北斗旗全日本空道体力別選手権関東予選/全日本空道ジュニア選手権関東予選リポート

2021年11月03日(水=文化の日)、東京都豊島区・池袋スポーツセンターにて開催された、2022全日本体力別の関東地区予選のエントリーは36名。全日本ジュニア予選には、33名が参加。コロナ問題が完全には収束していない状況での開催ゆえ、やはり、例年より出場者数は少なかったが、1年以上ぶりに開催された関東地区での全日本予選ということもあって、熱い闘いが繰り広げられた。

-230クラスでは、5歳から空道の道場に通い、17歳から特例として一般部の試合に出場し、昨年2020年は19歳にして全日本準優勝を果たした大西凜駿(りりと・大道塾横須賀支部)が初戦(2回戦)、準決勝と、すべて打撃で5つの効果ポイントを獲得し、強さをみせつけたが……。決勝では、月東玲真(大道塾草加支部)が右フックで効果ポイントを奪い、大西に反則が宣告されていた(試合コートへの登壇の遅れ等による)こともあって、本戦旗判定なしで、月東が優勝をゲットした。トピックとしては、59歳の渡邉慎二・大道塾浦和支部長が、総本部職員、25歳の小関優也に競り勝ち(本戦のスプリット旗判定の後、延長で小関の反則により勝利)、準決勝で大西と真っ向から打ち合いを演じたこと。キャリア40年近くを経て未だ成長を続ける渡邉の力みなき流れるような動きは、たゆまぬ努力の大切さを感じさせ、シニア層の夢を広げた。

-240クラスは、2018年世界選手権でベスト4入りしながら、その後、なりを潜めていた服部晶洸(大道塾横浜北支部)が、決勝で同じく2018年世界選手権代表の田中洋輔(大道塾御茶ノ水支部)を本戦旗判定5-0で下し、完全復活を印象づけた。パンチも蹴りも、蹴り足を掴ませて片足でバランスを保ってからの展開も、捨て身の投げ技も、寝技も……すべてのソツのない服部だが、全日本は未戴冠。初優勝を果たせば、世界制覇もみせてくるか?

-250クラスは、大道塾総本部叩き上げの寺阪翼が準決勝で2019全日本ベスト4の冨田賴紀(大道塾御茶ノ水支部)を腕十字で仕留め、決勝へ。反対ブロックからは2019全日本準優勝の玉木直哉(大道塾横浜北支部)を旗判定4-1で制した三鬼裕太(大道塾御茶ノ水支部)が。スピードの速いストレート系のパンチと、寝技での力強さを併せ持つ寺阪が旗判定5-0で三鬼を退け、フレッシュな対決を制した。

250+クラスは、誠真会館清瀬道場の武藤恵汰が、麦谷亮介(大道塾行徳支部)から左上段膝蹴りで効果ポイントを奪い、決勝を制した。185センチ、90キロの体格にして、ノーモーションの鋭い右ストレートと、クリンチワークの巧みさをもつ武藤は、全日本本戦で岩﨑大河の好敵手となるか? 期待したい。

女子部門は、プロ競技で活躍する大倉萌(大道塾吉祥寺支部)と、内藤雅子(横浜北支部)とのワンマッチ。柔道出身の内藤は、投げ技に頼ることもなく、バランスの取れた打撃をみせ、コロナ問題で試合がなかった期間を有効にスキル向上に活かしたことを感じさせたが、それでも大倉のインサイドワークは崩せず。判定ながら、本戦~延長と1本も旗を与えることなく、大倉が完勝した。

全日本ジュニア予選。U19 女子-215クラスで勝利した山口莉央(大道塾横浜支部、18歳)や、U19男子-220・-230・-240混合クラスで優勝した佐々木虎徹(大道塾吉祥寺支部、17歳)は、現時点で一般カテゴリーでも通用する技量を持っているように思われた。その出場カテゴリー変更を楽しみに待ちたい。

大道塾御茶ノ水支部 支部長 朝岡秀樹

全日本体力別予選、入賞者。上列左から麦谷、三鬼、田中、大西、大倉。前列左から武藤、寺阪、服部、月東


-230。大西を捕らえた渡邉の右


-250。三鬼の膝が寺阪を抉る


大倉(白)は軽快に出入りし、ヒットを重ねた