大田支部の中村知大です。
2024年9月26日から10月1日までベトナムでの国際セミナーに帯同させていただきましたのでご報告します。
今回は長田塾長と私の二人のみでのセミナー実施となります。
私も指導する立場でありながらも、基本稽古や所作を見直す良いきっかけとなりました。あらためて同行させていただきありがとうございます。
<1日目>
成田空港からベトナムのホーチミンまでは約6時間。時差も2時間と遠征しやすい距離です。
到着後、支部長のNeo支部長に迎えていただきました。
ベトナムのこの時期は丁度雨季が終わった後ということでしたが、日本の夏と同じ感じで気温は30度を超え、湿気で蒸し蒸しとした気候でした。(ベトナムの南部であるホーチミンは、雨季と乾季がありますが、ずっと夏です)
ホテルへ移動後、Neo支部長のご両親の家で歓迎していただきました。
<2日目>
午後からセミナー。
この日は次の日の昇級昇段試験を前に、合計で3時間ほど、塾長から基本稽古、移動稽古の指導、私が投げ技の指導を行いました。
50名程度が参加しました。今回の一連のセミナーはベトナム国内だけでなく国際セミナーなっており、ベトナム以外にも、香港、中国(上海)、韓国、インドネシア、シンガポール、スリランカ、韓国の塾生が参加しました。
会場は人数にしては若干手狭だったこともあり、塾長とも相談しながら危険のないように、移動稽古を半分に分けて実施するなど稽古内容を調整しながら実施しました。
きれいな施設を用意していただいたのですが、エアコンがなく、なぜ無いのか尋ねると「エアコンつけて運動すると風邪をひくから」だそうです。
ずっと暑いお国柄なのかもしれませんが、かなり体力を削られました。
<3日目>
午前中から、昇級昇段試験です。受験者70名超、内16名昇段試験でした。途中、水分補給の休憩のみで6時間試験が実施されました。
前日の会話から若干不安はあったのですが、昇段試験の組み合わせがつくられておらず、試験前に急遽組み合わせつくるなどバタバタと準備が進められました。
昇段試験も2面を使って進めたのですが、審判をやる人間がおらず、急遽韓国支部のキムガンス支部長に手伝っていただきました。キム支部長は日本語も堪能なため、審判以外の場面でも協力していただき非常に助かりました。
試験内容については、非常に真面目に稽古をしている様子が伝わり、突出した強さをもった選手はまだまだいないものの、可能性を感じさせる動きをする選手が多かったです。
また、海外遠征にいくと組み技が疎かにされる場合が多いのですが、ある程度できる選手が多く、話をきくと柔術をやっている選手が多いそうで、所属している生徒の半分くらいは柔術もやっているとのことでした。
夜には各国のメンバーと食事。過去、横浜北支部で稽古をしていたベトナム人のトン君や、総本部で稽古していたロシア人のサーシャさんとも話をすることができ、ベトナムにいながらも日本での思い出話を聞くことができました。
<4日目>
午前中から審判講習会、昼食を挟んで、技術セミナーを実施しました(全体で約5時間)。
審判講習会を塾長が担当され、私は後半の技術セミナーを担当しました。空道を始めて間も無い生徒も多いように見えたので、空道らしい技術を紹介したいと思い、掴みからの連携技、そしてせっかく私が来させていただいているということもあるので、自身が試合で得意にしていて技を中心に指導をさせていただきました。
約1時間半で
・フックから掴み膝
・膝に合わせて足払い
・フックから掴んでサイドへスイッチしてハイキック
・サイドから足払い
・バックに回って遠心力を使った投げ
・4つ組から大内刈り
・背負い投げ
から質問タイムを行いました。
今回は、ベトナムで初めての審判講習会ということもあり、基本的な動作の確認から実施されました。日本語での号令を難しく感じている人も多いように感じましたが、みなさん積極的に学ばれていました。
その後、各国の支部長達を中心に食事を行い、セミナーの日程は終了しました。
ベトナムの話を聞いているとやはりマーケティングに難しさを感じているようで、「格闘空手」から「空道」になった理由や経緯などを聞かれました。この辺りは、日本の状況と同じようです。(ベトナムのNeo支部長はマーケティングの仕事をしています)
<5日目>
この日は、午後からホーチミン周辺の観光に連れていっていただきました。
塾長はお仕事をされるとのことで、僭越ながら私だけ楽しませてもらい、夜中の便でベトナムを出発、明朝成田空港に到着しました。
ベトナムは、総合格闘技自体が入ってきたのが最近とのこと、空道も良い形で紹介できていたものの、新型コロナで活動が停止している頃に、ONEChampionshipなどが進出し、MMAや柔術がどんどん拡大しているそうです。
ベトナムは総合格闘技自体はまだまだ黎明期である様に思います。こういった時に各国だけに任せるのではなく、今回のセミナーもそうですが、協力しあい、生徒を増やしていく活動ができればと思います。
ベトナムの生徒は非常に真面目で、動きを見ていても今後大きな成長を感じさせるセミナーでした。世界大会でもベスト8は難しくとも16や32ぐらいにはすぐに入ってくるように思います。
私自身としては、今回のセミナーは2019年11月にマルタ支部開設時に参加させていただいて以来、約5年振りの国際セミナー参加でした。指導をさせていただくことで、自身の中で技術体系を整理することができ有意義な時間でした。
また、初めて長田塾長と長い時間ご一緒させていただき、立ち振る舞いや所作など、空道の知識・技術以外の部分でも多くのことを学ばせていただきました。
貴重な機会を賜りまして、今回のセミナー開催に携わった関係者のみなさまに感謝申し上げます。
大田支部 中村知大