NPO法人 国際空道連盟理事長 高橋英明
11月11日にアメリカ合衆国のロサンゼルスにおいて2023北米空道選手権大会が開催され、その前後に、ルールミーティングと審判講習会、審査会、支部長会議、およびセミナーを実施しました。
今回の大会は、記念すべき第1回の北米選手権大会であっただけでなく、アメリカ合衆国において開催された初めての大会でした。
ルールミーティングについては、初めて大会に参加する選手が多かったことから、Referee Seminar Part1とPart2の資料を用いて、基本的なことから説明をしました。審判講習会についても、まだ審判員経験者が少数であり新規のライセンス取得希望者が複数いたことから、Referee Seminar Part1とPart2を使用して、これも基本的なところから説明を行い、ヨーロッパ選手権大会の際に使用したPart3の資料は今後に自己学習で使用すべき宿題としました。
昨年からの国際大会を通して、清水KIF選手代表理事には合計5回の審判講習に同席してもらい、また今回は小松S級審判員に同席してもらった上で説明資料も提供しました。私が国際大会に出向くのはあと2年間と考えていますので、今後は彼らに審判講習担当者として私からの引継ぎを進めていくつもりでいますし、他にも2名程度は海外で審判講習を担当できる後継者を育てていくつもりでいます。
11日の大会には、カナダ、メキシコ、アメリカ合衆国から合計42名の選手が参加し、空道の経験が浅い選手が多いながらも、逆にかえって面白い試合が多かったように思います。いつも感じることですが、激しい闘いをしながらも表彰式ではお互いをリスペクトしあう姿を見るのは、うれしいものがあります。国際審判員(S級とA級)として小松、古川、中川の3名に手本を示してもらいながら、今回の大会を通して1名の審判員に対してライセンスのグレードアップを、3名に対して新たにD級のライセンスを承認しました。これでも北米でのライセンス保持者はまだ6名だけなので、次の世界大会に向けて育成を進めていく必要があります。
支部長会議では、来年の10月初めにメキシコのメリダでパンアメリカ空道選手権大会を開催する方針を確認しました。最終的には空道アメリカ大陸委員会で決定することになります。
大会の翌日に開催したセミナーは、サンタモニカにあるDynamixMMA道場を借りて実施しましたが、道場主やMMAの選手も参加し、ごく近い将来に我々にジョインし、空道を開始することになりそうです。他にも、これまで空道の活動を休止中だったところが活動を再開することになると思われるので、今回の米国訪問の結果、米国内で2つの支部の活動が開始されることになりそうです。やはり、直接顔を会わせて稽古を一緒に行うことの力は大きいと感じました。
2週間前のヨーロッパ選手権大会など、海外において様々な活動が進んでおり、2024年の予定だけではなく2025年の予定まで協議ができている状態にあることは、KIF理事長としてうれしい限りです。
どうしたら各国内での活動の活性化を進められるのか?という相談がありましたが、先のレポートで記述したように、KIFとしては大会やセミナーといったイベントを活性化することで、各地の活動を活性化していきたいと考えています。自身の道場内での活動だけでなく、他の多くの支部との交流を通して、また次の大会を具体的に見据えて、目標やモチベーションを高めていくことができることを、今回の大会やセミナーなどを通して理解してもらえたと思いますし、これらの活動の価値を実感してもらえたのではないかと思っています。
今回の遠征でも空道を愛する多くの人たちの姿を見ることができ、改めて、I Love Kudoと言ってくれる会員へのサポートに努力していきたいと思いました。