梅は咲いたが桜にはまだ早い2023年3月12日、福岡県朝倉市の「朝倉体育センター」にて第59回「九州・沖縄・中四国地区交流試合」が開催された。朝倉市空道協会会長渡辺つよし先生(元朝倉市市議会議員)、横尾秋洋先生(筑紫野市議会議員)の祝辞から、長田賢一塾長による「審判長あいさつ」。厳しい国際情勢にあって、武道が有する意義、また5月13・14日に開催される世界大会に向けた意気込みが語られた。聞けば、ハワイからキリバス共和国、ツバル、オーストラリア、グアム、マーシャル諸島、フィジー共和国、そしてグアム(順不同)とオセアニアの諸国、地域の歴訪後、すぐの福岡。かなりの強行軍に思えるが疲れの色をみせられることなく終始元気に観戦された。
今回の大会、ジュニアの部が59名、シニアの部4名、一般空道ルール2名のワンマッチ。ジュニア選手は、筑紫野支部、筑紫野支部から最近独立した朝倉支部、大野城支部、筑紫野南支部から多数参加、また山口県周南支部からも参加、熱戦が繰り広げられた。特に印象に残ったのは、試合時の応援。この交流試合は今回で第59回目となるが、新型コロナ・パンデミックの直前2019年9月16日に第53回が開催された後、残念なことに2020年は開催されず、2021年3月28日の第54回、7月25日の第55回、11月28日の第56回、翌2022年6月7日の第57回、10月2日の第58回大会はいずれも感染予防の為、試合時の応援自粛、静かな中で試合が淡々と進んだ大会であった。今年に入ってからの、大型イベント等での「声出し制限」撤廃その他一連の規制緩和を受け、今回は試合時の応援解禁、各支部、仲間が出場すると、どこからそんな声がでるかと思うほどの声援、試合の経過に一喜一憂しながらの応援合戦。久しぶりの大歓声の中で熱戦が繰り広げられた。長かった新型コロナ状況もようやく出口が見えてきた感じ、新型コロナの収束を期待したい。
シニアの部は4名の総当たり戦。子どもたちの活躍に刺激を受け、自分も空道を始めたという平山がダイビングで鍛えた身体能力、レスリング経験を生かして優勝。打ち合いあり、シニア指数差(シニア指数は体力指数から年齢を引いたもの。年長になればなるほど数値的には有利。)30超での金的ありと、多彩な試合内容で盛り上がった。
一般の部、ベテラン松永と20歳鶴田の一戦。延長にもつれ込んだが、僅差で松永が意地を見せての勝利。両者ともにきれいな組手、見ごたえある一戦だった。一般の部ワンマッチのみというのは寂しい限り、経験を積む意味で、積極的な出場を期待したい。
全試合終了後、塾長による講評、選手の健闘をたたえるとともにあらためて現代における武道の意義について講話、塾長の武道観については、正確を期したく、総本部HP「長田賢一の対談シリーズ」、『新・空手道2023【第5号】』(道義出版2023年2月)の「中達也×長田賢一対談」を参照していただきたい。
閉会後、筑紫野支部に移動して懇談の場。塾長が塾生から親しく質問を受ける。質問が技術論に及ぶと、塾長が次々に技を繰り出し、実演、実証。その場の感動、驚きは実際に参加し、相手となったものの特権、日本武道の深奥に触れる体験。こうした時間は流れるのが速い、話題、技は尽きぬままにやがてお開き、贅沢な時間も一区切りとなった。 以上
報告 広島中央支部 村上智章