《埼玉、東京、茨城、神奈川、宮城》ワンマッチ交流戦大会レポート

2017/10《埼玉、東京、茨城、神奈川、宮城》ワンマッチ交流戦レポート

2017年10月22日(日)  岩槻文化公園柔道場

 

10/22(日)、岩槻文化公園柔道場において、年三回恒例のワンマッチ交流戦が行われました。

台風襲来にも負けずに集まっていただけたファイターは全41名。参加道場数としては13と過去最大規模になりました。

試合数25は史上二番目。多くの皆様からのご協力を得て、いつも大会が開催できていることを大変ありがたく思います。感謝いたします。

 

それではまず総評的に三点ほど。

・草加支部から少年部の参加が9名。先の関東交流大会で中村亜叶夢選手が優勝して盛り上がっているのでしょうか? 熱気が感じられました。

・個人でのベストファイター賞の受賞こそなかったものの、最優秀支部賞があるなら日立支部が受賞したことでしょう。4戦全勝の好成績でした。参加全員が黄帯以下。これから皆で頑張り、個人としてはもっと上の帯を、支部全体としてはもっと上のステージを目指していって欲しいものです。

・宮城県から参戦した東北チームも5戦全勝。さすが、わざわざ遠くから来られるだけあって、皆、気合いの入ったファイト振りでした。

 

以下、目立った試合に関し、順不同で。

・熊谷(早稲田)vs. 戸田(登米)

熊谷選手、体重差16kg、身体指数差は19もの相手に真っ向勝負で好試合を展開。敗れはしたもののベストファイター賞を受賞。

 

・ターニャ(早稲田)vs. 戸田(登米)

掴みありのフルコンカラテ出身のターニャ選手。ハイキックにはさすがの切れを見せ、また柔道9年の戸田選手に組負けないでほとんど投げを許さず、逆に掴んでのパンチであわや「効果」の見せ場を作る。 が、残念ながら顔面パンチのディフェンスはまだまだ難あり。「効果」を奪われ、敗戦。

反対に戸田選手は、格下2人の健闘に手を焼きながらもキッチリと二勝を挙げたのはさすが(ベストファイター賞受賞)。まだ打撃と柔道をそれぞれ個別にやっている感があるので、そこの繋ぎをもっと考えて練習するとまだまだ伸びそう。

 

・関川(日立)vs. 小林(大宮西)

関川選手の方から望んで成立したこのカード。小林選手の方が14kg重かったが、さすがに対策はキッチリと練ってきたようで、、。明確なポイントこそ奪えなかったが、前蹴りを上手く使って終始自分のペースで試合を進めた関川選手が判定勝利をゲット。

 

・小関(東北)vs. 中村(北本)

私(渡邉)の選ぶ、本日の「ザ ベスト・オブ・ベスト」の試合。21歳=小関選手と43歳=中村選手の対戦。

1R、開始早々に小関選手が得意の左フックを決め「有効」を奪取。その後も若さ溢れるキレッキレの打撃で攻め込む。「2R制の試合だったが、ストップを考えた方が良いか?」と瞬間考えさせられるくらいだったが、中村選手も上手くしのいで決定打を許さない。逆に首相撲からの膝蹴りの連打で「効果」を取り返して 1R終了。

2R目も中村選手がパンチで「効果」を奪ってさらに追い上げるも、その後が続かず、試合終了。ビッグポイントにより小関選手の優勢勝ちが決定。小関選手サイドから見れば、ブラジリアン柔術茶帯の中村選手の寝技をキッチリと完封して見せたのは見事。 両者ともにベストファイター賞を受賞。

 

・糸永(草加)vs. 大倉(大宮西)

トリッキーな動きが持ち味の大倉選手、元全日本シニア王者を相手にバックハンドで「効果」を奪い、金星とベストファイター賞獲得。「らしさ」が爆発した試合振りでした。

草加の糸永選手は骨折からの1年ぶりカムバック。相変わらずのシニア離れした動きのキレ、打撃⇔立ち組み⇔寝技間の展開の速さを見せ、その実力に衰えのないことを証明したものの少し試合勘、勝負勘といったものが戻ってなかった感じ(?!)

