2023ヨーロッパ空道選手権大会レポート NPO法人 国際空道連盟理事長 高橋英明

10月29日にリトアニアのカウナスという地において2023ヨーロッパ空道選手権大会が開催され、その前後に、セミナー、審判講習会、ヨーロッパ支部長会議、審査会を実施しました。すべてが充実したものであったことを、たいへんうれしく思います。

これらの詳細については、日本からの遠征に同行した皆さんから報告があると思いますので、私からは国際空道連盟としての活動全般について、報告します。

 

まず、2021年12月に、加盟各国に対して私から次のような提案を行っています。

コロナ禍で各国が大変な状況にある今だからこそ、コロナ禍が収束した後の、KIFが目指す姿を共有しておきたい。

KIFの理事長として、次のような取り組みを進めたい。

  1. KIFに加盟する国を増やす(仮認可支部を含めて)。このために、認可条件等を見直すことで支部を開設しやすくする。
  2. 世界的に活動を活性化する。
  3. 各国のNOC(National Olympic Committee)またはNSA(National Sports Authority) による認可を推進し、GAISF(Global Association of International Sports Federations)やIWGA (International World Games Association) への加盟を実現する。

上記b) を進めるための手段として、国際大会や国際セミナーの開催を促進する。c) は、その先の取り組み課題と位置付ける。

空道の大会は、空道を修行するすべての者にとって、それに参加し優秀な成績を修めることが目的であるとともに、精神的および肉体的な鍛錬の貴重な場でもある。

そのような場の機会を会員に提供していくことが、KIFの大きな役割だと考えている。

世界中での国際大会の活性化を目的として、KIFHQは各地に大陸委員会を設置することを提案する(提案内容の詳細については割愛)。

 

この後、次の4つの大陸委員会を設置し、それぞれの委員会の委員を指名しました。

  • アメリカ大陸委員会
  • アジア・オセアニア委員会
  • ヨーロッパ委員会
  • 中東・アフリカ委員会

各委員については、10月にリニューアル公開したKIF公式サイト(https://ku-do.org/)上でオープンにしています。

2022年はまだコロナの収束に至っていない時期でしたが、コロナへの感染リスクを覚悟の上で、大道塾と共に次のような活動を開始しました。

  • 5月にインドでの南アジアセミナーに指導員を派遣
  • 同じく5月にフランスでのヨーロッパセミナーに指導員を派遣
  • 7月にマルタでのヨーロッパ空道ジュニア選手権大会に審判員を派遣
  • 9月にブラジルでのパンナム空道選手権大会に審判員を派遣
  • 10月にイタリアでのイタリアンオープン空道選手権大会に審判員を派遣
  • 11月に全日本空道連盟が主催してアジア空道親善大会を開催
  • 2月にロシアで開催されたロシア支部開設30周年記念パーティーに出席
  • 3月にマルタで開催されたジュニアキャンプに指導員を派遣

 

2023年度は世界空道選手権大会があったため、海外でのイベントは今回が最初になりますが、このあと11月には米国で北米空道選手権大会を、来年2月にはマルタでヨーロッパ空道ジュニア選手権大会の開催を予定しています。また2月に中東・アフリカセミナーを開催すべく、準備中です。

ヨーロッパについては、今回開催した支部長会議で、次のような方針を決定しました。

  1. ヨーロッパ空道ジュニア選手権大会は、U16以下の大会とし、U19は一般部の大会と同時に開催する。(この決定にあたっては、しっかりとした議論がなされました)
  2. 2024年度のイベントは次のように予定する。
  • 6月15,16日に、イタリアでヨーロッパ空道選手権大会を開催する
  • 9月半ばに、スペインでヨーロッパセミナーを開催する
  • 10月に(後半での開催を調整)、アルメニアでユーラシア空道カップを開催する(アジア・オセアニア委員会との調整が必要)
  • ヨーロッパ空道ジュニア選手権大会のマルタでの開催を調整する
  • その他、ブルガリアが何らかのイベントの開催を希望していることを確認した(黒海沿岸のある都市の市長からの提案書を受理)
  1. 2025年6月にイタリアで第3回ワールド空道カップを開催することを、KIFに提案する。

アメリカ大陸委員会については、米国で開催される支部長会議において、2024年にメキシコでの北米大会の開催を調整するつもりでいます。

 

来年2月のマルタでのジュニア空道選手権大会においては、マルタ支部長からの要望によって、大会前々日に定法のセミナーを実施する予定です。一般とジュニアの両方を対象とします。昨年のマルタでの大会の際には、定法の様々なパターンを一通り実施しましたが、今回は昇段審査に適用するとしている12パターンに集中して時間をかけて実施します。

私はリトアニアの後、TAFISAという国際団体のコングレスに出席するためにドイツに来ています。時間があったので、定法のセミナーの開始にあたって作成してみた資料(まだ手を加えた後に英訳するので、まだ暫定版ですが)を添付しました。

海外において様々な活動が進んでいることは、KIF理事長としてうれしい限りです。

 

定法と空