コラム28 近畿医療専門学校 理事長の表敬訪問に際して

 

去る2月2日、小職(国際・全日本空道連盟理事長、大道塾 東 孝塾長)の元へ、学校医療法人 近畿医療学園 厚生労働大臣指定・大阪府認可 近畿医療専門学校http://www.kinkiisen.ac.jp/?utm_source=google&utm_campaign=top&utm_medium=cpc小林 英健理事長が奥様のとも子理事と同校スポーツ選手強化本部・本部長 北出 雅人氏を伴って、池袋の総本部を表敬訪問された。http://kinkiisen.ac.jp/staff-blog/sports-trainer/

 

北出氏と小職との縁は、「2000年北京オリンピック」に中国独自の武術競技として散打が採用されるだろうとのことで、当時は中国が世界各地で散打の大会を催しており、それらの一環としてまだ散打の競技人口が少なかったことから要請を受けて、2001年の中国河北省で行われた日本予選の代替え試合としての「中国功夫対日本空手道武朮(※1)散打争覇(※2) http://www.daidojuku.com/home/2001/sanda_2001.07.03..html 」に同行したことで生まれたものだった。(※1術,※2賽≒催し)

 

対談では小林理事長より「同校の医療技術の高い特性や近年武道の大会での医療サポートなど」近畿医療専門学校の沿革や理念、活動などの説明を頂き、「大道塾・空道様の試合や大会等でも、出張治療サービスさせて頂きます」とのご提案を頂きました。

 

当塾の方からも同様の設立の経緯やその後の歴史、今後の展望などの紹介の後、「空道はお陰様で、年々社会的認知度が高まってきていて、公的競技の認定ともいうべき“体協(日本体育協会)”加盟運動も各地区で広がっており、より一層、「社会体育としての武道=空道」の道を歩んでいることや、更に、今年はジュニアで優秀な戦績を残した選手がAO入試で大阪体育大学への進学を果たした例などを話したなら、http://daidojuku.com/jp/2018/01/10/ao/  「当校も塾生の方々の進路の一つとしてご紹介頂きたい。ついては塾生の場合は入学試験免除、検定料免除、入学金一部免除(人物重視) 、更には素晴らしい競技成績を上げられている方は入学金免除も可能です」というような素晴らしい提案も頂きました。

 

さて、嘗て青少年のいわゆる“進路”は「高校卒業→一般社会」が一般的でしたが、3,40年前からは社会の高度化・専門化に伴い、それに「高校卒業→専門学校→社会人」か「高校卒業→大学→社会人」という二つのコースが加わり、どちらかというと、3番目が「確かな≒選ばれた人生のコース」と見られていた時代がありました。しかしながら、大学進学率は6割になろうとし、大学全入制が叫ばれる昨今、大学進学、卒業は決してかつての「確かな≒選ばれた人生のコース」を意味しません。

 

その証拠に「大学に入れさえすれば」と多くの若者が受験戦争に突入し、晴れて大学生になったものの、それまでの小学校からの受験勉強で精魂尽き果てて「大学は遊ぶ所」か、気の利いた言い方をするなら「人生の“モラトリアム(※)”だ」と学生生活を謳歌し、いざ卒業して就職するも、かつての「選ばれた存在」ではないことに遅蒔きながら気付き中途退社し、改めて専門学校に入り直し、確かな技術を身に着けて再度社会人となっている“学士様(古い表現ですが笑)”の、なんと多いことか。

 

※確かに大学生活を「人生のモラトリアム期間(支払い猶予期間≒実人生に入るまでの試行錯誤する期間)」として、色んな人間に出会ったり、経験をしたりして人間の幅を広げる期間と捉えることもできるでしょう。それならそれで一定の意義はあると言えますが、大概は目的もないままに遊びに使う資金欲しさのバイトに明け暮れたり、流行しているその時々の“何か”に手を出してはみるものの、全てが中途半端に終わり、何の特技、テーマも得ないままで4年間を過ごしてしまう、というのが実情ではないでしょうか・・・・。

 

そんな時、「空道は続けたいが将来の生活のことも考えないと・・・・」と悩んでいる競技者の声をチラホラ聴きます。そして競技に未練を残しながらも、若年で競技者としてリタイヤーする塾生も少なからずいると思われます。そんな時、「2030年問題」と言われるように「2030年には65歳以上の高齢者が人口の1/3を占めるような“高齢化社会”」が到来します。それはこれから高齢者の医療がますます需要を増すことを意味しています

 

また、空道や他のスポーツをしている皆さんは感じているとは思いますが、高齢者のみに関わらず骨折といったようなハッキリとした外科的な病院で扱わなければならない怪我とは別に、足腰が痛いとか重い、筋が張ってる首が凝るなどといったような症状には、代替医療https://ja.wikipedia.org/wiki/ と言われる、このような療法は大いに有効であることは経験済みでしょう。

 

とは言っても、社会の変化に対応し、あまりにも多くの民間療法があり学校がある現状では、近い将来乱立が危惧されていることも確かです。そういった場合、基礎的な理論や技術は当然ですが、それに加えて自分でも同様の痛みを持っているとか、他人の痛みや症状を多く見聞きしているといった “経験”や“人間力”という技術以外、以上のいわゆる“腕前”が患者さんを呼び込む大きな要素になる、とはよく聞く話です。

 

そういう意味で、自分が競技をする過程で経験したり、他人のケガや症状などを見聞きする経験のある“競技者経由の施術者”こそ求められている一つのコースなのでしょう。そのことが学校側の待遇にも反映されているのだと思います。

 

「空道を追求したい。しかし、将来のことも考えないと・・・・」と悩んでいる中高生や父母の方も多いと思います。そんな場合は「競技力が飛躍的にこの時期に集中することで一段違う人間に成長し、そのことで広い世界を見聞きできるし、同時に人生設計の一環として、並行してこのような実業の技術習得の場を持っているということは、精神的な安定感にも繋がり、より確かな将来を描ける」という、このような提案も一考の余地はあるのではないでしょうか?