大道塾盛岡支部長 狐崎 一彦
去る、3月24日(日)本年の全日本体力別選手権大会への東北地区出場選考と東北地区交流大会を兼ねた大会が盛岡市(岩手県営武道館)に於いて開催された。未曾有の大震災から8年が経過、盛岡支部主管による同大会がその震災時に予定されていたが、その当時被害を被った方や地区の状況から、とても大会開催はできないと判断、大会を順延した経緯があった。あれから8年が経過、東北地区の復興が徐々に整備されるなか久々の盛岡大会となった。
北斗旗全日本予選の部が4階級20名、シニアクラスの部4階級17名、U16クラスの部が5名、計42名がエントリーした。従来に比べれば、少々参加者が減ったわけだが試合は白熱した内容となった。当日、盛岡地方は異例の寒さになり早朝から大雪に見舞われ冬に逆戻りしたわけだが選手に遅れもなく、いよいよ試合開始となった。230以下の部:小野葉嗣選手(塩釜支部)が快進撃により3勝を修め優勝。240以下の部は、Aブロック、Bブロックに階級を分けて実施され、阿部宏信選手(石巻支部)伊藤 駿選手(仙台東支部)がそれぞれ勝ち上がり両名による決勝進出をかけた試合となり、僅差により伊藤選手が優勝した。阿部選手は毎回、各試合への出場が積極的にみられ、スピーディな技の多様や技の応酬が目立ち稽古への姿勢も常に顕著であると思われるが今後の活躍に益々期待したい。女子の部は、戸田佳奈子(登米支部)末永あゆ(石巻支部)によるワンマッチ戦が開催され両者引かず、引き分けになり再試合の結果、戸田佳奈子選手に軍配があがった。シニア交流戦の部は、180以下の部:水野英二選手(多賀城支部)200以下の部:芳賀俊一選手(東根支部)200超の部:矢上太郎選手(仙台東支部)顔面打撃の部:吉田祐希選手(盛岡支部)そして、U16クラスの部:佐々木惣一朗選手(仙台東支部)がそれぞれの部において優勝となった。特に、シニアクラスの部は、一般部と遜色がなく、スピード、力量、タイミングの取り方など年齢の割に比べまだまだ高い技術の方も多く、トリッキーな動きもみせるなど試合運びも実にうまく今後の活躍にまだまだ期待が持てそうだ。シニアの方々は、若い頃から空道に入門し基礎的な部分が備わったうえで、現在も継続し稽古を怠らずしていることが、この試合に発揮されているようなことが伺える。若い道場生の皆さんは、もっと将来に向け希望を持ちつつ踏ん張りがきくはずだ。大道塾は、東北地区が発祥の地、大会関係者からも大きな期待が益々高まることだろう。是非、今後のためにもひとつひとつ精進を重ね期待に応えられる選手になるよう祈念したい。
また、大会前日、久々に東塾長夫妻、東北地区の古参支部長を囲んで『思い出を語る会』懇親会を当市つなぎ温泉で開催した。東京から髙橋英明師範(東北出身)も駆けつけてくれ総勢20名による酒豪?により膳を囲み思い出話に話しが弾んだ。久々の再会でまたこうした機会でもないとゆっくり語れないこともあり有意義な二日間となった。
今回の大会準備等は、約1ヶ月半のなかで、急ピッチで実施してきた。特に、当支部幹部生である若林武司師範、坂本 明師範代、10年ぶりに勇気を出して戻ってきてくれた中島直志師範代など、綿密な打ち合わせと確認を行い、また各部署間で協議するなど事前の準備があった。イベント毎に慣れはしているつもりだが、やはり本番時、色々落ち度はあるわけだが、ある意味支部の協調や団結が図られたものと思う。この大会を気に、支部生もやる気が出る結果に繋がり一歩前進したような気がした。盛岡支部の皆さんにも感謝したい。すべての皆様に、お礼申し上げ、大会報告と致します。