シニア(軽中量級)準優勝 山田 弘志 (関西宗)

2022全日本空道シニア選抜選手権大会選手アンケート回答用紙

山田弘志

関西宗支部

 

年齢 56 職業 会社員
(キャリアコンサルタント)
出身地 愛知県 スポーツ歴 野球、陸上、少林寺拳法
空道歴 23 家族構成構

(妻・子の年齢など)

妻 56歳 長男 30歳 長女 27歳

 

  • 30歳以上になって空道を始めようと思ったきっかけは何ですか?
大学時代に、他の武道(少林寺拳法)を始めましたが、その当時から大道塾に興味があり、格闘空手を読んで顔面打撃を勉強して、稽古に取り入れたりしていました。社会人になってからも、少林寺拳法を続けていましたが、33歳の時に、たまたま仕事で転勤した先(名古屋)で、家の近くに大道塾を見つけたので思い切って入門しました。

 

  • あなたにとっての空道の魅力とは
「いいものは取り入れる」といった間口の広さと、塾生の自主性を尊重する、という懐の深さを感じています。そうした環境の中で、様々な技術を総合して、自分を試すことができる、のでいくつになっても自分の可能性を高められると実感できます。
  • 仕事・家庭と練習を両立させるうえで工夫していること(家族の理解・評判など)
自分が空道という武道をやっている、ということを、できるだけ周囲に伝えるようにしています。(家族には稽古や試合の様子をできるだけ話すようにしています)その上で、自分がいきいきとしていれば、あの人は活力がある、なぜなら空道を習っているから、となり、結果的に周囲も空道を肯定的に受け入れてくれると思っています。

 

  • 空道を何歳まで続けようと思っていますか
試合に出場し続けることは難しいかもしれませんが、修行はどんな形であれ、生涯続けたいと思っています。

 

  • 「空道」という競技について、この先期待することや提案などあればお書きください
自分はキャリアコンサルタントでもありますが、先が見えない時代の中で、自分の生き方としてのキャリアを作っていくためには、多様性の中で自分の可能性を追求するということが重要であると実感しています。

空道は武道であるので、精神性という最も大切な基盤の上で、自分を試し続けられる、まさしくダイバーシティに相応しいコンテンツだと思っています。未来に向けた新しい形の「社会体育」として、世の中に認知されることを期待しています。

  • その他自由にお書きください
今回このような機会を与えていただき感謝しています。言語化することで、自分の考えややるべきことが明確になった気がします。今後ともよろしくお願いします。押忍!

 

 

 

2022体力別全日本選手権 各階級展望

-230クラス

目黒雄太

2015、2016、2017、2018、2019、2021年と全日本‐230クラス6連覇を達成した目黒雄太のV7なるか? 空道史上、同一階級の連覇としては、1993~1997年に同じ-230クラスで小川英樹が達成していたV5の記録を既に抜いている目黒。目黒が今回優勝すれば、小川の達成した「全日本(2階級併せて)7年連続優勝」の記録にも並ぶこととなる。2020年に全日本選手権が実施されなかったことを考えれば、かぎりなくV8に近いV7といってもよいだろう。その記録を阻止すべく立ちはだかるのは、前回大会決勝を目黒と争った大西凜駿、前々回大会決勝で目黒を追いつめた小芝裕也、当初1月開催予定であった今大会の関東地区予選決勝で大西を下した月東玲真といった面々。U19クラスで全日本優勝を果たし、今大会よりカテゴリー・アップする中川昇龍をはじめ、田口洸揮らジュニア戦線で闘いを重ね、まだ19~21歳という世代にも、ベテラン喰いの期待が掛かる。なかでも、4月に開催された全日本ジュニアU19-230で優勝、ボクシングでも高校全日本ベスト8の実績を有し、まだ18歳ながら特例で出場を認められた佐々木龍希には注目だ。大道塾札幌西支部でムエタイの指導を行っているソムチャイ・ヌアナーも、年々、道着を掴んでの攻防や寝技への対応力をアップさせているので侮れない。

 

