東孝の格闘空手 空手リアルアーツシリーズ ⑥ VOL1

この対談は『月刊空手道』(福昌堂発行)1985年3月号に収録されたものです。肩書は掲載当時のものです。

解説・指導 大道塾代表・東孝 ●協カー長田賢一、佐和田亮二、賀上賢一

空手道リアル・アーツシリーズ⑥

新世紀の空手!格闘空手を謳う東孝の超実戦空手の奥義を公開 スーパーテクニック講座 第6弾!

格闘コンビネーション第三章

右の前蹴りからの連繋

今月は、右の前蹴りからの連繋を紹介しよう。

空手の習い始めと言うのは、大低の人間は右利きであるという事もあって、利き足である右の前蹴りが、最も強力なような気がするものである。逆の理由で左足で蹴るというのは何か心もとない気がする。右の蹴りといっても、上段回し蹴りや中段回し蹴りでは、股関節が固いうちは、体が傾くし腰が浮く気がする。 その点右の下段蹴りなら蹴れそうな気がするが、スネを鍛えてないうちは蹴った方が痛いし、第一相手に接近する事になるので、顔を叩かれる気がする。(顔面突き無しの組手をしていると、そのうちこの 顔面カウンターという事が、気にならなくなってしまう)その点右前蹴りならば、 後方にある右足だから、体重を乗せて、勢いをつけて蹴り込めば、相当の威力があるような気がする。それに第一、実戦で靴を履いているならなおさらだろうといったところである。

 

 しかし現実は、なかなかそうはいかない。理由は蹴りが正面から来るので容易に見えるし、また足が後方にあるが故に動作が大きく距離と時間がかかり、受ける方も準備できるからである。結局左の前足を上げたり、左の肘を降すだけでブロックできてしまう。さらに、試し割りと同じ原理で相手が止まっていてくれればまだしも、少しステップバックするだけで、その威力は半減してしまうのである。

そこで工夫されたのが、いわゆる三日月蹴りとか、三角蹴りと呼ばれる蹴り方である。これはなかなか言葉で説明するのは難しいのだが、図1 (①、②)オーソドックスな前蹴りなら、図2(①、②、③) のように、目標に対して直線的に蹴り込むのではなく、あまり目立たない程度にやや外側を狙って蹴って膝が伸び切る直前に急に内側にスライドさせて蹴る方法である。これだと相手は、単純な前蹴りだと思って反射的に脇を締め肘を前方に落とすので、その外側から脇腹を蹴ることができる。これを使えるようになるのは難かしいが、使えるようになるとまともに脇腹を蹴れるので、知っていて無駄ではない蹴り方である。また、 足をスライドさせるのではなく、 図2の③のように、捻りを加えると中段回し蹴りのようにも使える。これもうまく入れば非常に効く技である。この場合しっかりと中足をかえすことが大切である(図 3)°

それではさっそく右前蹴りから仕掛け格闘コンビネーションの説明に移ろう。