2020.02.18   神奈川県警警察官採用試験のお知らせ

令和2年2月13日、大道塾総本部に高尾支部、加藤 泰典支部長が、神奈川県警察本部警務部 警務課採用センター所長と担当警部補のお二方を伴って来場し、以下のようなお話を伺いました。

所長は

「神奈川県警では従来より、採用時の試験において、警察官としての素養として教養(学科)試験と共に、論文試験、適性検査、体格検査、人物試験、身体検査を実施しております。さらに、警察官の能力を向上させる各種の技能資格を取得している受験者を評価し、第1次試験時(教養試験)において一定の加点をしており、①柔道・剣道、②情報処理技術、③語学、④全国規模でのスポーツ大会の成績などを対象としています。④については、今年から新しく導入したもので、JOC(日本オリンピック委員会)に加盟している競技団体の競技のほか、空手、少林寺拳法、日本拳法、そして「空道」についても、対象種目とさせていただきました。

警察官は、犯罪に立ち向かい社会の平穏な生活を守る強さ、そして、常に人々のために尽くす優しさをもって職務にあたらなければなりません。空道は、極めて実戦的な武道ですので、その強さは警察官になってからも必ず生かせるものだと考えています。

また、勤務体系は、交番やパトカー等の地域部といわれる部門では「1日24時間勤務の次の日(明け番)は非番日で休み、次の日は週休日で24時間休み」というような三交代制勤務、刑事等の捜査員は週休2日制勤務というように、職務内容に合わせた勤務体系を実施しています。最低月1回の年次休暇取得を奨励しており、仕事と私生活の調和を目指してワークライフバランスを充実させているところです。」というお話でした。

警察のような、時として“現実に”犯罪者を制することを求められる機関から、空道を評価頂いたことは素晴らしいことです。更に、勤務形態も武道愛好(修行)者が勤務しやすくなるでしょう。従来は選手として実績を積んだ学生選手が「先生、大道塾=空道は続けたいのですが、普通の会社に入っては練習時間までに仕事が終わることはまずないし、定時に終わる役所には入れないし笑…どうすれば良いでしょうか」などと相談された場合は、大概「今まで培ってきた“体力、気力”を生かせる職場は自衛隊や警察、消防署だ。ただ、自衛隊は演習があったりすると通えないし、警察も中々休みが取れないからな~。その点、消防署は直接に武道とは関係ないが“三交代勤務制”と言って、3日のうちに2日は練習できるから、十分に練習ができるぞ。ほら実績を持ってるあれもこれも皆な消防署勤務だ」と返事するのが常でした。その大きなネック(?)
がなくなるのです!!まさに道場訓にあるように、文字通り「社会に寄与貢献」できる道が、大きく広がったのです!!

大道塾は設立以来、その実戦性の高さから様々な“格闘技・ブドー”ブームに翻弄されてきましたが、単なる肉体的強者やエンターテイメントではなく「“社会体育”として社会から真に必要とされる人材の育成を主眼とする“武道スポーツ”」をその塾是(塾のモットー)として、愚直にその歩みを重ねてきました。

会談中「大道塾さんは“格闘技エンターテインメント(興行)ブーム”の色々な仕掛けに左右されることなく“ブレず”に武道路線路を守られたのは素晴らしいと思いました」とお褒め頂きました。しかし、「試合をして実力を証明したい選手」の“切望”、「大道塾選手の試合を見たい“ファンや後援者”」からの“要求”、「大道塾をリングに上げて、対抗ブームを煽り、部数を伸ばしたい格闘マスコミ」からの“圧力”、「不慣れなグローブ戦に持ち込み叩き潰したい打撃系格闘技団体」からの“挑発”等
々・・・。

正に“四面楚歌”の中で、武道団体を預かる者として、強さの追及と同時に「“コンプライアンス的見地”から、戦う場を選ばなければならない(※)」という想いの私には、毎日が睡眠不足や二日酔い胃痛と言った三重苦との戦いであり、振り回されっ放しだった日々は、顧みれば赤面、冷や汗ものでした。

※:武道は一歩間違うと、ブドーやスポーツの美名のもとに“反社(反社会的団体)”の “興業”やカモフラージュ、最悪、実行部隊にすらなりかねないのは、新聞やテレビ、ネットでのニュースで知られる通りです。

そんな私の胸中はどこ吹く風か、ファンや後援者からは度々「そんなことで悩むより、実力はあるのだから、もっともっとテレビや雑誌を主体に考えて名前を売った方が良いだろう!!」と焦れったがられたり、反感を持つ人達からは「実力がないから出てこないんだろう!!」等と揶揄(?)され「今に分かって貰える、ここは我慢だ!!と歯を食いしばったものでしたが、40年の年月を経て、2018年の宮城県のスポーツ協会への加盟や2025年の青森国体での公開競技決定!!等々、徐々に公的機関からお認め頂きつつあることは、歩んできた道が間違いではなかったということの証左であり、誠に喜ばしいことであります。

今回の神奈川県警の採用試験で空道を採用頂いたことは、一般社会での空道の評価、承認と言う意味で大きな前進となるだけではなく、空道を志す若者が社会との接点を保ちながらも、迷いなく空道修行に打ち込める大きな支えとなることでしょう。これまでは高校生や大学生などの塾生に「北斗旗や全日本で戦績を上げることは極めて難しいことで、自分自身の大きな自信になったり、周囲の人からは非常な賞賛を受け、名誉なことではありますが、実人生での就職や進学を考えた場合、このまま練習に集中していて良いのかと悩んでしまいます」という声を度々聞かされ、事実多くの若い人材が競技生活を去って行きました。

事実、我々だけではなく、そういう“実利?”=“公的承認”の少ない多くの打撃系競技の場合は、10年、20年(30年?)周期で度々繰り返される巷の“ブドー・格闘技”ブームに振り回され、武道の「社会に貢献する人材育成」という大義を忘れて、右往左往したり、果ては上述のような陥穽に陥りがちなのとは違い、柔道、剣道と言った武道の場合、選手としての努力や大会での実績は公の記録として尊重され、各種の進路(進学、就職)への大きなキャリアとして評価されます。そのことが“格闘技・ブドー”ブームと一線を画して、人間教育の武道として屹立している大きな要因です。我々大道塾、空道もそうありたいものです・・・・・。

詳しくは「神奈川県警察官採用試験のお知らせ
https:// www.police.pref.kanagawa.jp/pdf/b0001_03.pdf
をご参照ください」とのことでした。