マルタ遠征記 アレクセイ コノネンコ

 

仙台中央支部支部長・師範

国際空道連盟事務局員

アレクセイ コノネンコ

 
今回の遠征は、セミナーを兼ねたジュニアヨーロッパ大会を目的としたものでしたが、移動と合わせて5日間で、現地で過ごした金、土、日はとても忙しいスケジュールでした。金曜日の午後についた後、すぐにセミナーをやって、土曜日の午前中セミナー、午後セミナー、夕方の審判講習会、日曜日一日大会をやって、月曜日の午前中にちょっとした観光して午後に帰国。大変忙しかったが、多くの参加者にとっては初めての国際大会でしたのでとても満足していました。セミナーと大会には10カ国の代表者が参加し、イベントの間にヨーロッパ各国の代表者と話し合いましたが、ヨーロッパはこれから積極的に動いてますます強くなると思いました。
今回のイベントは、マルタのブレデイヒン支部長のおかげで可能になりました。ブレデイヒン支部長はロシアからマルタに移住した実業家であり、50歳過ぎてから空道を始めました。初めて会った時には緑帯でしたが、今は2段まで成長しました。マルタ支部も2年前にできて、その開所式に東塾長と一緒に行きました。先生と一緒の最後の海外遠征でした。あの時に道場は、一部まだ工事中で、現地の塾生が2人ぐらいしかいなかった。しかし、この2年間で、コロナ禍にも関わらずに、子供を中心に道場生は80人ぐらいまで増えました。そして増えただけでなく、素晴らしい練習環境と専念した指導のおかげで今回の大会で数々のメダルをとりました。ブレデイヒン支部長の情熱のおかげで可能になった成果を高く評価しています。
今回の遠征の大きな目標の一つは、ヨーロッパにおいて審判の育成と審判ライセンスに認定でした。ヨーロッパの空道家はその必要性を理解して熱心に審判講習会に参加し、一所懸命に大会の実技審判に取り組みました。そこで私から気づいたいくつかの今後の課題を取りまとめていました。これは今後の審判講習で特に強調するべきと思いました。
* 海外の大会運営について事前に打ち合わせが必要です。今回はドタバタが目立って、色んな人が出入りしていたから、大会運営項目を事前にチェックすることが必要です。会場の形によって制限が生じますが、出来るだけ選手エリアと審判エリアを分けるべきです。選手を連れた支部長がそのまま審判を務めることがほとんどですが、公平性を守るために審判と選手をできるだけ分けるべきです。審判はセコンドを務める時にやはりセコンドジャージを着て、審判機能と応援機能を分けていることをはっきり見せなければならない。応援についても、今回時にとても激しく、副審の笛が聞こえないぐらいの時あったので、注意するべきです。
* 笛を吹かないで「効果」などのポイントを示していた副審はいたので、副審の笛を徹底させる。
* 反則の技などの知識が不充分のため、反則の見逃しが多かった。
* ジュニアのカテゴリーで許可されている投げ技と寝技の認識が曖昧。
* 副審が笛を吹いた時に、主審が何かのポイントを上げなければならないと思い込んでミスジャッジすることが多かった。逆に、主審は「副審!」をコールした後に、副審がなにかを慌てて上げなければならないと思いミスジャッジということもあった。
* 主審は自分の正面の右か左の副審しか見ていないので、判断する時に他の副審の意見を取り入れてない。
私は今回こう言ったポイントに気づいたので、今度の審判講習会などでそこに焦点当てて認識を共通させる必要があると思います。