制した選手が一般全日本に転向し、活躍

・全日本出場経験のある親をもつ選手が複数名、活躍

といった現象もみられ、この競技が、世代に渡り、ジュニアからシニア(子どもから壮年)に渡り、深く根づいた独自の文化となりつつあることも感じた。

無着衣総合格闘技やグローブ打撃競技との行き来が可能な「技術共通性」もある一方で、この競技独自の技術もアートの域に昇華しつつもある。いってみれば特異な生態系をもつ南海の島のようなもの。受け継がれた独自のフォルムで島のなかを闊歩し続けることに誇りをもつことも出来れば、島から出て大陸に渡るための基盤を、その島の中で養うことも出来るのだ。

閉会式では、高橋英明・全日本空道連盟理事長から「9月にブラジルで開催されるパンナム大会に1名、10月にイタリアで開催されるヨーロッパ大会に2名を派遣し、国内予選大会→11月の東アジア大会(仙台開催)を経て、それらの結果から、来年の世界選手権の日本代表候補を選出したい」という計画が発表された。

これまでの世界選手権において日本代表は各階級4名選出されていたが、2023年大会は国際社会の現状から考えて、各階級2名となる見込みだという。コロナ禍による目標の定まらない時期を経て、いよいよ熾烈な椅子の奪い合いが始まる。

 

[試合ダイジェスト]

■男子-230クラス

目黒雄太が2015、2016、2017、2018、2019、2021年に続き、全日本‐230クラス7連覇を達成。空道史上、同一階級の連覇としては、1993~1997年に同じ-230クラスで小川英樹が達成していたV5の記録を既に抜いており、小川の達成した「全日本(2階級併せて)7年連続優勝」の記録にも並んだかたちだ。2020年に全日本選手権が実施されなかったことを考えれば、かぎりなくV8に近いV7といってもよいだろう。次の全日本でも優勝すれば並び立つ者のいない記録となるし、あと3年優勝を重ねればV10 の大台に乗るわけだが、本人は「記録とか考えちゃうと、負けたときに心がヤバいんで、勝てたらいいなくらいの感じで考えています」と、気負いはない。今大会で対戦した佐々木龍希ら後輩たちに対してはまだ脅威は感じないのか? と訊いてみると「そんなことはないです。速いなって。まだ試合慣れがみんな出来ないのかなって、そこらへんが慣れてきたらすぐに強くなるとは思うんですけど、出来る限りは壁になりたい」とのことで「とにかく世界(選手権)に出たい。勝ちたいですね」「世界チャンピオンになって終われたら、選手としては一番良いのかな、とは思っています」と記録更新よりは、3度目の出場での世界選手権制覇に拘りをみせていた。特に前回世界選手権優勝者のウラジミル・ミロシニコフに2回戦で本戦引き分けながら惜敗したことに関しては「試合映像を何回も視直しました。なんであそこであぁしてしまったのか、とか。あの試合は正直、悔しかった……」と。


決勝。目黒雄太(白・大道塾長岡支部)が延長でマウントパンチで1ポイント×2回を奪い、ソムチャ・ヌアナー(大道塾札幌西支部)を下す。


準決勝。佐々木龍希(白・大道塾総本部)を裸絞めで攻める目黒。本戦で副審3名は青い旗を挙げ、副主審は引き分けを支持したが、主審は青・目黒の勝利を宣告した。佐々木は父である佐々木亮一・大道塾小樽支部支部長のもとで稽古を積み、この4月にジュニア全日本でU19を制し、総本部の内弟子となったばかりの18歳。親子2代で全日本出場を果たしたかたちだ。


準決勝。中川昇龍(白・大道塾岸和田支部)vsソムチャイ・ヌアナー。19歳の中川は果敢に打撃で攻めるが、場外逃避と体重を浴びせた投げにより反則を宣告され、本戦で散った。


