2018.11.07   ギリシャ遠征レポート 盛岡支部長 狐崎一彦

「ギリシャ海外セミナー・審査会」に同行して

大道塾盛岡支部長 狐崎 一彦

 この度、東塾長か海外セミナーのご依頼をいただき、ギリシャ近郊にあるコリントス地区の静かな街に同行させていただきました。東塾長を筆頭に、神山支部長 飛永支部長 渡部(慎)支部長 小松支部長 山田(壮)指導員、そして自分、計7名が参加しました。10月12日成田空港を出発、途中、モスクワ(9時間)を経由し、アテネ(5時間)まで飛行機で移動、その後、車で(1.5時間)目的地までの長時間に亘る旅となりました。宿泊先に到着したのが真夜中の午前0時を過ぎ、その日就寝したのが午前4時頃でした。翌日13日一行は、長旅の疲れもみせず、午前中と午後に分けて空道の基本、移動稽古を指導、14日午前中は前日の内容を踏襲指導し、午後から約30名を対象に審査を実施いたしました。参加者は、総勢150名~180名に及び、伝統派空手の団体に所属する方が多くみられ、我々の空道に寄せる関心が高かったのか、その期待に応えるべく、東塾長の熱心な指導が印象的でした。伝統派の独特な構えから、どっしりと腰を落とし、その構えから直突きを打ち下ろす技と空道の基本的組手スタンス、いわゆるボクシングスタイルによる多種多彩なコンビネーションの技の違いがはっきりとわかり、参加者一同、やや戸惑いがあったと思われますが、真剣な表情で「技を覚えたい」というが前向きな努力が見られました。

東塾長自らの指導・・・・・。(元気です)

本セミナーのなかに、長年ギリシャに住み、伝統空手の普及指導をしている宇戸真美さんという女性がいらっしゃいました。聞けば、このギリシャに約30年住み慣れ親しみ、空手の指導や翻訳、通訳などしながら生計を営んでいる様子でした。我々からすれば、日本の女性に異国の地で出会えたことは、心強い安心感を覚えました。特に、参加者に対して我々が指導を行うために通訳で解説していただくなどよりコミュニケーションを図ることができたことは大変感謝致しました。

日本人女性 宇戸真美さんが通訳
空道のルール等説明

本セミナーのなかで、空道ルールの特徴的な技の披露や主な効果、有効技、違反行為等について、塾長が詳細に説明を行いました。今回は、地元地域の方、海外からの参加も有り、また、フルコン系の流派(団体)の参加者がみられ、受講者の多くは伝統派の参加者に占められました。この2日間のセミナー受講だけで、技を習得することは不十分であると感じましたが、最終日の午後から約30名による昇段審査を受験するとあって、我々が各自組み合わせを任され、そのグループを各自ひとりで担当するという塾長命令がありました。自分は、50代60代の参加者を担当し総当たりによる組手審査を実施しました。(老眼鏡ょ持ってこないため、名簿が読みづらくて・・・泣)組手審査を進行し、その判定を内容として書き留める。審査受験者の名簿が配布され、名前を呼ぶが発音が違うためなかなか返事がない、呼んでも来ない、当日審査を急に受けたい、名簿が違っている・・・と様々でした。(驚) 途中宇戸さんが、流暢な発音で通訳していただき大変助かったことを覚えています。「始め」 「続行」 「止め」という普段我々が使っている言葉が理解できず、試合途中に止めてしまうことも度々あり、本人たちもある意味戸惑いが見られました。やはり、伝統派の受験者は、パンチ、キックの出し方が普段慣れ親しんでいる技を出してしまったり、いまひとつ不足する部分が見られましたがこれも仕方ないと感じたものです。組手試合もライトコンタクトが目立ちました。我々が集中的に指導したわけですが、今回の指導のなかで、十分うまくなるとは思いませんが、基本的な突きと蹴りを十分理解し、早く上達できるよう努力に期待したいものです。色々な諸事情もあるだろうし、すべての参加者とは言わないが、海外ではこれで成り立っているようにも伺えました。いつもながら、大きな体型の方もみられ、あのパワーや技が身につけば、相当な威力を発揮できるはず、日本選手にとっては、驚異的にも思えました。

セミナー参加者一同による記念撮影

ここで、自分なりにセミナー開催について所感を述べてみたい。外人勢の稽古内容は、やはり基本技は雑ではあったが、相変わらず体型が大きいことが目立った。やはりパワフル感や迫力を感じる。「空道母国」日本人の指導員として、海外の支部生を指導したわけであるが、我々も常に研究や勉強熱を怠らず、いつでも技術について研究を重ねると共に、模範となる指導が必要であると再認識した。どの国の外人も、武道に対する気持ちがまっすぐであり同時に、憧憬が深いことはいまさら言うべきことでないが立派であると思った。

自分が写る場面が少ない。が今回は特別・・・・
ホテルにあるプールにて、まだ泳げる季節だと。夜は肌寒い

こうして、海外セミナーは無事、滞りなく全行程終了することができました。短い期間ではありましたがとても刺激を受け、大変良い機会を与えていただきました。同行した支部長には、情報、意見交換できたことも大きな収穫ででした。東塾長自らが、先頭に立ち、海外に在住する空道の道を志す異国の大道塾生に、考え方を正しく伝え空道を発展させる1つの手段でありその関係者のひとりに慣れたことがとしてうれしく自分なりの励みにもなりました。

この度のセミナー開催は、空道の新しいページにしっかりと刻み込まれたものに違いない。併せて、ギリシャ支部を率いるジョージ支部長の今後ますますの活躍に期待も高まります。 この度のセミナー開催について、東塾長に、特に心から感謝申し上げます。来る11月末から開催される第5回目となる世界大会の成功に関係者のひとりとして、従事していきたいと心を新たにしております。魅力たっぷりのギリシャ海外セミナー・・・・万歳。

押忍

ジョージ氏と奥様・・・特に奥様には、移動中ベンツに同乗させていただきましたが車内のミュージック音が高音・・参った笑。ちなみに、参加者全員(塾長除く)体験済み