-240クラス

遠藤春翔

前回全日本準優勝の遠藤春翔はジュニアクラス出身ならではスピード、前回世界選手権代表の曽山遼太は上から落とすハイキック、同じく前回世界選手権代表の田中洋輔は四つ組みからのレスリング力、前々回全日本優勝の寺口法秀は一歩も引かないパワーファイト、西日本地区予選常勝の伊東宗志は独特の武術的(?)組手スタイル……と、個性溢れる面々が横一線のこのカテゴリー、日本拳法で輝かしい実績をもつ下島海、当初1月開催予定であった今大会の関東地区予選-250で優勝しながらも階級を落として出場する寺阪翼といった面々にも、アップセットの可能性あり。それでも、前回世界選手権で、この階級の日本人として最上位の第3位に入賞した服部晶洸が優勝候補筆頭か。離れてはムエタイ的な攻防、組んでは首相撲から捨て身の投げ、寝ても上からでも下からでも一本を奪う……総合力の高さが光る。過去、全日本優勝歴のない、静かなるテクニシャンの覚醒に期待したい。

 

-250クラス

小野寺稜太

ジュニア全日本各年齢カテゴリーで優勝を重ね、一般の全日本にクラスアップするや前回全日本で準優勝した小野寺稜太がいよいよ優勝を勝ち取るか。相手のパンチをスイスイとヘッドスリップで躱すセンスのよさを有しており、この1年でどれだけの成長を遂げているか、期待が掛かる。それとも、2019全日本準優勝、日本拳法仕込みの右ストレートの切れる玉木直哉が、小野寺を切り崩すか。今大会の関東地区予選で玉木を破った三鬼裕太が、ダークホース的存在といえよう。

 

-260クラス

近藤端起

当初今大会が1月に開催予定であったときには、前回世界選手権(2018)唯一人の日本人優勝者であり、全日本4回の優勝歴を誇る清水亮汰や、レスリングで国体準優勝、サンボで全日本(エスポワール)優勝、キックボクシングで鈴木悟(プロボクシング元ミドル級日本王者)にKO勝ち、無着衣(プロ)MMAで王座戴冠(HEATウェルター級)といった実績をもつ高木健太がエントリーしていたが、開催時期のスライドに伴い、この二人の出場が叶わず。前回大会で清水と決勝を争った近藤端起と、シニアクラスで全日本優勝歴があり、その強さゆえシニア大会の運営サイドより一般カテゴリーへの出場を要請された中村竜太郎が、王座に近いか。打撃の切れる麦谷亮介、日本拳法で東日本3位の実績を誇る小枝信介がその進撃を阻む可能性もある。

 

+260クラス

岩﨑大河

前回世界選手権後、無着衣(プロ)MMAの世界で研鑽を積み7戦7勝の岩﨑大河が凱旋。岩﨑が留守の間、全日本を連覇(2019&2021)している奈良朋弥が迎え撃つ。奈良には「ナメんなよ!」と、専従で競技を続けてきた者としての意地をみせてほしいところだ。 野球からの競技転向で、150キロの速球を投げていた強肩を活かし、バッタバッタとストレートでダウンを奪う目黒毅、6年振りに復帰し、地区予選を勝ち抜いたオールラウンダー杉浦宗憲はアップセットを起こせるか?

 

女子-220クラス

大倉萌

2016年―215クラス優勝、その後、出産・育児のため休養をとり2018年より競技復帰し、昨年2021年に王座に返り咲いた渡邊富紀恵が、2017年―215クラス優勝の大倉萌を迎え撃つ。大倉は2017年の優勝後、膝の靭帯損傷により世界選手権日本代表争いから外れ、その後、キックボクシングの世界で名だたるトップファイターたちと拳・足を交えてきた。一方、渡邊は空道史上初の“ママさん全日本王者”となった後、無着衣(プロ)MMAの試合に挑んでいる。異なる道で冒険を続けてきた両者の邂逅がどんなケミストリーを起こすのか? 期待したい。ただし、今回の全日本で一般カテゴリーデビューを果たす小野寺玲奈(大道塾帯広支部、2022全日本ジュニア選手権U19クラスー215優勝)がいきなり二人を破る可能性も十分にある。

 

女子220+クラス

今野杏夏

ジュニアクラス生え抜きのトータルファイター、全日本優勝3回の今野杏夏と、柔道出身で内股をはじめとする投げ技に長ける内藤雅子は、ともに前回世界選手権代表。二人にとって、闘うべき相手は、目の前にいる相手ではない。世界選手権で立ちはだかるのは、圧倒的なフィジカルをもったロシアや東ヨーロッパ、中央アジアや南米の選手たちである。今大会においては、目前の勝負に競り勝つのではなく、これまでの自身との明らかな変化を表現してほしい。それが出来なければ、来たる世界選手権でも、ただ前回と同じ結果がもたらされるのみである。