2回戦。2021ジュニア全日本U19 -220優勝の山田凌雅(青・大道塾仙台東支部)が目黒に挑むも、マウントパンチで効果を奪われ本戦で完敗。


2回戦。ベテラン小芝裕也(白・大道塾名古屋北支部)と佐々木龍希の試合は本戦旗判定青2、白1、主審と副主審が引き分けで延長戦となり、先に右ハイをヒットさせた小柴が転倒しかけたところに佐々木が右ハイキックをヒットさせて効果1を奪い、決着。毎大会、トップ選手に肉薄しながら頂点には辿り着いていない小芝には“永遠の名バイプレイヤー”に終わらず花を咲かせてほしいところだ。


2回戦。ソムチャ・ヌアナー(青)は前回世界選手権日本代表補欠選手の近田充(大道塾多賀城支部)に本戦旗判定4-0で勝利。


1回戦。前回大会準優勝の大西凜駿(青・大道塾横須賀支部)を三角絞めで攻め立てたソムチャ・ヌアナーが本戦旗判定4-0で勝利。


1回戦。小芝裕也は20歳の田口洸揮(大道塾仙南支部)から腕十字で一本勝ち。

■男子-240クラス

本命と目されていた前回世界選手権3位・服部晶洸が欠場し、大混戦に。25歳にして20年の空道歴を持ち、実力を評価されながらこれまで全日本で入賞歴のなかった伊東宗志(大道塾日進支部)が、2018世界選手権代表で上から落とすハイキックの切れる曽山遼太(大道塾岸和田支部)、2011&2018全日本王者で四つ組みからのレスリング力で勝負する田中洋輔(大道塾御茶ノ水支部)をいずれも旗の割れる接戦で制し、2021全日本準優勝者でジュニアクラス出身ならではスピードをもつ遠藤春翔(大道塾総本部)に決勝で競り勝ち、初優勝を果たした。遠藤に準決勝で敗れた2019全日本王者・寺口法秀(大道塾横浜北支部)と服部を含め、2名しか確約されていない世界選手権代表枠を誰が得てもおかしくない、横一線の状況となった。


決勝。伊東が延長旗判定5-0で遠藤に勝利。スプリット判定にはならなかったが、遠藤に旗が上がってもおかしくない一進一退の攻防であった。それだけに、全日本2大会連続で準優勝となった遠藤には、この悔しさをバネに次大会で飛躍することを期待したい。


準決勝。伊東(青)vs曽山。本戦で青旗3本が挙がり、副主審は引き分けを支持。主審は伊東の勝利を宣告した。


準決勝。遠藤(青)vs寺口。腰の重い寺口に再三に渡り投げを決めた遠藤が本戦旗判定4-0で勝利。


3回戦。伊東(白)vs田中洋。伊東は田中のタックルを切り、パンチでカウンターを取る。本戦で白が3本、青が1本と旗が割れ、主審は伊東の勝利を宣告。


3回戦、曽山(白)は本戦で家弓慎(誠真会館花小金井道場)から左フックで有効を奪った。


3回戦、遠藤は田中誠一(白・大道塾札幌西支部)から投げ→キメで3回、マウントパンチで1回、左ハイキックで1回、効果を奪い、本戦で5ポイントを上げ完勝。


3回戦、寺口は下島海(白・大道塾御茶ノ水支部)に本戦旗判定5-0で勝利。



2回戦。伊東は中上悠大朗(青・大道塾小樽支部)からマウントパンチで効果を奪い、本戦勝利。


2回戦。遠藤は板敷宗治(白・大道塾札幌南支部)から膝車→キメで効果ポイントを奪い本戦勝利。


2回戦。寺口は佐藤圭修(青・大道塾成田支部)に腕絡みで一本勝ち。


2回戦、4月開催の全日本ジュニアでU19-240を制した佐々木想一郎(青・大道塾仙台東支部)は打撃のスピードで目を見張るものをみせるも、下島の小外刈り→キメで効果を奪われ、本戦敗退。

 