 

・安東(早稲田)vs. 浅水(川崎)

本戦、パンチで「効果」を収めた安東選手だったが、残念ながら 判定1-0 で旗は上がり切らずに延長へ。気持ちが切れないかと心配されたが、攻勢を強める浅水選手に対して果敢に応戦して、試合を終え「今度こそ」の効果優勢勝ち。初勝利おめでとう(ベストファイター賞受賞)。

浅水選手は今回初参加(※川崎支部全体としても今大会が初参加)。継続参戦を期待します。

 

・高野(日立)vs. 川又(水戸)

身体指数 271 同士の超重量級対決。空道入門前の経験もお互いに伝統派空手の経験者で噛み合う展開に。結果はこのルールに一日の長があった高野の効果優勢勝ち。

川又選手=水戸同好会も今回初参戦。継続参戦を期待します。

 

・中村叶愛(草加)vs. 岸野 柊(草加)

ワンマッチ史上初の中学生女子同士の対戦。 中学生女子で空道を続けている子は、全国を探してもそうそういないかと思われるが、逆に言えばそれだけ「空道が好きだ」ということでしょう。さすがに2人とも「稽古しているなぁ」と感じさせるレベルの好試合を繰り広げてくれました。勝者の岸野選手はベストファイター賞受賞。

「中学女子の数が少ない」ということは別の視点からは「チャンスが大きい」ということでもあります。このまま稽古を続けた2人がいつの日か、北斗旗全日本の舞台で活躍してくれるようになることを望みます。

 

・長江(大宮西)vs. 川上(総本部)

身長差10cm、体重差10kgで身体指数差ゼロという空道ならではのマッチメイクとなったこの試合。

身長で上回る川上選手は離れた間合いで鋭い突き蹴りを飛ばす。が、長江選手はしっかりとディフェンスしつつ、臆せず前へ。組み合いとなると体重に勝る長江選手のペース。肘膝で「効果2」を奪い、激勝。

 

・中川(早稲田)vs. 西岡(御茶ノ水)

西岡選手が重いパンチで「効果3」奪い、タックルでテイクダウン。最後は腕絡みでこの大会唯一の一本勝ちを決め、快勝。

西岡選手は白帯無級。一つ一つの技のレベルには正直まだまだの感はあるものの、トータルとして「御茶ノ水スタイル」とも言うべきMMA空道の闘い方が完成されているのが凄い。朝岡支部長の指導力には脱帽です。

 

そして大変恐縮ながらも苦言を、、、。

「協力をお願いしている身」でこういうことを書くのも本当に心苦しいのですが、ワンマッチ交流戦も回数を重ね、毎回のように選手のレベル、人数が上がっているにも拘わらず、それを裁く審判の技量がついていっていないように思います。主催者サイドから見て、現状、安心して任せられる審判が能登谷支部長しかいない感じです。

ワンマッチは成績よりも経験第一、経験を積み重ねることでの「成長の場」であって欲しいと思っていますが、それは選手のみならず、審判にとっても同様です。

各支部長、指導員の皆様におかれましては、試合に向けて出場選手のトレーニングをサポートするのはもちろん、それと同時に自身も試合に向けて「審判としてのトレーニング」を積んでワンマッチに臨んでいただけるよう、ぜひともよろしくお願いします。「ルールを熟知して、審判の目を養う」ことは、自身が指導者であっても、あるいは選手であっても重要なことであると思います。

また私の方も反省点を一つ。

今回、大勢で盛り上がれたのは嬉しかったですが、でもその分長引いて、恒例の試合後のマススパー祭りができなかったのは非常に残念でした。今後は運営のスピードアップを図るよう努力したいと思います。

さて最後となりましたが、次回は(関東予選の日程次第ではありますが)来年二月、もしくは三月を予定しております。今後ともよろしくお願い申し上げます。押忍。

 

 

浦和・大宮西・北本支部   支部長:渡邉慎二