■男子-250クラス

ジュニア全日本各年齢カテゴリーで優勝を重ね、一般の全日本にクラスアップするや前回全日本で準優勝した小野寺稜太(大道塾総本部)が順当に優勝を勝ち取った。その決勝の相手は、2019全日本準優勝、日本拳法仕込みの右ストレートの切れる玉木直哉(大道塾横浜北支部)でもなく、その玉木を今大会の関東地区予選で玉木を破った三鬼裕太(大道塾御茶ノ水支部)でもなく、下馬評では話題にすら上がらなかった佐川 太郎 (大道塾仙台東支部)であった。佐川はフルコンタクト空手(真樹道場沖縄支部)2年間の経験を経て、39歳で空道に取り組み始め、2019年にシニア(平たく言えば壮年部)全日本王者となり、一般カテゴリーに挑んできた46歳。初戦では玉木にタックル一閃、マウントパンチで1ポイントを奪い、2試合目ではアマチュアMMAで実績を誇る高橋直人を中段膝蹴りでKO(一本)。壮年になってから空道に取り組みはじめた者が一般カテゴリー決勝で“息子の世代”と対等に闘うという「シニアドリーム」を体現したのであった。……このようなことが起こりうるのは、総合格闘技系のルールでありながら安全性とのバランスを図り、ジュニア層とシニア層、双方への普及を成し得ているこの競技ならではのことだろう。

決勝。佐川(青)は小野寺の穴のない攻守を崩すことはできず、本戦でマウントパンチで1ポイント、延長でマウントパンチで1ポイントを奪われ完敗。しかし、パンチをヒットさせ見せ場をつくった。


準決勝。佐川(白)vs高橋直人(大道塾仙台東支部)。MMAで実績を残す高橋に対し、佐川が膝蹴りで腹を抉り一本勝ち。


準決勝。冨田(青)vs小野寺。頭突きの連打など、パワーファイトを展開する冨田賴紀を冷静に捌き切った小野寺が本戦旗判定5-0で勝利。


2回戦。佐川(青)vs玉木。タックルでテイクダウンを決め、マウントパンチで効果を奪った佐川に本戦で旗3本が挙がり、副主審は引き分けを支持するが、主審は佐川の勝利を宣告した。

2回戦。冨田vs飯田諭(白・大道塾大宮西支部)。片手絞などで優勢を保っと冨田が本戦旗判定5-0勝利。


2回戦。小野寺(白)vs永戸竜也(大道塾仙台中央支部)。ニーインベリーからのキメ突きで効果を奪った小野寺が本戦勝利。


1回戦。飯田vs大竹耕平(大道塾香取支部)。ズボン丈が規定より短く、規定外のワッペンを道着につけていたことで「警告」を受けた飯田だが、右ストレートで1つ、ニーインベリーからの連打で2つ効果を奪い、本戦勝利。

 

■男子-260クラス

「まさか自分がいただけるとは思っていませんでした……」。各クラス優勝者の中でもっともポイント獲得率が高かったMVPに贈られる“北斗旗”を手にしたこの階級の優勝者・近藤瑞起(大道塾岸和田支部)はポツリと語った。錚々たるメンバーとともにリボンに名を連ねることについて「それが相応しいと思われる存在になれるよう、これから先の大会で結果を出していきたい。世界を想定して、ワンランク、ツーランク自分のスキルを上げられるよう、練習していきます」と。昨年、不戦勝の連続で決勝に駒を進め、決勝では清水亮汰(大道塾総本部)に完膚なきまで叩きのめされていた近藤は「ぼこぼこにされてとてつもなく恥ずかしい思いをした。それから、夢にも出てくるくらい清水選手のことを考えて、一生懸命練習した」と言う。今回の結果、そして試合内容で、“運よく全日本準優勝した選手”的なみられかたを完全に払拭したかたちだ。近藤の師である品野圭司・大道塾岸和田支部支部長はセーム・シュルトに勝った男である。海外勢のパワーに屈しないスピリットは、師から受け継がれるのか? 世界選手権に期待したい。




決勝。近藤が麦谷亮介(白・大道塾行徳支部)に豪快な投げを再三決めて、3ポイント(本戦でマウントパンチで1ポイント、延長でマウントパンチで1ポイント×2回)を奪い、延長優勢勝ち。麦谷は、蹴り技に関してはこれまで同様の冴えをみせるとともに、あらたにグラウンドテクニックでも巧みさをみせた。


近藤の準決勝。小林伽維(白・大道塾香取支部)を圧倒的に組み伏せ、マウントパンチやスタンドでのパンチで計3ポイントを奪った後、厳しいニープレスで戦意喪失に追い込んだ。


近藤の1回戦。中村竜太郎(白・大道塾小岩支部)のテンカオを凌ぎ、腕十字で一本勝ち。


麦谷のリーグ戦初戦。小枝信介(白・大道塾御茶ノ水支部)に対して、ガードからの腕十字を仕掛ける。本戦で副審が青旗2本、白旗1本、副主審が引き分けと割れるが、主審は麦谷の勝利を宣告。


麦谷のリーグ戦2戦目。18歳の林洸聖(白・大道塾佐久支部)のイキのよい攻撃を凌ぎ、グラウンドでガードから顔面へパンチを連打し、効果1を奪った。林の父親は林忠臣・大道塾佐久支部支部長。こちらも、親子2世代での全日本出場を達成したかたちだ。

■男子260+クラス

2018年の世界選手権は準決勝で、その翌年の全日本無差別は決勝で敗退したのち、MMAの世界で研鑽を重ね、プロ7戦7勝の戦績を引っ提げて3年ぶりに空道のマットに還ってきた岩﨑大河(大道塾総本部)が3試合すべてで力の差をみせつけて優勝。今大会では、スタンドで相手に密着しグラウンドに移行するやバックを奪う動きなど、MMAの試合を積むことによって得られた技術を駆使するとともに、襟絞めのほか、道着を掴んでの打撃~テイクダウンも以前同様に滑らかだった。「道着があっても、レスリング技術はそのまま生かせるし、一方で、道着を使った絞め技や投げも身体に滲みついているから」と相乗効果を語る岩﨑。今後は“国内大会では強いが国際大会では勝てない”という過去のイメージの払拭がテーマとなるが、本人は「空道では来年の世界選手権での優勝を目標に頑張り、MMAでは海外で闘えるようにしていきたい。空道とMMA、双方とも海外勢との闘いを意識して稽古を積んでいくことが、いい方向に作用していくと思います。今度こそ勝てるように頑張ります。自信はあります」と力強い。世界選手権でロシア人を倒し、海外メジャーMMAでその名を知らしめる姿が、目に浮かぶようになってきた!


決勝戦。岩﨑が奈良朋弥(青・大道塾青森市支部)を圧倒。本戦、マウントパンチで1ポイントを獲得し、バックチョークを決めかければ、延長戦では上段膝蹴りで1ポイントを2回、2ポイントを1回、右ストレートで1ポイントを奪い、主審を「試合続行不能」の判断に至らしめた。岩﨑が空道の大会に出ていない間、全日本を連覇(2019&2021)していた奈良には、その実績を否定されるような大きな悔しさがあったに違いない。その悔しさは、-260の近藤が今回みせたような飛躍に繋がるモチベーションともなるものであろう。

岩﨑のリーグ戦2戦目。今村剛(大道塾日立支部)を蹴り技で圧倒し、掴んでの打撃連打により効果1を得て本戦旗判定5-0勝利。


岩﨑のリーグ戦1戦目。相手のパンチをかわしてスタンドでバックに回ると、足を絡ませ流れるようにテイクダウンを奪い、襟絞めにより大里祐人(大道塾香取支部)に27秒で一本勝ち。MMAの技術と道着を使った技術の融合をみせた。


奈良のリーグ戦2戦目。6年振りに復帰し地区予選を勝ち抜いたオールラウンダー杉浦宗憲(青・大道塾日進支部)にマウントパンチで効果を先取されるも、投げに対するカウンターの襟絞めで落とし、逆転勝ち。偶然なのだろうが、岩﨑と同様の技術にてテクニシャンぶりをみせた。


奈良のリーグ戦1戦目。前田聡(大道塾大宮支部)からパンチで効果を2つ奪い、本戦で完勝。

■女子-220クラス

2019全日本無差別準優勝以降、キックボクシングのリングでトップ選手たちと拳足を交えてきた大倉萌(大道塾吉祥寺支部)が世界選手権に向け戦線復帰、決勝で小野寺玲奈(大道塾帯広支部)を下し、2017年以来の空道王座返り咲きを果たした。2017年の優勝後、膝の靭帯損傷により日本代表争いから外れ、2018年の世界選手権出場を逃した大倉は、その時の心境を「出たかったですね。出場した選手には何の文句もないですけど、出たかったですね…」と振り返る。そして2023年の世界選手権に向けては「今のままで出ちゃったら、ちょっと自分を許せない。もっと空道を磨かなくてはいけないですね。ずっとキックボクシングのルールの練習をしてきたんで、空道の技術連練習を多めにしていかなくては、と考えています」と意気込んだ。これまでの世界選手権で日本女子はロシア~東欧勢の圧倒的なパワーの前に技術を発揮する間もなくブルドーザーに押し潰されるように敗戦してきたが「それこそ、玲奈ちゃんの闘い方はロシアに近いと思うんです。ガッと距離を縮めてパワーで圧力を掛ける。それに対し、その出力が100パーセントになる前に、ぶつかっていく、そういう闘い方の部分で考えられる場所はあるのかな、と」と、今回の闘いでヒントを得た様子だった。

決勝戦。大倉(白)が延長旗判定4-1で小野寺を制す。今回が一般の空道ルール初挑戦だった小野寺だが、倒れても下から掴んだうえでの蹴りで攻めるなど、順応度は100パーセント。延長4-1で旗が割れる接戦だった。大倉は高校卒業までは大道塾帯広支部に在籍しており、小野寺とは、彼女が3歳で道場に入門してきたときからの付き合いだという(そのとき大倉は9~10歳だったとのこと)。「回転も速くて強いなぁと思いました」と大倉。

小野寺(白)の2回戦。2016年―215クラス優勝、その後、出産・育児のため休養をとり2018年より競技復帰し、昨年2021年に空道史上初の“ママさん全日本王者”として王座に返り咲き、その後、無着衣(プロ)MMAの試合に挑んでいる渡邊富紀恵(大道塾神戸同好会)を本戦旗判定4-1の接戦で制す。


大倉(白)の初戦、熊倉彩夏(大道塾新潟支部)戦は、本戦で白旗3本を得るが、副主審は引き分けを支持。主審は大倉の勝利を宣告した。


小野寺(青)の1回戦。鈴木彩音(大道塾日進支部)を投げ、マウントパンチで効果を奪い、腕十字で一本勝ち。

 

■女子220+クラス

長期に渡りトップ戦線に君臨する今野杏夏(大道塾多賀城支部)を新鋭の内藤雅子(大道塾横浜北支部)が撃破。「ハンドスピードを上げることと、距離をコントロールすることに意識を置いた練習をこつこつやってきて、その分、投げがあまり出せなくなってしまったので、世界選手権までには、バランスよく打撃と組み技ができるようにして、初のロシア人を倒した日本人として名を残したいです。やるからにはそれを達成してから引退して結婚したいです!」と威勢が良い内藤。一方、ジュニア出身の立場からいまやベテランの域に達した今野は、前回対戦では内藤に勝利しており、若手の成長によって立場を逆転されたかたち。2015年から2017年に掛けて王座に君臨し続けた大谷美結にも、初対戦では勝利を収めながら再戦で敗れ、その後、大谷の引退まで勝利を奪い返すことができなかったことを振り返ると、今度こそもう一度、復権のドラマをみせて欲しいところだ。

内藤vs今野。内藤(白)が左ミドルを中心に、リーチを活かした闘いを展開し、延長旗判定5-0で今野を制す。


リーグ戦。内股で小関沙樹(青・大道塾仙台東支部)を投げた内藤が本戦旗判定5-0で勝利。


リーグ戦。足首の返った美しいフォームの膝蹴りを決めた今野(青)が本戦旗判定5-0で小関に勝利。

 

■2022全日本空道シニア選抜選手権大会 決勝ダイジェスト


軽軽量級。糸永直樹(青・大道塾草加支部)が大貫浩治(大道塾仙台東支部)から腕絡みで一本を奪い、V3達成。


軽量級。石井善身(青・大道塾小岩支部)が本戦旗判定5‐0で桐田淳利(大道塾仙南支部)に勝利。

軽中量級。谷口雅春(白・大道塾関西宗支部)が左ストレートで効果2つ、右ストレートで効果1つを奪い、山田弘志(大道塾関西宗支部)から本戦勝利。


中量級。小林悟(青・大道塾帯広支部)が左フックで効果を奪い、本戦旗判定5‐0で小川哲郎(大道塾筑紫野支部)を下した。


軽重量級。横山智樹(白・大道塾行徳支部)が本戦で左上段回し蹴り、マウントパンチでそれぞれ効果を奪い、佐藤利昭(大道塾日立支部)を下す。


重量級。本戦、平田裕紀(青・大道塾東中野支部)が右ストレートで白幡陽一(大道塾富士山同好会)から一本を奪う。


超重量級。諏訪一郎(白・広島中央支部)と小林俊也(大道塾横須賀支部)がパンチで効果1つずつを得るシーソーゲームを展開。小林の消極性が反則とされ、本戦で諏訪が勝利を収めた。

 

入賞者、各賞受賞者

優勝者。上段は左から岩﨑、近藤、小野寺、諏訪、平田、小林、横山。下段は左から伊東、目黒、内藤、大倉、谷口、石井、糸永(写真は一時的にマスクを外してもらい、撮影)

◆2022 全日本空道体力別選手権大会

男子
260+ 優勝 岩﨑 大河 (大道塾総本部) 準優勝 奈良 朋弥 (大道塾青森支部)
₋260  優勝 近藤 瑞起 (大道塾岸和田支部) 準優勝 麦谷 亮介 (大道塾行徳支部)
₋250  優勝 小野寺 稜太 (大道塾総本部)準優勝 佐川 太郎 (大道塾仙台東支部)
₋240  優勝 伊東 宗志 (大道塾日進支部) 準優勝 遠藤 春翔 (大道塾総本部)
₋230 優勝 目黒 雄太 (大道塾長岡支部) 準優勝 ソムチャ・ヌアナー (大道塾札幌西支部)

女子

220+ 優勝 内藤 雅子 (大道塾横浜北支部)
-220 優勝 大倉 萌 (大道塾吉祥寺支部)

最優秀勝利者賞(北斗旗授与): 近藤 瑞起 (大道塾岸和田支部)

道場別獲得ポイント順位
1位:大道塾総本部 2位(同点):大道塾行徳支部 大道塾仙台東支部

2022 全日本空道シニア選抜選手権大会

超重量級 優勝 諏訪 一郎 (大道塾広島中央支部)
重量級 優勝 平田 裕紀 (大道塾東中野支部) 準優勝  白幡 陽一 (大道塾富士山支部)
軽重量級 優勝 横山 智樹 (大道塾行徳支部) 準優勝 佐藤 利昭 (大道塾日立支部)
中量級 優勝小林 悟 (大道塾帯広支部)    準優勝  小川 哲郎 (大道塾筑紫野支部)
軽中量級 優勝 谷口 雅春 (大道塾関西宗支部)準優勝 山田 弘志 (大道塾関西宗支部)
軽量級 優勝 石井 善身 (大道塾小岩支部)  準優勝 桐田 淳利 (大道塾仙南支部)
軽軽量級 優勝 糸永 直樹 (大道塾草加支部) 準優勝 大貫 浩治 (大道塾仙台東支部)

 

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